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【確定申告】副業している会社員必見!申告が必要な場合の手続き&注意点をFPが解説

【確定申告】副業している会社員必見!申告が必要な場合の手続き&注意点をFPが解説

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婚活FP山本

婚活FP山本

CFP®、一級FP技能士

山本FPオフィス代表。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年8月、山本FPオフィスを設立し、同代表就任。 現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中の方や結婚直後の方など、主に比較的若い方のご相談を承っています。また「農業FP」としても活動をはじめ、独立10年を機に「後輩育成」にも力を入れています。詳細は「婚活FP」でご検索を。

この記事のポイント

  • 副業中の会社員は、ほとんど確定申告が必要。
  • 確定申告しないと会社バレの可能性が高まる!
  • やり方が分からないなら相談しながら作成可能!

こんにちは、婚活FP山本です。最近では副業をしている会社員をよく聞きますが、同じくらい確定申告に困っている声もよく聞きます。会社員なら税金のことは基本的に年末調整で済みますし、確定申告したことがない人も多いですからね。

とはいえ、未経験なら許される訳もないですから、しっかり確定申告もこなしましょう。今回は、副業している会社員の確定申告について、基本や方法をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。

 

副業中の会社員は確定申告が必要?

副業中の会社員は確定申告が必要?

まずは、確定申告の必要性についてお伝えします。簡単にいえば、会社員の副業が以下の条件に当てはまるなら確定申告が必要です。

  • 副業収入が給与所得に該当する
  • 副業所得が年20万円を超えている

逆にいえば、副業収入が雑所得などに該当し、かつ年20万円を超える所得になっていないのであれば、確定申告は不要になります。まずは、自分の副業収入が何所得に該当するかを確認し、その上で所得金額を確認して、確定申告が必要かどうかを考えましょう。

ちなみに確定申告は、「やったほうが損」にはなりません。むしろ、やらないほうが色んな意味での損に繋がりやすいものですから、必要性が分からないならやる前提で考えましょう。

 

副収入がある会社員は原則必要と考えておこう

副業の代表格であるアルバイトによる収入は、基本的に給与所得に該当します。また年20万円という金額は、月に2万円程度を稼げば達成できてしまう金額です。自分で継続的に副業をしている自覚のある方なら、ほとんどの人は確定申告が必要になるでしょう。

仮に今は副収入が少なくて確定申告が不要な人も、会社員なら将来的には必要になる可能性が高いです。今のうちから練習や勉強の意味も込めて、確定申告してみることをおすすめします。

なお、副業していない場合が気になる方は以下記事も参考にどうぞ。

 

注意点は「収入20万円以上」ではない点?

注意点は「収入20万円以上」ではない点?

次は、先ほどの条件を補足していきます。勘違いされる方も多いのですが、そもそも収入と所得は以下の違いが注意点として挙げられる点に注意しましょう。

  • 所得=収入-経費

確定申告の条件にあった20万円とは「所得」のほうです。仮に経費ゼロ円で20万円を稼いだつもりでも、何か経費にできるものがあることもあります。

逆に当人は経費として使ったつもりでも、副業との関連性がなくて経費として認めてもらえないこともあるのが実情です。

少なくとも、経費として認めてもらうためには領収書などの客観的な証拠が必要になります。確定申告の要不要を考える時だけでなく、実際に確定申告をする時も必要ですから、帳簿や領収書などはしっかり保管しておきましょう。

 

副業がアルバイトなら確定申告が必須かも

もう一つの「給与所得かどうか」は、副業がアルバイトなら基本的に給与所得に該当します。アルバイト先からもらう源泉徴収票にも、種別の欄で「給与・賞与」などと記載されているのではないでしょうか。そのように書かれていたら、確定申告が必要です。

もっとも最近では働き方も様々で、雑所得に該当するケースも多々あります。自分で自分のことが分からないのは、それはそれで危険でしょうから、ぜひこの機会に把握しておきましょう。

 

確定申告は「したほうが得」な行為?

確定申告は「したほうが得」な行為?

今度は、確定申告の意味合いについてお伝えします。確定申告とは「自分で自分の税額を計算して納税する行為」です。その一方で、「源泉徴収されてきた税金を精算する行為」でもあります。言い方を変えれば、納めすぎた税金を返してもらえることもある訳です。

特に副業がアルバイトで給与所得なら、すでに税金を源泉徴収されていることも多いといえます。しかしその税金は、多めに取られていることも多いので、確定申告すれば返してもらえる可能性が高いです。それなら、確定申告したほうが得ではないでしょうか。

税金というのは、納めなければ罰せられますが、納めすぎたとしても問題にならず、納税者が損するだけです。ただでさえ年収が上がりにくい時代なのですから、少しでも得を増やしていきましょう。

 

年末調整が臨時収入になった事があるのでは?

きっとあなたも一度や二度、年末調整で税金が返ってきた経験があるのではないでしょうか。そしてそれが、ちょっと嬉しい臨時収入のように感じたことはありませんか。

確定申告で税金が返ってくるのは同じ理由です。もちろん、必ず返ってくる訳ではありませんが、会社員やアルバイトで給与を貰っているならすでに源泉徴収されているので、戻ってくる可能性も高いといえます。

初めての確定申告なら難しそうに感じて面倒に思うでしょうが、それ相応のメリットもあることが多いです。どのみち、しなければならない事も多いのですから、ぜひ前向きに取り組んでいきましょう。

 

確定申告しなかったらどうなる?

確定申告しなかったらどうなる?

今度は、確定申告しなかった場合についてお伝えします。不要な方は別として、確定申告が必要なのにしなかった場合、以下のようなペナルティが課される可能性が高いです。

  • 延滞税:申告が遅れた場合
  • 無申告加算税:申告しなかった場合
  • 重加算税:悪質な場合

簡単にいえば、納税に非協力的・不誠実であるほどに、ペナルティの程度も高まっていきます。もちろんペナルティが課されてからでは、どんなに謝っても許してもらえませんし、最悪は「脱税行為」として捕まる可能性すらゼロではありません。

副業は収入金額も少ないことが多いだけに、つい軽く考えてしまうことも多いですね。そんな理由は通じませんから、必要性が分からない時は「原則必要」と考えて確定申告しましょう。

 

兼業・副業で、本業の会社を失うことも?

とりわけ会社員の副業や兼業では、会社バレが怖いのではないでしょうか。どの程度のペナルティがあるかは様々ですが、税金上のペナルティを上回る罰を受ける可能性もあるでしょう。確定申告をしない場合、それが理由で会社バレする可能性も高まります。

逆に確定申告すれば、国としては副業を推奨していますから、不十分ながら会社にバレにくい手段も用意されています。副業が原因で本業を失っては本末転倒ですから、そういう意味でも誠実に確定申告はこなしましょう。

なお、副業ではなく不動産所得がある方は以下記事も参考にどうぞ。

 

 

確定申告の方法と流れとは?

確定申告の方法と流れとは?

ここからは、実際の確定申告の方法を流れに沿ってお伝えします。まず、確定申告では自分で自分の納税額を計算しなければなりません。

そして、自分の納税額を計算するために、自分の収入と経費を把握することが必要となります。普段、帳簿などは付けていますか?

副業がアルバイトなら源泉徴収票があるので簡単ですが、それ以外なら収入さえ不明なこともあります。

しかし不明なままでは確定申告できませんから、まずはしっかり自分の収入と支出を把握しましょう。なお、どうしても分からない場合は早めに税務署などへ相談することをおすすめします。

ちなみに経費は、副業の所得に関するものだけでなく、例えば生命保険料(控除)なども所得税を計算するうえでの経費になります。漏れのないように把握しましょう。

 

確定申告は個人的に自分でする必要アリ

年末調整とは違い、確定申告は会社がするように指導してくれませんし、仕方も教えてくれません。同僚に聞いても分からないことも多く、マネするわけにもいきません。

あくまで確定申告は、個人的に自分で自発的にする必要があります。そういう意味では、少し難しい作業ですね。

とはいえ、副業しているなら確定申告は毎年のことになります。日常的な副業収支の把握を含め、なるべく早めに確定申告にも慣れていきましょう。

 

「確定申告書等作成コーナー」を使うと簡単

「確定申告書等作成コーナー」を使うと簡単

収入と経費を把握したら、次は実際に確定申告書へ内容を記入します。普段から会計ソフトなどで収支管理をしていない方の場合は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うと簡単です。

説明や解説も色々と載っていますから、それに沿って入力していきましょう。

ちなみに確定申告では、アルバイトなどの給与所得を除いて、大きく以下の2つを計算・算出していきます。

  • 雑所得や事業所得などの所得額について
  • 実際の所得税額について

なお、副業もアルバイトで給与所得なら、本業である会社からの給与所得と合算することになります。

また所得税額を計算する際には、所得から「14種類ある税金計算上の経費(所得控除)」を差し引く流れです。どの所得控除が使えるかは個人差がありますが、使えるなら使っておきましょう。

 

源泉徴収票や各種証明書も忘れず添付しよう

所得税額を計算する際に見た源泉徴収票や各種証明書は、基本的に書類に添付して申告することになります。

一方の雑所得や事業所得などを計算する時に使った帳簿や領収書などは、添付する必要はありません。ただし、5~7年の保存義務がありますから、ちゃんと保管しておきましょう。

また、確定申告は「控え」とともに2通提出します。もちろん上記の添付は「提出用」のほうに添付して下さいね。これで、確定申告書類は完成です。

 

確定申告の提出期限には注意しよう

確定申告の提出期限には注意しよう

確定申告書類が全て整ったら、あとは実際に税務署へ提出するばかりです。ちなみに税務署への提出方法は、以下の3つの方法があります。

  • 税務署へ郵送する
  • 税務署へ持参する
  • e-Taxを利用する(事前の申請や機器の準備が必要)

なお、確定申告は2月16日~3月15日が申告期間です。土日などの関係で毎年、微妙にズレますが、基本的に3月15日が提出期限になります。

この日を超えると、先ほど触れた延滞税が発生するかもしれないので注意が必要です。なるべく3月15日までに提出しましょう。

また確定申告の期間中は、土曜日も受け付けている税務署も多々あります。会社員として平日は行けなくても、土曜なら行けるのではないでしょうか。ただし全ての税務署ではありませんから、持参する場合はしっかり事前に確認しておきましょう。

 

やり方がわからない時は税務署で相談を!

はじめて確定申告する場合、どうしても色々と分からない部分も出てくる可能性が高いです。そんな時は、税務署で相談しながら作成することをおすすめします。

確定申告の期間中は、税務署内に専用の相談コーナーが設けられていることも多いですからね。もちろん、税務署での相談は無料なのでご安心下さい。

また副業の内容や収入額にもよりますが、相応の規模があるなら「税理士に相談・依頼する」という方法もあります。依頼するほどではないなら税務署に相談しつつ、自分でもしっかり学んでいきましょう。

 

 

副業以外でも確定申告できると得になる!

副業以外でも確定申告できると得になる!

最後に、確定申告の優位性についてお伝えします。会社員なら税金のことは年末調整で済みますが、あくまで年末調整は「簡易版の確定申告」です。年末調整ではできないこともあり、例えば以下の所得控除は確定申告でしか使えません。

  • 医療費控除:病院へ行ったり、薬を買ったりした場合
  • 寄付金控除:「ふるさと納税」した場合(特例アリ)
  • 雑損控除:災害や盗難などで、資産に被害を受けた場合

また、あなたが何らかの事業や投資をしているなら、確定申告することで赤字や損失を繰り越せるようにもなります。

それに、税金上の優遇や恩恵の多くは「確定申告が必要」とあることが多いです。確定申告できるようになれば、それだけで得になるのではないでしょうか。

副業に励めているだけでも十分な得かもしれませんが、確定申告の得はその程度ではありません。ぜひ会社員の方も、副業に関わらず確定申告に挑戦してみましょう。

 

確定申告を通して税金に強くなろう!

確定申告は自分で自分の納税額を計算しますから、おのずと確定申告に慣れてくると税金のことも分かるようになってきます。すると節税の方法や税金制度などにも敏感になれ、総じて得しやすくなることが多いです。たとえ小さな得でも、一生続ければ大きな得になるでしょう。

今は老後資金2000万円問題も騒がれている時代ですから、常にできることを増やして収入や資産を増やしていく必要もあります。

確定申告や税金に強くなれば、それだけ収入や資産を増やしやすくなりますから、ぜひ今後は積極的に確定申告を勉強していきましょう。そしてまずは、存分に節税していって下さいね。

 

副業中の会社員は確定申告を学ぶチャンス!

副業中の会社員は確定申告を学ぶチャンス!

一般的な会社員は年末調整で済みますから、確定申告を学ぶ機会など中々ありません。だからこそ、副業はむしろ会社員が確定申告を学ぶチャンスとさえいえます。できるようになれば、得も沢山です。ぜひこの機に、存分に確定申告について学んでいきましょう。

なお、将来的な年金受給時が気になる方は以下記事も参考にどうぞ。

 

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