- カードローンの返済方法は約定返済(毎月返済)と随時返済(任意返済)。
- ほとんどのカードローンはリボルビング返済方式。
- リボルビング返済で毎月最低額の返済だけを続けることは非効率な返済方法。
- 毎月返済に加え、返せるタイミングに返せる金額をその都度返済する。
- ダラダラ借り続けないことが大切。
公開日:2019年6月25日
カードローンの返済方法は利用するカードローンによって違いがあり、返済の負担にも影響する重要なポイントです。どのような返済方法があるのか、返済のコツとあわせて解説していきます。
カードローンの返済方法としては、返済するタイミングによって大きく「約定返済」と「随時返済」の2つがあります。
約定返済は毎月20日、25日など決まった日に返済していく方法。約定返済はカードローンの基本的な返済方法であり、口座振替による自動引落が一般的です。
随時返済は任意のタイミングで返済する方法。資金に余裕があるときなど毎月の約定返済とは別に、ATM振込などにより任意で返済します。
随時返済による返済分はすべて元金の返済に充てられるため元金が早く減り、返済期間の短縮や返済総額の減少といった効果があります。
返済方式が違えば返済額や返済額に占める元金の割合が変わります。返済方式の違いは返済期間や返済総額にも影響するため、どの方式を採用しているかはカードローンを選ぶ際のひとつのポイントです。
主な返済方式には以下の3種類がありますが、ほとんどのカードローンではリボルビング返済が採用されています。
元利均等返済は返済期間中毎月の一定額を返済していく方式です。
返済額が一定のため返済計画を立てやすいメリットがあります。一方、返済当初は返済額に占める利息の割合が大きいため、元金均等返済に比べて元金の減りにくく、総返済額は多くなります。
元金均等返済は毎月一定の元金と借入残高に応じた利息を返済していく方式です。
返済が進むにつれ毎月の返済額は少なくなり、元利均等返済に比べて早く元金が減るため総返済額も少なくなります。一方、返済当初に返済額が最も多くなり負担も大きくなります。
リボルビング返済は個々の借入額ではなく借入総額に対して決まる返済額を返済していく方式です。追加借入などによる借入金額の変動の多いカードローンではリボルビング返済が最も一般的な返済方式です。
当初設定した金額を毎月返済していく方式です。
毎月の基準日(締日)時点の借入残高に対して一定の割合を返済していく方式です。
借入残高に応じて段階的に返済額が決定される方式です。カードローンでは借入残高に応じて最低返済額が決まる「残高スライド定額方式」が多く採用されています(下図参照)。
利用者は毎月の返済額をこの金額以上で任意に設定できます(一定の条件がある場合もあります)。
出典:https://www.rakuten-bank.co.jp/
残高スライド方式には、毎月の返済時点の借入残高ではなく、最終の借入時点での借入残高を基準に最低支払額が決定される「借入後残高スライド方式」という返済方式もあります。
この方式では返済により借入残高が減っても、新たな借入がない限り最低返済額が変動しません。
カードローンを扱う主な金融機関の返済方法は以下のようになっています。(2019年6月13日時点)
金融機関名 | 返済方式 | |
---|---|---|
消費者金融系 | アイフル | 借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式 |
アコム | 定率リボルビング方式 | |
プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス) | 残高スライド元利定額返済方式 | |
SMBCモビット | 残高スライド元利定額返済方式 | |
レイクALSA | 残高スライド定額リボルビング方式/元利定額リボルビング方式 | |
銀行系 | 三菱UFJ銀行 | 残高スライド定額リボルビング方式 |
三井住友銀行 | 残高スライド元利定額方式 | |
みずほ銀行 | 残高スライド定額リボルビング返済方式 | |
りそな銀行 | 残高スライド定額リボルビング返済方式 | |
イオン銀行 | 残高スライド定額リボルビング返済方式 | |
住信SBIネット銀行 | 残高スライド定額リボルビング返済方式 | |
楽天銀行 | 残高スライド定額リボルビング返済方式/元利込定額返済(既契約者のみ選択可) |
カードローンの返済方法(返済経路)としては、主に「口座振替」「WEB返済」「振込・ATM返済」「店頭(窓口)返済」などの方法があります。
指定した口座からの振替により返済する方法。毎月の約定返済では口座振替による自動引き落としが主流です。
利用しているカードローンの会員ページから金融機関のインターネットバンキングを利用して返済する方法。いつでも返済でき、手数料もかからないことが多いです。
カードを利用してコンビニなどの提携ATMから返済する方法。1,000円単位(一部は1円単位も可)で返済でき、ATM利用手数料は自己負担となることが多いです。
カードローン返済口座への振込により返済する方法。振込手数料は基本的に自己負担となります。
店頭に出向いて返済する方法。繰り上げ返済や返済計画の見直しなどの相談ができるメリットがあります。手間や時間がかかるため、通常はWEBやATMから返済するのが一般的です。
カードローンをうまく返済するためのコツを6つご紹介します。
もし返済余力があるなら、無理のない範囲でなるべく多めに返済額を設定しましょう。
多くのカードローンで採用されている「残高スライドリボルビング返済方式」では、借入残高に応じて毎月の返済額が決まります。
毎月の返済額が比較的少なくて済むのが特徴ですが、消費者金融や銀行から提示される返済額ではその多くが利息の支払いに消え、元本はなかなか減りません。
貸し手はなるべく元本を減らさず長くお金を貸し、なるべく多くの利息を払ってもらいたいと思っています。最低額での返済はまさに消費者金融や銀行の思うツボなのです。
提示される返済額はあくまで最低額。この金額以上であれば返済額を自分で設定できます。返済に余裕があるとお金を使いすぎたり、借りすぎたりする可能性も高くなります。無理のない範囲で返済額を設定してなるべく早く完済することが大切です。
返済額が少な過ぎるのも問題ですが、返済額を上げすぎて返済が滞ってしまっては本末転倒です。返済余力に応じて毎月の返済額は確実に返済できる金額に留め、随時返済を活用して余裕ができたタイミングで元本を減らしていくことも大切です。
「借入後残高スライド返済方式」は借入残高が減っても最低返済額が減らず、返済余力の少ない人にとっては返済が苦しく感じるかもしれません。返済が滞るリスクを下げるため、返済時点の借入残高に応じて最低返済額も下がる方式を選択するのもひとつの方法といえます。
カードローンの利息は日割りで発生します。つまり1日でも早く返済すれば支払う利息もそれだけ少なくて済みます。余裕ができたら随時返済により1日でも早く返済に回すことを意識しましょう。毎月の返済日まで待つ必要はありません。
1日あたりの利息額=借入残高×金利/365
毎月の約定返済は必ず行わなければなりません。もし支払いが滞ると信用情報が傷つき、年率20%近い遅延損害金を請求されます。支払遅滞を防ぐためにも毎月の引き落とし日(返済日)を給料日直後に設定しましょう。
給料日から引き落としまでの期間が長いと、生活費などにお金を使って返済に必要なお金まで使い込んでしまう可能性が高くなります。まずは確実に返済を済ませ、残ったお金で生活費をやりくりすることが大切です。
借りる前に条件のいい借入先が見つかればベストです。しかし時間的な余裕がなかったり審査に通らなかったりといった理由で、条件のいい借入先から借りられるとは限りません。
返済条件が有利な借入先が見つかったなら、借り換えるという選択肢も持っておきましょう。これまで滞りなく返済をしていればちゃんと返済できているという実績となり、審査に有利に働く可能性もあります。
また、複数のカードローンを利用しているのであれば、借入先をひとつにまとめることで借入金利を下げられる可能性があります。
ただし借り換えやおまとめが常に有利に働くわけではありません。借り換えやおまとめ前後の条件を比較し、コストや手間に対する効果をよく検証した上で判断すべきです。
随時返済(繰り上げ返済)のハードルが低い借入先を選ぶこともうまく返済を進めるコツです。手間やコストが少なければ、返済を後回しにすることを防ぐ効果が期待できます。ただ返しやすさは借りやすさと表裏一体の部分もあるため注意も必要です。
カードローンをうまく返済するコツは、毎月の返済だけで安心せず、返せるタイミングで返せる金額をその都度返済し、ダラダラと借り続けないことに尽きます。
カードローンで多く採用されるリボルビング返済において、毎月最低額で返済し続けることは効率の悪い返済方法だと理解しておきましょう。