- がん保険の見直しの注意点と、見直し方法を3つのステップで説明しています。
- 現在加入のがん保険を確認し、自分のニーズに不足している内容を把握します。
- 現在加入のがん保険を残して追加契約をするのがいいのか、新しいがん保険に切り替えるのが良いのかを判断した上で実際の見直しをすることが大切です。
公開日:2019年6月6日
今回は既にがん保険に加入されている方向けに、がん保険の見直しポイントをわかりやすく説明していきたいと思います。
新規加入とは異なり、見直しする場合ならではの注意点がありますので、今回ご説明するポイントを踏まえたがん保険の見直しをお勧めします。
なお、新規でがん保険に加入する場合には、がん保険の加入について別記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
別記事:がん保険とは?基本的仕組みから自分にぴったりながん保険の選び方までご紹介します。
目次
見直し方法のポイントですが、以下の3つのステップで進めていくことをお勧めします。
それぞれ順を追って内容を説明していきましょう。
まず最初のステップは、加入中の契約を確認することです。加入中の保険はもちろんですが、他に医療保険や死亡保険にがんの保障が付帯されていることもありますので注意してください。
がんの保障かどうかを見極めるには、「がん(悪性新生物)」という文言を確認すればよいのですが、「三大疾病、五大疾病」というように「がん(悪性新生物)」が含まれているものの、別の表現で記載されていることもあります。
そして「がん(悪性新生物)」の内容を確認するときに、どのような状態になったらお金がもらえるのかを確認します。具体的にいくつかの事例を挙げておきましょう。
上記の通り、場合ごとにがん保障を整理します。
加入中の契約を確認する際に、15年以上前に契約した古い契約がある場合は以下の点に注意して保障内容を確認してください。次のステップである、自分に不足している保障を認識するために大切な作業となります。
もちろん上記以外でも、保障を制限するような内容があれば、メモしたり付箋をつけたりすることをお勧めします。
次のステップは、自分に不足している保障を認識していくプロセスになります。
下表のように保障ごとに内容と金額に分けて整理して、自分にとって不足している保障をチェックしていきましょう。チェックする項目は以下の通りです。
表の右側には評価欄として、自分に不足していると思われる内容をメモできるようにしておきます。この評価内容に基づいて、最新のがん保険の内容と比較しながら、次のステップの追加契約・切替契約を検討することになります。
保障内容 | 保障期間 | 保障金額 | 条件や制限 | 評価 |
---|---|---|---|---|
がんと診断された時 | 60歳 | 1回50万円 | 回数無制限 | ・終身では無い
・上皮内がん対象外 ・50万円は少ない? |
がん治療で入院したとき | 60歳 | 1日5,000円 | 日数無制限 | ・終身では無い
・5,000円は少ない? |
がん治療で手術したとき | 60歳 | 1回10万円から20万円 | 回数制限は無し | ・終身では無い |
がんで入院後通院した時 | ✕ | ✕ | ✕ | ・保障が無い |
がん治療で先進医療を受けた時 | 10年 | 技術料相当額 | 最大2,000万円限度 | ・5年前に保障追加した |
がん以外で死亡したとき | 60歳 | 10万円 | ・がん以外の死亡は不要? |
なお、自分にとって必要な保障=自分のニーズの考え方については、別の記事で詳しく紹介しました。ぜひ参考にしてみてください。
別記事:失敗しないがん保険の選び方をFPが解説!大切なのは自分自身のニーズを把握すること
2つめのステップで自分にとって不足している保障が認識できた後は、3つめのステップで見直し後の保障を検討することになります。
自分にとって不足している保障を備えた、現行販売されているがん保険をいくつかピックアップして、追加契約をするのか、新しい保険に全面的に切り替えるのかを考えていきます。
では、どのような場合に追加契約をしたほうがよいのか、または切替契約がよいのかを場合分けして確認していきましょう。
追加契約が良い場合はどのような場合でしょうか。追加契約ということは、現在加入済みのがん保険を残すということになります。
したがって、現在加入済みのがん保険については自分に合っていると評価できるものの、一部保障が足らないという状態です。具体的に考えられるケースは以下のような場合です。
こうした場合には足らない保障をコンパクトに備えているがん保険を探した上で、追加契約をされるとよいでしょう。
見直しされるときに持病があったり、過去5年以内に病歴がある場合は、現在のがん保険に不足があったとしても切替せずに、追加加入の方向で検討してください。
理由はこうした持病や病歴があると、切替や追加を問わず、新規の契約には加入出来ない可能性が高いためです。
追加契約以外の場合には、切替契約をお勧めします。特に2つめのステップで、上皮内がんが対象外であったり、保障期間が終身ではなかったり、という場合には現在のがん保険よりも2世代前ぐらいのがん保険で古い型の保険であることが多いためです。
ご自身で改めてがん保険に入るとしたらどのような保障が必要だろうかと、イチから考えて切替契約をされるのがよいでしょう。
ここまで見直しの方法(3つのステップ)について確認をしていきましたが、ここからは見直しをすることによるメリットとデメリットについて整理しておきましょう。
がん保険の見直しをすることのメリットは大きく2つあります。
1つ目は、最新のがん保険の保障内容で見直しができることです。保険会社は民間企業ですので、常に加入者のニーズを捉えて絶えず商品開発を行っています。そうした最新のがん保険の保障で見直せるということは、保障内容が充実すると言い換えることができます。
2つ目は、ご自身のニーズの変化に合わせて、保障の内容をフィットさせることができるということです。
当初は保険料が割安で最低限の保障内容でよいと加入していたがん保険も、加齢とともに手厚いがん保障の必要性を感じるかもしれません。そうしたニーズに合わせることができるのが、がん保険の見直しのメリットです。
一方で、がん保険の見直しをすることのデメリットもあります。追加契約か切替契約かを問わず、基本的には保険料が上がることになります。
これは保障を増やす方向の見直しが多くなるので当然といえば当然ですが、見直し後の保険料で今後もきちんと継続できるのかを見極めるのが大切です。
見直しをして保障を充実させたのはいいけれど、数カ月後には保険料負担に耐えられなくて、がん保険を解約してしまった、というのでは何のための見直しかがわからなくなってしまいます。
また、追加契約の場合ですが、ちょうど足らない分だけの上乗せでの加入というのができにくいことが多くあります。どうしても保障が重複して、必要以上に保障が多くなってしまうということがデメリットとして挙げられます。
がん保険の見直しについて、その方法を3つのステップに分けて説明をしてきました。
まず最初に現在加入のがん保険についてその内容を確認するとともに、自分のニーズに照らして不足している内容を把握します。
その上で追加契約をするのがよいのか、切替契約をするのがよいのかを検討した上で、実際の見直しを進めていきましょう。
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