- 積立投資におすすめの投資信託は、リスクが大きい株式主体の投資信託であること。
- 個別の株式より投資信託の方が効率が良いのではないか。
- どのような分散投資をしても、未来においては大きく値下がりする時がくると想定する。
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本記事では積立投資におすすめであろうと筆者の考える投資信託1位~5位までを、ランキング形式で紹介します。
※本記事は特定の投資信託を推奨・斡旋する意図はありません。合理的な投資を考察するものです。
目次
まず最初に、積み立て投資におすすめの投資対象について、初心者向けの押さえておきたい基本的な考え方を解説します。本記事では以下の2点です。
また、上記以外の基本として、「信託報酬が0.3%以内、購入時手数料・売る時にかかるお金はゼロ」「市場平均に連動するインデックス型であること」の2点が挙げられます。
こちらの2点に関しては、下記関連記事に詳しく記してありますので、ご興味のある方はご一読いただければ幸いです。
それでは、本記事の2つのポイントのうち、最初の①から見てみましょう。
これは、積立投資初心者の方にとっては「どうして大きく損をする可能性のある株式が主体の投資信託が重要なの?損する可能性の低い方が良いのでは?」と思われるかもしれません。
その理由は、市場が効率的な場合、『リスクとリターンはおおむね比例する』と考えられるからです。
市場が効率的とは:現代の株式市場や債券市場などは、機関投資家(プロ)が過半を占めているとされる。そのため、正常に株価などが判断されていれば、リスクの低いものは低い割引率の高い価格が付くので、将来の期待リターンは低くなると考えられる。つまり、ローリスク・ローリターンである。
一方で、リスクの高い株式主体の投資信託は、より割り引かれた価格が現在ついている(投資家の要求リターンが5~6%と高い)はずなので、将来の期待リターンは高くなると考えられる。つまり、ハイリスク・ハイリターンであると考えられる。
そして、株式が主体の投資信託はハイリスク・ハイリターンな金融商品です。
積立投資では毎月コツコツと数千円~数万円程度を分散して投資していきます。
そのため、長期的に見て期待リターンが大きくなるものを投資対象として選ぶことが重要だと筆者は考えます。これは、同じ金額を同じ期間、投資に回すのなら、できるだけ大きくなった方が良いだろう(効率が良い)、というシンプルな考え方だと思っていただけるとわかりやすいかと思います。
期待リターンとは:「このくらいのリターンが期待できるのではないか」とする一つの目安。ただ、あやふやな未来のことを数値化したものなので、算出する人や機関によって数値は異なる。また、未来のことなのであまりあてにならない。
ちなみに、短期投資でも長期投資でも、効率の良い投資をすることが重要だと筆者は考えます。
そのため、積立投資の期間や、年齢によって投資対象の考え方や対象そのものが大きく変化することはないと考えています。
「株式がハイリスク・ハイリターンであるなら、投資信託ではなく個別の株式をピンポイントで買えば良いではないか?」とも思われるかもしれません。
しかし、こちらも理論上は分散投資を誰でも手軽に行える投資信託を選択する方が合理的になります。なぜでしょうか?
その理由は、投資信託で保有した方がリスク(値動きの振れ幅)が小さくなるからです。
リスクとは:しばしば「危険」という意味でも用いられるが、資産運用の世界では同時にリターンの散らばり(標準偏差)・値動きの振れ幅を指す。
つまり、リスクが高い・低いとは、統計的に見た資産(株式や債券)の値動きの振れ幅が大きいか小さいかをここでは指す。
一例ですが、個別の株式の場合、リスクが大きいです。一方、資産運用では期待リターンが同じならリスクが低い方が効率が良い、と考えられます。
そして、投資信託とは「入れ物」のようなものですので、株式主体の投資信託を保有すれば、その中には数十から数千社程度の株式が内包されているのと同様の分散効果が生まれます(種類による)。
また、そのように複数の金融商品を保有すれば(投資信託を持てば)自然とお互いの値動きの振れ幅が干渉しあい、値動きのトータルの幅を小さくします。
その為、分散投資をした方が合理的、ということになります。
上記のような質問も浮かぶかもしれません。確かに、ある特定の株式が短期間に十倍などに値上がりすることがあります。それは事実です。
また、先ほども述べましたように、リスクとリターンはおおむね比例すると考えられます。
しかし、全体的に見た場合、答えはノーだと思われます。なぜでしょうか。
それは、分散することで簡単に消えてしまう個別株式のリスクは、市場の参加者が評価しない、と考えられるからです。
つまり、初心者でも複数保有すれば簡単に相殺することのできるリスク(非市場リスク)には、誰も追加的なリターンを付けないだろう、という考え方です。
非市場リスクとは:例えば、会社の社長が交通事故やセクハラで逮捕されたりすることによる株価の下落など。市場や景気などとは無関係の企業個別のリスクなどを指す。
市場が効率的であるならば、評価されるリスクとは、分散することでは消せない市場リスクだけだと考えられます。
市場リスクとは:分散投資によって消すことのできない、市場全体にかかるリスクのこと。一例:2008年の世界金融危機など。つまり、どのように分散投資を徹底していても、将来的にはほぼ確実に大きく値下がりする時期が来る。
そして、それは投資信託を保有することで、誰でも市場リスクだけを背負うことができやすくなります(種類による)。
以上を踏まえました、筆者の独断と偏見による積み立て投資におすすめの投資信託ランキングを5位~1位まで発表します。
※数値は記事執筆時点の内容です。
ランキング | 名称 | 対象 | 信託報酬【持っている間にかかるコスト) | 買う時と売る時にかかるコスト |
---|---|---|---|---|
5位 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 米国株式 | 0.1696% | ゼロ |
4位 | eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 国内株式 | 0.1512% | ゼロ |
3位 | ニッセイ外国株式インデックスファンド | 日本を除く先進国株式 | 0.11772% | ゼロ |
2位 | SBI・先進国株式インデックス・ファンド | 日本を含む先進国株式 | 0.1155% | ゼロ |
1位 | SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 日本を含む世界の株式 | 0.15% | ゼロ |
投資信託を始めるには口座を開設する必要があります。銀行や証券など多くで投資信託の取扱いがございますが、一番のおすすめはSBI証券です。
業界屈指の格安手数料や、豊富なサービス・商品ラインナップを誇るネット証券業界最大手です。(上記1〜5位も全て取扱いがあります。)
よくある誤解として、ランキングの上位を買えば儲かる、というものではありません。
運用成果は市場次第、つまり世界の景気次第です。景気が良くなれば、未来の利益が上がるので、現在の株価が上がります。つまり、運用成績が良くなります。
また、どのように分散投資をしようとも、本文中で触れたように、消せない市場リスクが残ります。景気が悪くなれば、未来の利益が下がりますので、現在の株価が下がります。つまり、運用成績が今度は悪くなります。
そのため、長期間積み立て投資をしていると、ほぼ確実に大きく目減りをする時期(金融危機)に遭遇するでしょう。
積立投資においては、金融危機時などの大きく値下がりした時もコツコツと買い進めることが重要です。つまり、安い時期に買うことで将来の期待収益率の上昇を期待できます。
積立投資をしているのにも関わらず金融危機時に慌てて売却をすると、全く反対の成果になることが容易に想像できます。
今回は、積立投資におすすめの投資信託についてランキング形式で考察しました。
積立投資そのものは、人間の持つ認知エラーを回避し、合理的な資産形成を『誰にでも』できるようにする、素晴らしい仕組みだと筆者は考えます。
本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。