- 生命保険に加入中なら生命保険料控除の申告を!
- 申告に必要なのは生命保険料控除証明書のみ。
- 生命保険料控除は一つ4万円、最大12万円。
公開日:2019年12月1日
こんにちは、婚活FP山本です。会社員なら年末調整で生命保険料控除を申告したことがあるかもしれませんが、確定申告でならいかがでしょうか。
確定申告と聞くと身構えてしまう方も多いですが、例えば年末調整で申告し忘れてしまえば、確定申告が必要になります。そんな時のためにも、ぜひ確定申告での申告方法も覚えておきましょう。
今回は、確定申告で生命保険料控除を申告する基本や方法をお伝えします。ぜひご参考にどうぞ。
目次
まずは生命保険と税金の基本についてお伝えします。生命保険に加入している場合、その生命保険料を「生命保険料控除」として申告できる制度です。なお、生命保険料控除には以下の3種類があります。
あなたの生命保険は、どの控除に該当するでしょうか?この控除は、3つそれぞれで上限があり、一つの上限は4万円、最大で12万円を控除として差し引けることになります。
年収が高い人ほど税率も高いですから、控除の効果も高まるのでぜひ使いましょう。
また税金というのは「収入-経費(控除)」で計算し、残った利益について課税される仕組みです。このため、経費(控除)を増やせるほどに節税に繋がることになります。
ちなみに控除は、生命保険以外にも合計14種類ありますから、他にも使えるものがないか見てみましょう。
生命保険料控除は年末調整でも申告できますが、申告経験はありますか?もし経験済みならば、確定申告でも方法は大差ありませんから簡単かもしれません。
確定申告というだけで難しそうなイメージがあるかもしれませんが、ぜひ恐れずチャレンジしてみましょう。
なお、すでに年末調整で生命保険料控除を申告したうえで確定申告するような場合は、確定申告での生命保険の申告は不要です。会社からもらう源泉徴収票にその旨が記載されているでしょうから、それを添付して安心して確定申告に取り組みましょう。
次は、生命保険料控除の計算式についてお伝えします。生命保険料控除は、支払った保険料の全額が控除額という訳ではなく、以下の式で算出した数字です。ちなみに生命保険料控除は3種類ありますが、全て同じように計算します。
年間の保険料 | 控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 保険料の全額 |
20,000円超~40,000円以下 | 保険料の1/2+10,000円 |
40,000円超~80,000円以下 | 保険料の1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律で40,000円 |
なお、生命保険料控除は平成24年1月1日で制度が変更されているため、この日以前に契約したものは少し内容や計算式が違う点には注意が必要です。
ちなみに控除額は自分で計算する必要はなく、各生命保険会社が計算して控除証明書を送ってくれますから、安心して下さいね。
しかしこうして控除内容が分かっていれば、保険への加入時に意識できますから有利でしょう。なるべくこの保険料控除のことも意識して、生命保険に入りましょう。
死亡保険や医療保険で控除額を意識する方は稀ですが、個人年金保険では多くの方が控除を意識して加入しています。貯金が節税になるのですから、それも自然なことでしょうけどね。
最近の個人年金は極めて利率が低いですが、控除の範囲でなら加入したほうが得です。
もちろん死亡保険や医療保険も、意識しないほうがいい訳ではありません。年に8万円とは月7000円程度の保険料で達成します。3種類の控除全てを限界まで使えるよう考えてみましょう。最大の12万円を控除できれば、それなりに恩恵を感じられるはずです。
今度は、保険料控除に必要な書類についてお伝えします。生命保険料控除を申告するためには、加入中の生命保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」が必要です。3種類いずれかの控除に該当する生命保険に加入していれば送られてきます。
この生命保険料控除証明書は、内容を確定申告書類に書き写すとともに、その確定申告書類に添付することが必要です。書き写して終わりではない上、送られてから確定申告の時期までは相応のタイムラグがあります。分かりやすいところにしっかり保管しておきましょう。
なお、うっかり無くしてしまった場合は再発行してもらうこともできます。とはいえ、確定申告の期限に間に合わない可能性もありますから、なるべく無くさないようにしましょう。
あくまで生命保険会社も人間が運営していますから、ミスする可能性だってあります。生命保険料控除証明書は、およそ10月末頃に発送されることが多いです。一概には言えないものの、12月頃になっても手元に届かない場合は、生命保険会社に確認の連絡をしましょう。
また、手元に届いた際には内容に目を通しておくと、落ち着いて確定申告できることが多いです。どのような内容を書くことになるのか事前に理解し、心の準備に繋げていきましょう。
ここからは、実際の確定申告についてお伝えします。まず、仮にあなたが会社員なら、基本的に使う確定申告書は「確定申告書A」です。
そして確定申告書は複数枚で構成されていますが、一枚目(第一表)に総額を書き、二枚目(第二表)に以下の要領で内訳を書きます。
なお、仮にあなたが確定申告書Bを使う場合であっても、微妙に書く位置が違うだけで書き方は確定申告書Aの場合と同じです。また、その他の控除を申告する場合であっても、書き方の要領は変わりません。
ちなみに確定申告書類の作成は、国税庁サイトにある「確定申告書等作成コーナー」を使うと、簡単で説明もあるのでおすすめです。ぜひ一度、試してみましょう。
一度やってみると分かるでしょうが、生命保険料控除の申告は保険料控除証明書の内容を項目に沿って自分で書き写せば良いだけです。
強いて言えば、先ほども触れた通り生命保険料控除の制度は、平成24年1月1日の前後で変更があり、新旧の区分がある点には注意しましょう。もちろん、それもちゃんと証明書には記載がありますけどね。
生命保険料控除の申告は、たったこれだけで完了です。今のところ生命保険に未加入という方は、これを機に加入を検討するのはいかがでしょうか。
今度は添付書類や持ち物などについてお伝えします。先ほど使用した生命保険料控除証明書は、転記して終わりではなく、証拠として確定申告書への添付が必要です。もちろん、他の控除申告もするのであれば、それぞれに対応する証明書などを添付しましょう。
また確定申告を提出する際には、しっかり完成していれば、特に確定申告書類(控えを含めて2通)以外の持ち物は要りません。なお、確定申告書類の提出方法は、以下の3通りがあります。
はじめて確定申告書を提出するなら、その場で簡単にチェックしてもらえるので、持参する方法がおすすめです。確定申告の期間中は土曜日も受け付けている税務署も多いので、可能であれば持参しましょう。
確定申告は、毎年2月16日~3月15日が申告期間となっています。この期間を過ぎると延滞税が発生する可能性がありますから、少し注意が必要です。その一方で、還付を受ける確定申告(還付申告という)の場合は、翌年1月1日から5年間、申告できます。
会社員の場合はすでに源泉徴収で税金を納めており、還付を受けるケースのほうが多いです。生命保険料控除を申告するなら尚更ですが、念のため上記の期限内に申告しましょう。
最後に、補足として確定申告の種類についてお伝えします。実は確定申告には「青色申告」という申告方法があり、こちらのほうが少し精密な帳簿が必要になる代わりに様々な恩恵があるのでお得です。ただし、青色申告できるのは不動産所得・事業所得・山林所得に限られます。
一般的な会社員なら関係ないように思えるかもですが、最近では不動産投資をする方も増えましたし、副業収入が事業所得に該当する可能性もある訳です。覚えておいて損はないでしょう。
ちなみに青色申告するには、事前に「青色申告承認申請書」を提出する必要があり、提出していない場合は白色申告に該当します。
せっかく生命保険料控除を通して確定申告できたなら、これを機に税金の勉強を始めるのもおすすめです。手始めに生命保険料控除のような節税方法について、どんどん学んでいきましょう。
なお、不動産所得がある方は以下記事も参考にどうぞ。
あなたは今まで、「確定申告が必要」と言われて控えてしまった行動は無いでしょうか?
税金上の優遇や恩恵を受けられる制度の多くは、確定申告を必要とします。逆にいえば、確定申告できるようになりさえすれば、それら様々な優遇や恩恵を受けられるようになる訳です。
それに、最近では会社員でも副業や定年後の労働で、確定申告が必要になることが多いといえます。いつ必要に迫られるかも分かりませんから、ぜひ少しでも若いうちに確定申告を覚えてしまいましょう。
なお、年金受給中の場合が気になる方は以下記事も参考にどうぞ。
生命保険料控除は国も認めている節税方法なのですから、生命保険に加入しているなら申告しないのは損なだけです。むしろ節税のために生命保険に加入する考え方すらあります。ぜひ生命保険料控除を通して、少しでも有利に確定申告していきましょう。
なお、会社員の他のケースが気になる方は以下記事も参考にどうぞ。
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