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【確定申告】青色と白色の違いは何?それぞれのメリット・デメリットをFPが解説

【確定申告】青色と白色の違いは何?それぞれのメリット・デメリットをFPが解説

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婚活FP山本

婚活FP山本

CFP®、一級FP技能士

山本FPオフィス代表。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年8月、山本FPオフィスを設立し、同代表就任。 現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中の方や結婚直後の方など、主に比較的若い方のご相談を承っています。また「農業FP」としても活動をはじめ、独立10年を機に「後輩育成」にも力を入れています。詳細は「婚活FP」でご検索を。

この記事のポイント

  • 青色申告・白色申告は「申請書の有無」で変わる。
  • 白色申告と比べれば青色申告のほうが得。
  • 年末調整より確定申告のほうが有利。

こんにちは、婚活FP山本です。確定申告には、「青色申告」「白色申告」という2種類があります。しかし確定申告が初めて、あるいは不慣れな方には違いがイマイチ分からないという事も多いです。

とりわけ会社員なら普段は年末調整で済みますから、尚更かもしれませんね。余計な損を生まないためにも、しっかり違いを知っておきましょう。今回は確定申告の青色、白色の違いや基本についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。

 

確定申告の違いは「申請書」の有無?

確定申告の違いは「申請書」の有無?

まずは、確定申告における青色申告、白色申告の区分の違いについてお伝えします。

結論から言えば、青色申告のほうで確定申告したい場合は「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要です。つまり、この申請書を提出していない場合は、自然と白色申告ということになります。

また青色申告は、会社員の給与所得では申告できず、以下のいずれかの所得に限って申告が可能です。

  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 山林所得

つまりは「一定の事業者だけが青色申告できる」と言えます。逆に、会社員でも上記に該当するような所得があるのであれば、一定の事業者として青色申告することも可能です。

どちらの方が得かはさておき、ひとまず青色申告には申請書が必要という点を覚えておきましょう。

 

対象者の見分け方は会社員なら不動産が簡単

対象者の見分け方は、会社員なら「不動産所得の有無」が簡単でしょうね。最近では、副業を事業的な規模でしているケースもあるでしょうか。これらに該当する方は、会社員でも確定申告で青色申告できる可能性があるといえます。

逆にこれらに該当しない方の確定申告は、迷わず白色申告です。まずは、自分の確定申告が何色申告なのかをしっかり認識して、そのうえで確定申告に挑みましょう。

なお、不動産所得の確定申告については以下記事も参考にどうぞ。

 

個人事業主や自営業者なら青色申告すべき?

個人事業主や自営業者なら青色申告すべき?

次は、個人事業主や自営業者の確定申告についてお伝えします。

結論から言えば、個人事業主や自営業者は青色申告と白色申告、どちらでも申告が可能です。基本的には青色申告のほうが得な申告ですが、ムリに青色申告する必要はなく、白色申告でも問題ありません。

特に最近では脱サラというより、準備不足のまま会社員を辞めて個人事業主などになる方もいます。そういう場合は、税金や確定申告に関する知識や理解が不十分なことも多いです。それならば、ムリに青色申告せずに当面は白色申告でも良いでしょう。

特に開業したての個人事業主の場合、しばらくは十分な売り上げが立たないことも多いので尚更です。事業に精を出す一方で税金や確定申告についても勉強を重ね、必要と感じた時に青色申告の申請書を提出しましょう。

 

控除など2種類を十分に比較して考えよう

一定の簿記などの知識があるのであれば、開業当初から青色申告のほうを選んでも何も問題ありません。青色申告をするための経理処理も普通にこなせるでしょうからね。

しかしそうでない場合は、まずは白色申告で少しずつ勉強を重ねていくような考え方も十分アリです。

そして最終的に、控除など2種類を十分に比較して考え、結論を出すと良いでしょう。なお、青色申告承認申請書は毎年3月15日までに提出する必要がある点にご注意下さい。

なお、自営ではなく副業の場合は以下記事も参考にどうぞ。

 

青色申告のメリットとは?

青色申告のメリットとは?

今度は、青色申告のメリットについてお伝えします。確定申告で青色申告を選択すると、以下のようなメリットを受けられるようになるので有利です。

  • 65万円控除(青色申告特別控除、2020年から変更予定)
  • 赤字を3年繰り越せる(純損失の繰越し控除)
  • 家族への給料を経費にできる(青色事業専従者給与)
  • 30万円未満を一括経費にできる(少額減価償却の特例)
  • 自宅費用も一部経費にできる(家事按分)

中には白色申告でも少し利用できるものもありますが、青色申告のほうが有利にできています。どのメリットが嬉しいかは様々ですが、どれも事業者にとっては魅力的なメリットでしょう。だからこそ、一般的な事業者は青色申告のほうを選ぶことが多いです。

 

所得税という税金上は青色申告が有利!

ハッキリ言って、所得税という税金上は青色申告のほうが圧倒的に有利です。白色申告でも問題ないのですが、相応の売上が立ってきたのなら青色申告にしない方は滅多にいません。

一定の事情があって多くの税金を納めたいような方を除いて、青色申告をおすすめします。

ただ、青色申告はメリットが大きい分、より精密な確定申告を求められる制度設計です。ぜひ勉強に励んで、青色申告できるようになっていきましょう。

 

青色申告のデメリットとは?

青色申告のデメリットとは?

今度は、青色申告のデメリットについてお伝えします。税金上は青色申告のほうが有利なのですが、代わりに青色申告承認申請書のほか、以下が必要になる点がデメリットです。

  • 複式簿記による帳簿
  • 貸借対照表
  • 損益計算書

簡単に言えば、より正確な確定申告を求められる訳ですね。ただ、これらは簿記2級程度の知識があれば十分にこなせますし、最近では優秀な会計ソフトも沢山あります。初めての時はともかく、慣れてくれば誰もが十分にこなせるレベルのものです。

事業範囲や売上が大きく拡大してくれば税理士への依頼も視野に入れる必要がありますが、最初は誰もが自分で確定申告します。知識ゼロだと抵抗感も大きいかもしれませんが、それに見合うだけのメリットも十分ありますから、ぜひチャレンジしてみましょう。

 

貸借対照表や損益計算書など書類が少し面倒?

そもそも知識ゼロの場合、貸借対照表や損益計算書などの書類をこなす前に、複式簿記の仕分け作業すら意味不明で困難ということも多いです。

このあたりは、多くの方がお小遣い帳や家計簿が続かないのに似ているかもしれません。慣れるまでは面倒に感じるでしょうね。

しかし家計簿などと違い、確定申告はしっかり続けないとペナルティを負わされる可能性が出てきます。この理屈は白色申告でも変わりませんから、ちゃんと社会人として自覚を持って挑みましょう。

 

 

会社員でも住宅ローン控除の際は確定申告が必要

会社員でも住宅ローン控除の際は確定申告が必要

ここからは、会社員の確定申告についてお伝えします。冒頭でも触れた通り、会社員は基本的に年末調整で済みますから、確定申告の必要性はありません。

ただ、会社員でも確定申告が必要になることもあります。住宅ローン控除を受ける時が最たる例でしょうか。

他にも、以下のような場合には会社員でも確定申告が必要になる可能性があります。

  • 副業をしている
  • 投資をしている
  • 年末調整しなかった、できなかった、し忘れがあった

また最近では突然クビになったものの転職が困難なこともありますし、ふと起業を思いつくかもしれません。つまり会社員でも、いつ確定申告が必要になるか分からないと言えます。

何事もできないよりはできた方が良いでしょうから、ぜひ確定申告もできるようになりましょう。

 

会社員でも確定申告は覚えるべき?

ハッキリ言って、会社員でも確定申告は覚えるべきと言えます。いつ必要になるか分からないだけでなく、税金上の恩恵を受けるためには確定申告が必要なことも多いためです。できないままでは、「確定申告が必要」とあるだけで諦めてしまう方もいますからね。

むしろ会社員なら、例えば経理の人間など、周囲に税金や確定申告に強い人もいることが多いといえます。学ぶには絶好の環境なのですから、ぜひメリットを活かしていきましょう。

なお、どうせなら確定申告だけでなく、お金に関する様々なことも周囲と話し合える環境を作っておくこともおすすめです。

 

確定申告ができるメリットとは?

確定申告ができるメリットとは?

今度は、会社員でも確定申告ができるメリットについてお伝えします。細かく上げるとキリがないのですが、少なくとも以下については青色申告・白色申告を問わず、確定申告でしか利用できません。

  • 医療費控除:病院の医療費や薬代など
  • 寄付金控除:代表例は「ふるさと納税」
  • 雑損控除:災害や盗難などに会った損害

税金というのは、収入から経費(控除)を差し引いた残額(利益)に対して課税されます。このため上記の控除を使える状態なら、上記は年末調整で処理できませんから、確定申告したほうが圧倒的に得です。会社員でも、還付金が増えることになります。

中でも「寄付金控除」は、自発的に増やすことができる控除です。ご存じの通り、まだまだふるさと納税の返礼品は魅力的なものが沢山ありますし、2重に得ではないでしょうか。

医療費控除も人によっては使いやすい控除です。ぜひ少しずつでも勉強を重ねていきましょう。

 

必要に迫られてからでは遅いかも?

人間は、必要に迫られてから準備や勉強を始めることが多いものです。しかし確定申告では「書類など事前の準備」が必要なものも多いですから、必要に迫られてからでは遅いことも多いといえます。

不勉強なほどに面倒に感じ、あえて損を受け入れることも多いかもしれません。そもそも勉強というのは、やはり若いほうが有利といえます。一度理解してしまえばずっと使える知識ですから、ぜひ早くから勉強を始めていきましょう。

 

簿記もFPも、2級程度までは簡単?

簿記もFPも、2級程度までは簡単?

ここからは、確定申告のポイントについてお伝えします。もし、あなたが自分で確定申告ができるようになりたいなら、簿記の勉強がおすすめです。

また確定申告は税金に関する知識を深めるほどに有利になりますが、自分の確定申告をするためならFP資格も使えます。どちらも2級程度までなら難易度はそこまで高くなく、数ヶ月も勉強すれば誰もが十分に取得可能です。

またこれらの資格は確定申告に使うだけでなく、自分の仕事や転職、自分の生活に活かすこともできます。確定申告のついでに資格取得を目指すのもアリではないでしょうか。

むしろ確定申告というのは、これ単体で理解を深めていくのは難しいかもしれません。単体での勉強が難しいと感じる方は、急がば回れと考えて、その周辺の勉強から始めてみましょう。

 

勉強が苦手なら専門家を味方に付けよう

先ほどの資格取得を含め、勉強というのは基本的に誰でもできます。ただ、やはり中には難しい、できないと感じる方もいるのが実情です。しかしできないと感じるままに確定申告をすると、余計な失敗や損に繋がる可能性も高まります。

確定申告の勉強が苦手と感じるなら、たとえ白色申告であっても税理士などの専門家を味方に付けたほうが無難です。どのように助けてもらうかはケースバイケースですが、ひとまず「場合によってはプロに依頼する」という選択肢も持っておきましょう。

 

 

確定申告を失敗するデメリットとは?

確定申告を失敗するデメリットとは?

最後に、確定申告を失敗するデメリットについてお伝えします。まず確定申告に失敗するということは、自然と「取られる税金が増える」訳です。

そもそも確定申告をしなかったり、使える控除を使わなかったりすれば、それだけ会社員なら源泉徴収された税金が取られっぱなしになります。

また確定申告が必要なのにしなかった場合、以下のいずれかのペナルティを課されるかもしれません。

  • 延滞税:確定申告が遅れた場合
  • 過少申告加算税:確定申告を間違えた場合
  • 無申告加算税:確定申告しなかった場合
  • 重加算税:悪質な場合
  • 脱税:最悪な場合

青色申告でも白色申告でも、確定申告は「正しくする」ことが必要です。知らなかった、分からなかった……は、もちろん通りません。忘れた頃になって、悪夢のように自分の身に降りかかることもあります。

そんな事にならないよう、過去を後悔することが無いように、確定申告は正しくこなしましょう。

 

小さな違いが最後に大きな差になる!

会社員なら確定申告するのは稀なことかもしれませんが、一度すると「毎年のこと」になることも多いです。

そんな毎年の確定申告を失敗し続けてしまえば、それだけ損も膨らむことになります。小さな違いや損であっても、最後には大きな違い、損に繋がってしまう訳です。

逆に毎年のことだからこそ、得についても同様に大きく積み重なる可能性も十分あります。節税について理解や行動を増やせれば尚更です。ぜひそのように考え、少しでも早くから得を重ねていきましょう。

 

青色でも白色でも、確定申告は正確に!

白色申告と比べれば青色申告のほうが得です。そしてどちらであっても、年末調整より確定申告のほうが使える控除も多いので有利になります。

ただ、どちらのケースも得が多いほどに「正しさ・正確さ」を求められる訳です。どちらのほうが自分にとって得かを十分に考え、最適なほうを選択していきましょう。

なお、別角度で確定申告を知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。

 

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