公開日:2019年8月6日
国内のロボアドバイザーの種類も様々ありますが、楽ラップは楽天証券のロボアドバイザーなので、信頼性が高いと言えます。ただ、実際の運用成績や評判などはどうなのでしょうか。今回は、実際の運用実績や口コミをもとに、楽ラップを分析していきます。
目次
楽ラップとは、楽天証券が提供するロボアドバイザー。2分程度の簡単な質問に答えると、楽ラップのロボアドバイザーが最適な運用コースを無料で提供してくれます。
楽天証券の口座があれば専用の口座は不要で、投資銘柄の買付けから調整まで自動で行ってくれるのです。
楽ラップでは、フィンテックベンチャーのFinatextと共同でロボアドバイザーを開発。16の簡単な質問に答えるだけで、投資家に最適な運用コースを提案します。
運用コースは全部で9つ。ロボアドバイザーが提案した運用コースが気に入れば、楽天証券の口座にログインして申し込めます。運用コースごとの実績や、積立をした場合のシミュレーションも確認できます。
運用コースが決まったら、投資する金額(最低投資金額10万円)などの必要事項を入力して申込みます。一度、申し込みをすれば、銘柄選びや売買などはロボアドバイザーが自動で行うので、投資の手間を省けます。
楽ラップを利用すれば、どの銘柄に、どのくらい、どのタイミングで買付けするかを考える必要はありません。すべて楽ラップが自動で行ってくれます。ですから、投資初心者でも簡単に投資を始めることが可能です。
いくつかの簡単な質問に答えるだけで、ロボアドバイザーが最適な運用コースを決めてくれます。楽ラップの基本資産配分は、以下の5種類の運用コースで決定されます。
また、株式の投資比率が最も低い保守型コース以外は、「TVT機能(下落ショック軽減機能)」がついています。
出典:楽天証券
楽ラップでは、「やや保守型」や「積極型」など基本資産配分が異なる5つのコースに加え、保守型(株式への投資比率がもっとも低いコース)以外には、TVT機能(下落ショック軽減機能)付きのコースが用意されています。
TVT機能とは、株式市場の値動きが大きくなりその状況が続くと見込まれた場合、一時的に株式の比率を下げ債券の比率を上げることで、資産全体のリスクを軽減させる機能です。
TVT発動後、株式市場の値動きが落ち着いてくれば、通常の資産配分に戻します。TVT機能により、株式市場の乱高下が続くような状態でも、資産の大幅な値下がりを回避できるのです。
楽ラップは、長期で資産運用を行うサービスです。長期投資では、運用にかかるコストがパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。 楽ラップでは、ファンドごとの運用状況や運営体制・コストなどを調査し、楽ラップに最適なファンドを厳選しています。
2019年4月現在、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)などに投資するファンド15本が選ばれています。これらのファンドを組み合わせることで、世界中のマーケットに分散投資が可能になるのです。
ウェルスナビやテオなど他のロボアドバイザーでは、米国に上場しているETF(上場投資信託)を対象としているものもありますが、楽ラップでは国内の投資信託を投資対象としています。
米国上場のETFは、信託報酬などの運用コストは低いものの、購入・換金する時の為替リスクを気にする必要があります。
楽ラップでは、為替の値動きも運用成果の一つと考えているので、為替ヘッジありの投資信託に投資し、為替変動リスクをなるべく抑えるようにしているのです。
楽天証券に口座を持っていれば、楽ラップによる診断は無料で利用できます。楽ラップを始める時も口座開設手数料などはかかりません。
ただし、楽ラップは投資顧問料や運用管理手数料がかかります。楽ラップの手数料体系は固定報酬型と成功報酬型の二つの中から選べます。
毎月の資産残高に応じた費用だけでおまかせ運用ができるコース。最大年率0.99%になります。内訳は以下の通りです。
さらに運用管理手数料は、資産残高が大きくなるに連れて割引されます。
出典:楽天証券
固定報酬に加え、一定期間の運用成績に応じた成功報酬を支払うタイプです。
成功報酬併用型の具体的なコストは、以下の3つです。
固定報酬は、資産残高に応じて割引されます。固定報酬の内訳は以下のとおりです。
投資顧問料は固定ですが、運用管理手数料は資産残高が大きくなるにつれて、以下のように割引されます。
出典:楽天証券
楽ラップで実際に運用している人は、どちらのコースを選んでいるのでしょうか。2018年4月時点では、約70%が「固定報酬型」を選択しています。
固定報酬型と成功報酬併用型のどちらがいいかは運用成果に左右されます。年間収益率が2%を超えてくると「固定報酬型」のほうがお得です。
出典:楽天証券
楽ラップは10万円から始められます。もちろん、資産に応じて金額を増やすこともできます。ただ、実際に運用を開始している顧客の約63%は、以下のように10万~20万円と無理のない範囲でスタートしています(2017年8月楽天証券調べ)。
出典:楽天証券
そして、当初申込み金額の平均は36万円です。運用開始後も資金の増額はできますので、最初は少額から始め徐々に資金を増やしていくようにしましょう。
楽ラップで運用を始めた後、増額を行った人の比率は以下の通りです。
出典:楽天証券
当初申込み金額10万~20万円以上で始めた人でも、約30%は増額をしていることが分かります。資産運用は長期で行うものです。最初は少額でも資産状況に合わせた額で始め、将来の資産形成のために増額をコツコツと行うようにしましょう。
楽ラップの資産配分は、世界で実績のある資産運用会社マーサー・インベストメンツからのアドバイスをもとに決定しています。
マーサーは約24カ国において40年以上にわたり、年金や銀行、保険などさまざまな機関投資家に資産運用のアドバイスを行い、グループ全体で2,000億ドル超の運用受託資産を運用しています。
楽ラップでは、長期的な見通しに基づく資産配分を年に1回、中期的な見通しでの資産配分の見通しも3カ月に1度行います。長期で安定したリターンを得るのが目的なので、短期的な市場の変動に伴う資産配分の変更は行いません。
楽ラップは、市況環境の解説から、各運用コースのパフォーマンスまで詳しく見ることができます。特に「マンスリーレポート」を見れば、2016年7月4日のサービス開始以来の各運用コースにおける運用実績を確認できます。
具体例として、「やや積極型のTVTなしコース」のパフォーマンスを見てみましょう。
出典:楽天証券
これは、2019年7月のマンスリーレポートです。左側は期間別騰落率を表しています。直近1カ月、3カ月といった短期の期間の他に、年初来や運用開始以来のパフォーマンスがひと目で確認できます。
そして、2016年7月4日の運用開始日を100としてパフォーマンスを表したのが右のチャートです。運用開始来21.91%と好調なパフォーマンスだと分かります。
また、資産配分がどのようになっているのかも分かるようになっています。国内株式や外国債券などアセットクラスごとの組入銘柄も確認できます。
出典:楽天証券
それでは、実際に楽ラップで運用している顧客のパフォーマンスはどのようになっているのでしょうか。2018年8月発表の「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPI」で確認してみましょう。2018年3月時点でのパフォーマンスです。
出典:楽天証券
楽ラップの開始時期によってパフォーマンスは異なりますが、54%の人が利益となっています。2018年度は相場環境がよくなかったので、昨年始めた人はイマイチの結果になっているかもしれません。
しかし、ロボアドバイザーでも、さまざまな要因で変動する市場環境の中で利益確定するなど、その都度最適な売買を行うことは不可能です。大切なのはロボアドバイザーに運用を任せ、長期で運用を継続することです。
楽ラップでは、幅広い銘柄への分散投資と投資タイミングの分散により、リスクを減らせます。短期的なパフォーマンスに一喜一憂せず、長期でコツコツと資産運用を続けることが大切なのです。
楽ラップの投資対象は、国内株式投資信託なので、税金も通常の投資信託と同じように申告分離課税(税率20.315%)です。楽天証券で「特定口座・源泉徴収あり」を選択しておけば、確定申告も不要です。
楽ラップを始めるためには、楽天証券の口座が必要です。ただし、楽天証券に口座があれば、専用口座の開設も不要なので、簡単に始めることができます。
楽ラップを解約したい場合、どのようにすればいいのでしょうか。楽ラップの解約自体は簡単にできます。ただし、解約して現金化され手元にお金が戻ってくるまで10日前後かかるので注意が必要です。
また、新規申し込みの場合は、運用開始日の翌々月から解約可能になります。最初の1~2ヵ月は資金が拘束されてしまうので、すぐに使うかもしれないお金を運用するのはやめておきましょう。
新規に運用を開始した翌々月から増額(追加投資)ができます。増額は1万円単位で申込可能です。また、減額(換金)も新規運用開始の翌々月から可能です。減額は、減額後の金額が10万円を下回らない範囲で1万円から申し込みできます。
運用コースを変更したい場合はどうすればいいのでしょうか。マーケット環境によって保守的な運用から積極運用に変えたいときもあると思います。新規申し込みの場合、解約のときと同じように運用開始日の翌々月から、運用コースの変更が可能です。
運用コースを変更した翌営業日から新たな運用コースでの運用を開始し、保有しているファンドを売却後、新たなファンドの買付けを行います。
手数料コースは、契約期間(1年間)の途中で変更することはできません。ただし、次回の契約期間に適用する手数料コースについては、「現在の契約期間が満了する月の第1営業日~最終営業日の15時より前までの間(変更受付期間)」に申込み可能です。
例えば、現在の契約期間が以下のような場合、
2020年の3月1日~2020年3月31日の15時より前までが変更受付可能な時間になります。
楽ラップの実績を公開しているブログなどもありますが、ツイッターでの評判・口コミを見てみましょう。
【ロボアド比較】
ウェルスナビ、トランプ発言の市場影響をもろうけてます
ドルも一時期106円台になってたんですね(゜゜;)
楽ラップはそれでも良い感じ
去年はずっと楽ラップの運用状況のほうが良かったのですが、今年もかな(*-ω-)ただ、上がったときの上がり幅はウェルスナビのほうが大きいです pic.twitter.com/SlSi5GIbbR
— かずたく@貯金箱 (@salary_chokin) 2019年8月3日
今日の楽ラップ。好調ですね。 #楽ラップ #ロボアドバイザー #資産運用 #投資信託 pic.twitter.com/N61yGHBUbr
— やすきち (@yasu_kichi_jp) 2019年6月20日
楽ラップ5週目。
今月の積み立て金も入ってる。
順調に増えてる。がんばれー🤩 pic.twitter.com/G2U9h7NxGn— Rena.jp走る辛味投資家 (@finance_rena) 2019年6月28日
楽ラップ口座15個のファンドに自動分散してポートフォリオ管理も自動化してくれてますが始めて2ヶ月
全てのファンドでプラス推移
キャピタルゲインベースで下は0.7%、上は5.3%の含み益となってます。
ラップ口座強ええ
ボカしてるけど一番右の評価損益が全部赤文字なのか分かるかと(含み益状態) pic.twitter.com/EnWE9IoaJy— Quants Man (@QuantsMan) 2019年7月7日
口コミを見てみると、コツコツと資金を積み上げ、順調な運用が目立ちました。今年になってから7月までのパフォーマンスは良好だったと言えます。
今回は、楽ラップの実績や評価について解説しました。簡単な質問に答えるだけで、9つのコースから最適なコースを選んでくれ、国内の投資信託を自動で購入してくれます。これまでの実績もすべて公開しており、良好なパフォーマンスとなっています。
ただし、楽ラップは元本が保証された金融商品ではありません。資金があっても、まずは少額から始め、毎月資金を積み立てて、マーケットの変動リスクを軽減させましょう。
また、新規で楽ラップを始める場合、解約まで1~2カ月程度かかることもあります。必ず余裕資金で運用するようにしましょう。
楽ラップは手間をかけずに資産運用を始めたい人におすすめのロボアドバイザーです。投資対象が国内の投資信託なので、直接為替リスクを負うこともありません。
60%近くの人が10万~20万円と少額から始めています。楽天証券に口座を開いて、楽ラップの開始を検討してみてはいかがでしょうか。