- 20代単身者の2人に1人、既婚者の3人に1人が無貯金。
- 貯金のコツは「明確な目先の目標」を持つこと。
- 20代のうちは貯金よりキャリア計画が重要。
公開日:2019年8月19日
こんにちは、婚活FP山本です。最近では「若者の○○離れ」などとよく言われるように、若いうちから未来を見据えて貯金に励む方も増えつつあります。しかし一方、今の日本は格差社会が広がっており、20代でも満足な就職先にありつけずに低年収に喘ぐ方も多いのが実情です。
このため、イマイチ20代の現状が分かりにくいですよね。そこで今回は、20代の平均貯金額や貯め方のコツをお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。
目次
まずは早速、20代のリアルを統計でお伝えします。知るぽると(金融広報中央委員会)の平成30年「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯)」によると、20代の貯金額は以下の通りです。
また同調査の「二人以上世帯(既婚世帯)」によると、その結果は以下の通りとなっています。
単身世帯の中央値が5万円という点を見れば、多くの20代は貯金ができていない一方、結婚すると共働きで家計状態も良好になる結果が伺えます。もっとも、あくまで単身者と比べれば……という程度なので、やはり平均的には20代では差は出にくいのかもしれません。
ところで、先ほどの調査では「金融資産非保有世帯(つまり貯金ゼロ世帯)」について、以下の結果が出ていました。
何とも厳しい結果ですね。特に単身世帯はともかく、結婚していてもおよそ3組に1組の20代夫婦は無貯金なのが実情となっています。独身なら2人に1人ですから、貯金をしている、できているという結果があるだけで、ある意味で勝ち組なのが20代かもしれません。
次に20代の理想の貯金額についてお伝えします。そもそも貯金とは「未来に必要なお金」を蓄えていく行為です。そして未来に必要なお金とは各自で違いますが、20代に待ち受ける最大の分岐点は「結婚するのか否か」といえます。ちなみにあなたはご予定ありますか?
結婚するつもり、あるいは結婚願望があるのなら「必要と思う結婚資金」を蓄えなければなりません。具体的な金額は人によりますが、おおよそ50~400万円といったところでしょうか。ひとまずこの金額を、結婚予定の年月までに蓄えられるよう努めていきましょう。
逆に結婚しないのなら、心変わりの可能性を除けば早速、「老後資金」を蓄えなければなりません。長期の体調不良で働けない可能性も考え、できる限り資産形成に努めましょう。
必要な貯金額は各自の事情で変わりますが、「住む地域の事情」でも違ってきます。東京など都心部なら比較的時給が高い代わりに家賃が高く、また交際費なども高額になりがちです。一方の地方なら薄給の代わりに家賃も割安、しかし生活に車が必需品となります。
このため、一律の理想基準を設けるのは極めて困難ですから、先ほど触れた「自分の結婚の可能性」を念頭において、自分なりの必要額を考えて貯金に励んでいきましょう。
次に、最終的な必要貯金額をお伝えします。計画というのは何事も「最後からの逆算」が基本です。これは貯金計画においても同じであり、人生の最後とはズバり「老後生活」になります。このため、最終的にはこの老後資金を念頭に置いて貯金に励むことが重要です。
もっとも、老後に必要な貯金額も人によるため一概にはいえません。ただ、一応の目安を上げれば既婚者で「約5000万円」、単身者で約「3000万円」となります。この金額を最終的な目標にして、これに上乗せする形で結婚資金や教育資金などを必死に貯めていきましょう。
ただ、昨今の経済事情を考えると、老後までに上記の資金を蓄えるのは多くの場合でムリです。このため、まずはムリせず手前の結婚資金や教育資金だけを考えていきましょう。
なお、どうしても老後資金が気になる方は以下記事も合わせてどうぞ。
ちなみに、実際の定年直後の方の平均貯金額は「約2000万円」です。つまり、多くの方が目安となる金額を蓄えられなかった事になります。もっとも、「皆ができてないから大丈夫」ではなく、「皆まとめて老後破産予備軍」となっているのが実情なのですけどね……。
しかし、これはあくまで貯金額での目安であり、貯金が足りないなら働けば良い訳です。ぜひ20代から定年後を見据え、老後になっても働けるよう自己研鑽に励んでいきましょう。
今度は20代でも貯金ができるコツをお伝えします。ひとまず年収が生活ギリギリの方は、転職や副業などで年収を上げることを考えましょう。一度非正規などになると簡単には脱却できませんが、嘆いていても状況は変わりません。若い体力を武器に何とかガンバって。
そして相応に年収がある方は「明確な目先の目標」を持つことが重要です。学生時代、ただ勉強しろと言われて勉強できたでしょうか?人間は意味が分からない行動は中々続けられませんし、やる気も起きません。でも「〇年後に結婚式を挙げる」なら、どうですか?
どんな言い訳を並べようと、貯金が貯まっていなければ式は挙げられません。男性なら女性からフラれる可能性も高まります。ぜひ目先の明確な目標を持ち、貯金に励みましょう。
どうしてもあるだけ使ってしまう方は、給料を貰ったら「先に貯金する」方法が簡単です。もらった給料の〇%、あるいは年収の〇%を、貰ったら即、別の口座に移しましょう。最初は貯金しすぎて取り崩す可能性もありますが、ともかく「貯金クセを付ける」ことが重要です。
慣れてきたら、先ほどの「明確な目先の目標」と〇%をリンクさせ、何%貯めたら間に合うかを計算して貯めていくと確実でしょう。どうしても叶えたい目標を、やる気に変えて下さいね。
最後に、20代の貯金に対する筆者の見解をお伝えします。ハッキリ言って、20代なら少々の貯金額の差は誤差です。仮に周囲と比べて貯金額が劣っていても、何も気にしなくて大丈夫といえます。それよりも、代わりに「今後のキャリア計画」を持つことが大切です。
言い方を変えれば「年収アップ計画」でしょうか。残念ながら、すでに今は終身雇用も年功序列も崩壊しています。ただ仕事をがんばれば、雇用も年収アップも約束されている訳ではありません。このため、あなたなりのキャリア計画を練るほうが、20代なら重要です。
大手に転職する、独立する、副業する、投資をする……方法は色々とあります。一時的になら貯金が減ってもかまいませんから、それより先の未来を見据えて20代のうちは動きましょう。
貯金の基本は毎月コツコツですが、必ずしも毎月する必要はなく、貯金できるようになってから貯めてもいいのです。むしろ20代なら毎月の結果ではなく、「未来を見据えた下地」を作るほうがよっぽど重要といえます。その分、貯まる時期は遅くなりますけどね。
しかしながら今は人生100年時代です。少々貯まる時期が遅くなっても、最終的に沢山貯まった方が得といえます。ぜひそんな「中長期的な視野」で20代を過ごしましょう。
20代なら貯金できてなくても普通と言える一方、「貯金の必要性」を理解することと「貯金できる下地」を作ることが重要です。幸いにも皆が貯金できてない訳ですから、引け目を感じる必要もありません。ぜひ輝かしい未来を迎えるために、20代は準備と自己研鑽に時間を使いましょう。
以下の記事では社会人にも慣れてきた24歳の貯金事情や貯金のコツについて詳しく解説されているので、ぜひ参考にしてみてください。
24歳の平均貯金額はいくら?20代前半の男性・女性の毎月の貯蓄額は?
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