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【金融の専門家が解説】Jリート(J-REIT)とは?投資初心者が知っておきたい基礎知識

【金融の専門家が解説】Jリート(J-REIT)とは?投資初心者が知っておきたい基礎知識

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山下 耕太郎

山下 耕太郎

証券外務員1種

一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト・デリバティブディーラーを経て個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に、現物株、FX、CFDなど幅広い商品に投資しています。証券会社勤務と実際の投資経験を活かし、初心者の方にもわかりやすい記事作成を心がけています。

この記事のポイント

  • J-REITは10万円程度の少額から不動産投資できる。
  • 東京証券取引所に上場しているので、株式のようにいつでも売買できる。
  • J-REITの平均分配金利回りは3%台で、株式よりも高い利回りが期待できる。
  • 魅力が高いJ-REITだが、元本保証ではないのでリスクも押さえておく必要がある。

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J-REITは10万円程度と少額から投資でき、東京証券取引所(東証)に上場しているのでリアルタイムで取引できるという特徴があります。この記事では、投資初心者が押さえておきたいJ-REITの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

 

J-REIT(不動産投資信託)の読み方と意味

J-REIT(不動産投資信託)の読み方と意味

J-REITは「Japan Real Estate Trust」の略で、日本版の不動産投資信託のことです。不動産投資信託は、「投資信託法人及び投資法人に関する法律」により2000年11月にスタートし、不動産を主な運用対象とする投資法人あるいは投資信託を総称したものです。

また、REITを組み入れたETF(上場投資信託)や、「しんきんJリートオープン」などJ-REITを対象とした投資信託もあります。

 

国内(日本)のJ-REITと世界のREIT

REIT(不動産投資信託)は1960年代にアメリカで初めて制度化され、2000年までに11カ国で創設されました。2000年以降はグローバル化が進みました。

2000年前半は、日本だけでなく韓国・台湾・香港などアジアを中心にREITが創設され、2000年後半はドイツやイギリス、イタリアなどヨーロッパ地域にREITが創設されました。

 

J-REITの仕組み

J-REITの仕組み

それでは、J-REITの仕組みを見ていきましょう。まず不動産への投資・運用を目的とした「投資法人」が、「投資証券」を投資家に発行します。投資家から集めた資金をもとに不動産を取得し、保有不動産が生み出す賃料や売却益を分配するのが大まかな仕組みです。

ただし、投資法人は不動産を保有して運用する「器」なので、基本的にそれ以外の業務を行うことはできません。実際の運用は外部の資産運用会社が行います。

資産運用会社は、日々の管理や不動産の選定、資金調達など投資法人が必要とする業務のほとんどを行っています。

 

J-REITのメリット

少額から投資できる

実物不動産に投資するとしたら、数千万~数億円もの資金が必要になる物件もあります。しかし、J-REITは多くの投資家から集めて不動産を購入するので、少額から投資できます。10万円以下で購入できるJ-REITもあるのです。

また、J-REITは複数の不動産に分散投資しているのも魅力です。もし個人で複数の不動産に投資しようとしたら、数十億円、数百億円と資金が必要になります。しかし、J-REITでは投資家が出資した資金をひとつにまとめ、さまざまな不動産に投資します。

通常の投資信託は、投資家から集めた資金を株式や債券などに分散投資しますが、投資対象が不動産になったのがJ-REITなのです。

 

東証に上場しているので流動性が高い

J-REITの実際の運用は、資産運用会社に委託されます。不動産投資に精通したプロの専門家が個人投資家に代わって運用してくれるのです。そして、東京証券取引所(東証)に上場しているので、流動性が高いという点も魅力です。

流動性とは、いつでも売買できるということ。実物不動産の場合、買い手と売り手が直接交渉しなけらばいけませんが、J-REITは東証を通じていつでも売買できます。

取引ルールも株式と同じです。指値注文や成行注文が使えますし、信用取引を利用することも可能です。J-REITを取引するには、証券会社に口座を開く必要があります。全国の証券会社の本支店やインターネットを通じて売買するのです。

NISA口座を利用することもできます。NISA口座とは少額投資非課税制度のことで、年間120万円までの投資金額に対する値上がり益や分配金が非課税になります。120万円あれば、複数のJ-REITに分散投資できます。

 

利回りが株式などに比べて高い(過去10年の推移を比較)

J-REITは複数の不動産に分散投資し、賃料を原資とした分配金を安定的に受け取れるのも魅力です。

2019年10月時点のJ-REIT全体の平均分配金利回りは3.42%。東証1部の平均配当利回り2.36%を大きく上回っています。過去10年の推移は以下の通りです。

利回りが株式などに比べて高い(過去10年の推移を比較)

J-REITは収益の90%以上を分配金として支払うことで法人税が免除されるため、利益のほとんどを分配金として支払う銘柄が多いためです。

また、J-REITは原則として不動産の開発は行わずに賃貸事業に特化しています。ですから、一般の不動産会社に比べて収益が安定しているのです。

 

J-REITのリスク

J-REITのリスク

J-REITは安定的な収益が期待できますが、元本が保証されているわけではありません。以下のようなリスクに注意する必要があります。

 

 

投資口価格の変動リスク

投資口価格とは、株式でいう株価のことです。J-REITの投資口価格は、証券市場における需給や金利動向など、さまざまな要因によって変動します。また、地震などの自然災害などによっても投資口価格に影響を及ぼす可能性があります。

買値よりも投資口価格が下がった場合、損失を抱えることになるのです。

 

分配金の変動リスク

J-REITは安定的な高い利回りが期待できますが、分配金が保証されているわけではありません。たとえば、賃料未払いやテナントの退去によって賃料が得られなくなると、分配金が減る恐れもあるのです。

 

上場廃止リスク

J-REITが倒産するなどの事態が発生した場合、上場廃止となり東証で売買できなくなります。倒産が予想されると投資口価格も大きく下落するので、もっとも警戒すべきリスクです。

 

制度の基準変更リスク

制度変更によっても、J-REITの投資口価格や分配金に影響がおよぶ可能性があります。たとえば、不動産にかかる法制度が変更されることによってコストが発生し、それによって投資口価格や分配金が下がる恐れがあるのです。

 

J-REITが投資対象にする不動産

J-REITでは、最初オフィスがほとんどでしたが、現在は以下のようにさまざまな不動産に投資しています。

J-REITが投資対象にする不動産

J-REITは単一用途に特化して投資する「単一用途特化型」と、2つの用途の不動産に投資する「複合型」、3つ以上の用途または用途を限定しない「総合型」に分けられます。

単一用途特化型は、オフィスビル、商業施設、住居、物流施設、ホテル、ヘルスケアそれぞれの用途に特化したJ-REITです。複合型は、オフィスビルと商業施設など2つの用途に投資、総合型はオフィスビルと住宅と物流施設など3つ以上の用途に投資します。

J-REITはオフィスビル特化型からスタートしました。J-REITの市場開設前から証券化の実績があったことや、空室率や賃料などに関するデータが整備されていたからです。

ただ、オフィスビルは賃貸借契約の期間が短く、景気の変動を受けやすいという特徴があります。それに比べて、住居特化型は賃料が安定しているのが魅力です。住居特化型は景気や不動産市況の影響を受けにくい銘柄として認知されています。

また、物流施設もテナントと長期固定の賃貸借契約を結んでいることが多いので、収益が安定している傾向にあります。

商業施設やホテル、ヘルスケア特化型は、他の用途に比べて管理に専門的なノウハウが必要です。資産運用会社によって差がでやすい用途なのです。

 

J-REIT市場の現状

J-REITは2001年に上場銘柄2本、時価総額2,000億円でスタートしましたが、2019年時点では63銘柄が上場、時価総額は17兆円を超えています。

J-REIT市場の現状

J-REIT全体の値動きを示す、東証REIT指数とTOPIX(東証株価指数)の10年間の推移は以下の通りです。

J-REIT市場の現状2

低金利が続く中でも比較的高い利回りが狙えるJ-REITに、個人投資家だけでなく機関投資家の買いも入っているのです。2019年10月時点の東証REIT指数は2245.01と、2007年5月の2612.98に次ぐ高値水準となっています。

J-REITの価格は暴落しても利回り狙いの買いが入ってきやすいという特徴があります。4%を超える水準では分配金狙いの買いが見込めるからです。

 

Jリート(J-REIT)に関するまとめ

今回はJ-REITのメリットやリスクについて解説しました。J-REITは少額から不動産投資でき、株式と同じようにリアルタイムで取引できるというメリットがあります。

ただし、元本が保証された金融商品ではないので、リスクを把握した上で複数の銘柄に分散投資するようにしましょう。

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