- 満額でも国民年金80万円、厚生年金300万円!
- 繰り下げ受給や付加年金、他にも対策は沢山!
- 肝心なポイントは「老後をどうするか」
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こんにちは、婚活FP山本です。先般、国が老後資金として2000万円必要などと言いましたね。突然の発表に驚いた人も多いのですが、それほどまでに年金が少ないことを初めて知った方も多いようです。
そもそも年金とはいくらくらい貰えるものなのか、何か対策は無いのか……気になった人も多いでしょう。そこで今回は、国民年金と厚生年金の平均受給額や年金・老後対策について詳しくお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。
目次
まずは、国民年金についてお伝えします。結論からいえば、国民年金の支給額は「満額で80万円程度」です。具体的な金額は毎年のように変わり、最新の平成31年4月分からの年金額は78万100円となっています。一ヶ月あたりに直せば、およそ6万5000円ですね。
詳しくは後述しますが、年金額は「保険料の納付年数(月数)」で変わります。40年しっかり支払えば80万円程度になりますから、例えば半分の20年分しか保険料を支払っていなければ、貰える年金額も半分の40万円程度です。どちらにせよ、少額かもしれませんが……。
もっとも年金は、保険料の支払い期間は決まっているのに年金の受け取り期間は「終身払い」です。つまり生存している限りもらえます。色々と不満も聞きますが、メリットも大きいのではないでしょうか。
想像以上に勘違いしている方も多いのですが、いわゆる専業主婦の女性がもらえる年金は「国民年金」です。会社員の妻として扶養に入っていれば保険料を支払わずに済みますが、あくまで「無料で国民年金に加入している」という扱いになります。このため年金額は、満額でも80万円程度です。
会社員の扶養なのだから、妻も夫と同じく厚生年金が貰えると思っていた……という勘違いは、かなり危険といえます。そう思っていた方は、早急に何か老後対策を取りましょう。
次は、厚生年金についてお伝えします。厚生年金は、会社員が国民年金の上乗せとして貰える年金です。ただ、厚生年金は「保険料の納付額(年収)」で、大幅に貰える年金額が変わります。最近は年収も変わりやすいので、尚更に金額が分かりにくいのですが、ひとまず目安は以下の通りです。(※あくまで目安です)
加入期間 | 平均年収 | |||
---|---|---|---|---|
400万円 | 600万円 | 800万円 | 1000万円 | |
20年 | 45万円 | 66万円 | 86万円 | 109万円 |
30年 | 68万円 | 99万円 | 128万円 | 163万円 |
40年 | 91万円 | 132万円 | 171万円 | 216万円 |
これに、先ほどの国民年金が加算されて貰えることになります。仮に40年満額を合算すると、年収400万円の方なら約170万円で月14万円ほど、年収1000万円の方でも約300万円で月25万円程度です。老後資金がたくさん必要なのも、何となく分かるところではないでしょうか。
ただ、この通り「年収を上げれば年金も上がる」点も知っておいて頂きたいところです。目先でもお金は必要でしょうし、ついでに先々のためにも年収アップに努めましょう。
ハッキリ言って、年金額は「想像以上に安い」と感じる人がほとんどです。また当人の年収が高いほど生活水準も高い傾向にありますから、どちらにせよ年金だけでは生活が成り立たないでしょうね。むしろ年収が高い人ほど、「現役との格差」を感じることになります。
かといって、収入が落ちるのに合わせて生活水準も落とせるものではありません。落とせるにしても、ダイエットと同じく「少しずつ」が基本です。先々を見据えて動いていきましょう。
なお、年金生活の実情が知りたい方は以下も参考にどうぞ。
今度は、年金全体の基本と大局観をお伝えします。年金の受給額は、基本として「納付額(年収)と納付年数」で決まるのですが、他にも様々な要素や制度が絡み合い、かなり複雑です。ただ、簡単にいえば「がんばったほど多くもらえる」わけですから、そこまで心配する必要はありません。
また、統計によると全体的な平均年金額は月15万円ほどとなっています。年収なら180万円ですね。現在の平均年収が400万円少々ですから、計算通りといえます。もし結婚していれば、そして共働きなら二人分で月30万円ほど入ってくるのが基本です。
一人で月15万円と考えると厳しいですが、二人で月30万円なら相応に余裕も出てくるのではないでしょうか。この数字を前提に、一度は老後を考えておくと良いでしょう。
老後不安の高まりを受けて、最近では様々なところで「年金額の試算」ができるようになっています。大抵は、収入や勤続年数などを入力するだけです。どうしても不安なら近くの社会保険労務士に相談する手もありますが、お金も要りますし、まずは手軽に試算してみませんか。
そうして、年間いくら貰えるかが分かったら、現在の生活水準と比べて「毎月・毎年どのくらい足りないか」を計算しましょう。その差額×余命分が、あなたに最低限必要な老後資金です。
ここからは、年金(老後)への対策についてお伝えします。まずは「繰り下げ受給」です。これは、簡単にいえば「もらう時期を遅くする代わりに年金額を増やしてもらう」という制度になります。厚生・国民のどちらも可能で、それぞれ一ヶ月あたり0.7%、最大で42%(70歳受給時)まで増額が可能です。
また「付加年金」という制度もあります。これは国民年金が対象です。毎月400円を追加で支払う代わりに、将来的に「支払った月数×200円」が年金に加算されます。仮に40年間ずっと支払いを続ければ、480ヶ月×200円で9万6000円となり、ざっと2年で元が取れるというものです。
どちらも、ほぼ誰にでもできる対策ではないでしょうか。誰にでもできますが、やったか否かで大幅に老後が変わる可能性があります。年金や老後が不安な人は、一つずつでも対策を積み上げましょう。
対策というのは「とにかくすればいい」わけではありません。例えば繰り下げ受給をするのなら、セットで65歳からすぐに年金をもらわなくても大丈夫な家計状態にしなければなりません。カツカツの人にとっては、たとえ400円でも将来の致命傷になることもあります。
かといって、何もしなければ老後に困る可能性が高まってしまうでしょう。何かをする前提の一方、その行動の負の面や家計全体へのしわ寄せなども考えつつ、できる限り良さげな対策を取っていくことをおすすめします。
老後対策は、他にも様々です。一番、一般的な対策としては「年金保険」が挙げられるでしょう。様々な生命保険会社で取り扱っており、内容は様々ですが、基本は「一定の時期まで保険料を支払い、以後は年金形式でお金をもらう」というものです。これは節税にもなります。
また最近では「iDeCo(イデコ)」も人気です。正式には「個人型確定拠出年金」といい、簡単にいえば「自分で運用して年金を作る」ものになります。自分で運用(投資)する以上、勉強も必要ですしリスクもありますが、節税になるなど様々なメリットもあるのでおすすめです。
さらに、最近では「不動産投資」も注目されています。投資金もリスクも大きい代わりに、入ってくるお金も大きく安定性も高いです。まずは、どんな方法があるかを知ることが大切でしょうね。
結局のところ、老後対策に一朝一夕はありえません。すべての対策は毎月コツコツ動き、少しずつ将来の収入総額を増やしていくことになります。時間があるほど効果も大きくなる半面、時間がないほど効果も小さくなり、必要性を追求するならリスクが必要です。
どの程度の時間が必要かは様々ですが、一般論としては「最低でも20年程度」でしょうか。仮に老後資金が2000万円必要なら、年間100万円で20年ですからね。金額や数字はともかく、なるべく早くから老後対策に動き出しましょう。
なお、老後資金そのものを詳しく知りたい方は以下も参考にどうぞ。
最後に、肝心なことをお伝えします。確かに、いくら年金が貰えるかは大切ですし、増やす努力も重要です。しかし、一番大事なことは「老後をどうするか、どう過ごすのか」を、夫婦で話し合うことといえます。これ次第で、老後に本当に必要なお金が大幅に違ってきますからね。
例えば仕事はどうでしょう?60歳、65歳で辞めるのか、それとも80歳くらいまで働くのかで随分違います。住まいはどうですか?実家や地方に移るのと、今のままかで大きく違ってくるでしょう。とりわけ「介護が必要になったらどうするか」は、かなりの金額差が出てくる要素です。
入ってくる年金額を前提に老後を考えるのではなく、したい老後の暮らしぶりを前提に必要なお金を考えるのが正解といえます。その方が努力や向上にも繋がるでしょう。ぜひ一度、夫婦でじっくり話し合ってみましょう。
先ほどもお伝えしましたが、年金額は一人平均15万円です。一人ではかなり厳しいでしょう。日常生活はなんとかなっても、働けなくなったり介護が必要になったりしたらアウトです。結婚しなかった独身の方、熟年離婚を控えている方は、老後破産予備軍でしょうね。
相応の年齢になれば中々どうにもなりませんが、まだ若いうちなら取り返しもつきます。なるべく婚活や夫婦仲の改善に励む一方、一人で生きるなら相当な対策が必要と考えて、励んでいきましょう。
なお、アラフォーからの婚活が気になる方は以下も参考にどうぞ。
年金は「いくら貰えるか」が大切な一方、「いくら生活に必要か」も重要です。一般的な年金平均と生活水準の差額を余命分考えたのが、例の「老後2000万円」になります。まずは年金の少なさと対策の必要性を知り、そして対策には時間が必要なことも知り、なるべく早めに老後対策を考えて動き出していきましょう。