- テオは1万円から始められるロボアドバイザー。
- 半年間(2018年10月~)の運用成果は+3.62%。
- コツコツと積立投資を継続している投資家のパフォーマンスは概ね好調で、評判もいい。
公開日:2019年4月19日
今回は、人気のロボアドバイザー「THEO(テオ)」について解説します。テオは、2019年1月時点の利用者が6万5000人に達していて、預かり資産は360億円を超えています。顧客は20~30代の若年層が中心で、投資未経験の方が80%と初心者でも始めやすいサービスです。
そんなテオの実際のパフォーマンスはどうなのか?を、運用実績を基に検証しながら、メリット・デメリットと合わせて詳しく解説していきます。
なお、THEO(テオ)とウェルスナビの比較が知りたい方はこちらをご覧ください。
テオは2016年2月にスタートした人気のロボアドバイザーです。ロボアドバイザーとは、簡単な質問に答えるだけで、ロボットが最適な資産配分を決定してくますサービスです。そして、テオでは金融商品の決定から買付け、リバランス(銘柄の入れ替え)まで、すべて自動で行ってくれます。
自分で資産運用を行うと感情に左右されてしまいますが、テオのロボアドバイザーに任せることで、きちんと決めたルール通りに運用を行うことができます。
若年層を中心にロボアドバイザーの人気は高まっていますが、大手4社(ウェルスナビ、テオ、マネックス、楽天証券)の運用残高は2018年6月時点で1,400億円。
ロボアドバイザー発祥の地である米国(約30兆円)の230分の1、日本の公募投資信託(約110兆円)の1000分の1程度にすぎません。まだまだ発展の余地は十分あると考えています。
それでは、テオのメリット・デメリットを見ていきましょう。
テオは1万円からスタートできるというのが大きなメリットです。他の大手ロボアドバイザーと比較しても、圧倒的に少額から始めることができます(下図)。
最低投資金額 | |
---|---|
テオ | 1万円 |
ウェルスナビ | 10万円 |
楽ラップ | 10万円 |
まずは少額からロボアドバイザーを始めてみたいという方にピッタリのサービスです。
出典:テオ
テオの投資対象は、30種類以上のETFです。ETFとは取引所に上場していて、株価指数などに連動することを目指す投資信託です。
テオは、ETFを通じて世界86カ国の11,000銘柄以上に投資しています。
投資対象も株・債券・リート(不動産)、コモディティ(商品)など複数に分けていて、リスクを分散しています。
出典:テオ
テオなら、幅広い銘柄や資産に分散投資できることが分かると思います。リバランス(銘柄の入替え)も1ヵ月ごとに自動で行ってくれるので、最適な資産配分をキープすることができます。
テオの手数料は、年率1.0%(3000万円を超えた分は0.5%)です。
出典:テオ
しかし、テオは2019年4月から新しい手数料体系を導入することを発表しました。毎月積み立てしている利用者を対象に、運用開始以降の入金額に応じて最大で0.65%にまで引き下げます。
出典:テオ
手数料が割引される条件
積立および出金の実績と、カラー基準額に応じて顧客の「カラー」を決定し、カラーに応じて運用期間中の手数料引き下げを行います(3000万円を超える部分は、従来通り0.5%)。
カラー基準額は、投資対象期間(3ヵ月)の入出金総額の平均です。具体例を見てみましょう。
判定期間(4月、5月、6月)各月末までの入出金総額
この場合、(50万円+60万円+70万円)÷ 3 = 60万円がカラー基準額になります。
60万円のカラーはグリーン(50万円以上100万円未満)なので、手数料は「0.8%(20%オフ)」になります。
運用資産が貯まるほど手数料が割引になるので、さらに長期投資を続けやすくなりました。
続いて、デメリットを確認しましょう。
テオは、幅広い銘柄に分散してリスクを抑えているものの、投資対象が金融商品なので、値下がりすることもあります。元本を下回って、マイナスになる可能性もあるということを頭に入れておきましょう。
テオはNISA(少額非課税制度)に対応していきません。ただ、税制優遇を受けることはできませんが、ウェルスナビなど他のロボアドバイザーも同じなので仕方がないですね。
テオは1万円から投資を始めることができますが、10万円を下回る分は出金できません。全額を引き出したい場合は、テオの口座を解約する必要があるので注意しましょう。
テオがドコモと提携して始めた「THEO+docomo」。ロボアドバイザーを検討したきっかけをアンケートした結果は、次のようになりました。
出典:テオ
「資産運用を始めたいけど株式投資は手間がかかる」「将来に備えてお金を貯めたいけど預金の金利は低すぎる」といったユーザーのニーズに、テオのロボアドバイザーはピッタリだということがわかります。
その他の口コミも見てみましょう。
ロボアドに資産預けて 11ヶ月
33万円増えましたよマイナスが大きくなっても ならなくても コツコツ買い増しの予定#資産運用 #ロボアド #ウェルスナビ #WealthNavi #THEO #テオ
— シマヨシミノリ (@xcw3nq2aNDsvbcC) 2019年4月2日
【THEO 66日目】
原資 ¥372,000
+¥23,033(+6.19%)
+$159.91(+4.72%)#THEO #テオ #ロボアドバイザー #投資 pic.twitter.com/wrmcRgAMr4— Pepegy (@Pepegy77) 2019年4月3日
長期運用者としては、THEOの手数料率が下がるのは嬉しいですね!https://t.co/YOkK8X66B5#THEO#wealthnavi#ロボアドバイザー #分散投資 pic.twitter.com/eNuTMrCdq6
— MoneyCafe Tokyo (@moneycafe_tokyo) 2019年2月16日
少額から積立投資を行うことができることや、手数料体系が下がったことを評価する口コミが目立ちました。昨年10月~12月に株式市場は急落しましたが、コツコツと積立投資を継続している投資家は、好調なパフォーマンスになっています。
元本は6万円で、2018年10月29日に行き運用開始。積立金額は、毎月1万円です。約半年で+3.62%ですから、順調な運用成績です。
グロース(株式中心)を約60%にして、積極的にリスクを取る運用を行っています。具体的な資産構成は以下のようになります。
投資における「リスク」とは、危険という意味ではなく、「不確実性」のことです。値動きの幅が大きいほど「リスクが高い」といいます。リスクが高いほどリターン(収益)も高くなります。テオの投資対象のリスクとリターンを比較してみると、以下の図のようになります。
株式の比率を高めるほどリスクが高くなりますが、大きなリターンを望むこともできます。資産で最も大きいのは先進国株(51%)で、積極的な運用益を狙っていることがわかります。
シミュレーションでは、年率4.89%(過去12間の平均)を目指せる計算になります(下図)。現在は、このパフォーマンスを上回る結果となっていますが、まだ短期的な結果に過ぎないので、このまま淡々と運用を継続していきます。
いかがでしたでしょうか。THEO(テオ)のメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
1万円から世界に分散投資できるテオは、初心者でも始めやすいロボアドバイザーです。昨年末の急落でもコツコツと積立投資を続けることによって、今年に入ってからは好調なパフォーマンスになっています。10年~20年といった長期投資が前提ですが、テオのロボアドバイザーなら、インフレに負けないリターンが期待できると考えています。