- クレジットカードの平均保有枚数は1~3枚以下が半数超えとなっています。
- クレジットカードの適正枚数は人によって異なります。
- クレジットカードの複数持ちは、使い分けのメリットやローン審査が厳しくなるデメリットなどがあります。
公開日:2020年9月28日
クレジットカードは1人で複数枚保有することが可能です。しかし、何枚が適性枚数なのでしょうか?この記事では適性枚数にまつわる内容を紹介した上で、複数持ちのメリット・デメリットを解説いたします。ぜひ参考にして下さい。
目次
クレジットカードを複数枚保有している人は珍しくありません。財布のカード入れのところに、何枚ものカードを挿している人をよく見かけます。では、一体どれくらいのカードを保有している人が多いのでしょうか?
まずは平均保有枚数にまつわる情報として、以下内容を紹介いたします。
価格比較サイトである「価格.com」のリサーチによると、クレジットカードの保有枚数は平均3.4枚となっています。1枚保有は16.5%、2枚保有は19.6%、3枚保有は18.8%で、1枚~3枚で54.9%と半数以上を占めています。
全体の傾向としては20代が1枚保有が多く、5枚以上は50代が多いです。ただ、50代になると定年による枚数整理のため、それ以上の年代で枚数が増えない傾向となっています。
1位 | 2枚保有 | 19.6% |
---|---|---|
2位 | 3枚保有 | 18.8% |
3位 | 1枚保有 | 16.5% |
カード会社ごとの発行枚数では、JCBが最多の12.8%、2位がクレディセゾンの11.0%、3位が楽天カードの8.6%となっています。ただし、カード発行会社と国際ブランドが混同して回答されている可能性があり、必ずしも正確な調査結果とは言えません。
カード会社とはそのカードを発行している会社で、国際ブランドとはそのクレジットカードに表記されている「VISA」や「JCB」などの決済ブランドのことを指します。あくまでも目安として参考程度に知っておきましょう。
1位 | JCB | 12.8% |
---|---|---|
2位 | クレディセゾン | 11.0% |
3位 | 楽天カード | 8.6% |
1カ月にどれくらいカード利用をしているかの調査では、最も多いのが1週間に1回程度(34.5%)、続いて週に2~3回程度(25.8%)、その次に1カ月に1回程度(22.2%)なっています。つまり、月1回~月4回程度の利用が82.5%と大部分を占めています。
1位 | 1週間に1回程度 | 34.5% |
---|---|---|
2位 | 週に2~3回程度 | 25.8% |
3位 | 1カ月に1回程度 | 22.2% |
1カ月の利用額は、5万円~10万円(25.1%)がトップ、次いで3万円~5万円(18.8%)、その次に1万円~3万円(18.7%)となり、1万円~10万円で62.6%となっています。
1位 | 5万円~10万円 | 25.1% |
---|---|---|
2位 | 3万円~5万円 | 18.8% |
3位 | 1万円~3万円 | 18.7% |
上記にて、クレジットカードは1枚から3枚の保有が多いことがお分かりいただけたかと思いますが、はたしてお得に使うための適性枚数は何枚なのでしょうか?ここではクレジットカードの適性枚数にまつわる内容として、以下を解説いたします。
クレジットカードは最大何枚まで作れるかというと、正直なところ答えがありません。クレジットカード会社は申込者の属性や信用情報を参考にカードを発行しています。属性とは社会的ステータスのことで、たとえば勤務先情報や勤続年数、住居情報、年収などがチェックされています。
信用情報とは個人の金融取引履歴のことで、個人信用情報機関に記録されています。借金の延滞や債務整理などの金融事故情報が載っていると、カード審査で著しく不利となりますし、健全な金融取引をしているとカード審査で有利となります。
これらの総合判断により各カード会社が審査しているので、1枚でも審査落ちする人がいますし、20枚以上保有している人もいらっしゃいます。
理想の枚数が何枚なのかも明言は難しいです。人それぞれライフスタイルが異なるので、それに合わせて必要なクレジットカードを作るというのが正解に近いのではないでしょうか。
たとえば、よく行くスーパーのカードと、よく使っているガソリンスタンドのカード、それに旅行保険を付けたいなら旅行保険付きのカードの3枚保有というような形で、生活スタイルに合わせることがおすすめです。
年会費有料カードをメインとして年会費無料カードをサブに使う人もいますし、ゴールドカードやプラチナカードなど、サービスが充実したカード1枚で事足りるケースもあります。
クレジットカードは持っていたほうが便利でしょう。釣銭などの小銭を気にせず決済できますし、後払いのためキャッシュフローが有利という特徴もあります。
学生でもカード保有はおすすめですが、社会人になると一層有難みが分かるでしょう。社会人になると付き合いも増えるほか、出張などで役立つサービスも多いため、クレジットカードの出番が多いのです。
また、家計を預かる主婦もカードのポイントで節約が可能なので、賢く活用している人が多いです。
クレジットカードは複数保有することでさまざまなメリットがあります。ここでは多くのメリットの中から、以下のメリットをピックアップして紹介いたします。
クレジットカードは1枚だけ保有するよりも、複数枚保有したほうが使い分けできるメリットがあります。そして、カードの使い分けはお得となるケースが多いのです。
たとえば、普段のお買い物にショッピングモールが発行するカードを利用すれば、割引やポイントの恩恵が受けられます。出張や旅行時には、ゴールドカードなどのステータスカードを利用することでレストラン優待や空港ラウンジ無料サービスが受けられます。
ECサイトが発行するカードではネットショップがお得となるなど、各カードの得意分野を活かせばより便利でお得となるでしょう。
先ほども軽く触れましたが、クレジットカードは複数枚保有によりライフスタイルに合わせた活用がしやすくなります。クレジットカードにはさまざまなサービスがあります。
一例を紹介するだけでも、ポイント還元、スーパーの割引、レストラン優待、宿泊施設優待、旅行保険、ショッピング保険、サポートデスク、空港ラウンジサービスなどさまざまです。
1枚のカードだけではサポートしきれないサービスを、ほかのカードでサポートすれば、より多くのサービスが受けられます。必要なサービスをピックアップしてからカードの組み合わせを考えるとよいでしょう。
クレジットカードを複数枚保有していると旅行傷害保険の上乗せとなります。たとえば、1枚の疾病治療限度額が100万円(利用付帯)、もう1枚の疾病治療限度額が200万円(自動付帯)だとすると、合計300万円が限度額となり得るのです。
旅行傷害保険はカード利用による補償対象となる「利用付帯」と、カード会員であるだけで補償対象となる「自動付帯」があります。この場合、利用付帯のカードを使って旅行に行けば、2枚分の補償を得られることになります。
クレジットカードを複数枚保有していると、家計管理がしやすくなります。たとえば1枚は普段使いのカード、1枚は臨時出費用、もう1枚は会社の立替払い用など分けることで支払いが明確となるでしょう。
カードは利用明細が出るため、各用途ごとに履歴が残り、そのまま家計簿に移すだけで家計管理ができます。
クレジットカードの複数枚保有はメリットが多い反面、デメリットもあります。メリットだけを考慮して数多く発行していると、思わぬ落とし穴にはまりかねません。ここでは複数枚持ちのデメリットとして以下内容を紹介いたします。
クレジットカードの保有枚数が多いと、各種ローンや他社クレジットカードの審査で不利となります。クレジットカードは後払い式である上、分割払いやリボ払い、キャッシングなど借金的要素を含んでいます。
カード枚数が多いということは、不払いリスクが増えるということですので、審査で不利となるのです。とはいえ、カード審査はカード枚数のみならず、属性や信用情報の総合判断ですから、これだけが決め手というわけではありません。
ローンの限度額が下がる可能性も否めません。一般的にクレジットカードのキャッシング枠は合計枚数分でカウントされると言われています。
たとえば1枚100万円の限度額が得られる場合、5枚持てば500万円のキャッシング枠になるとは限りません。1枚あたり20万円として割り当てられることもあるからです。
審査がシビアな住宅ローンなどではカード枚数がダイレクトに影響することもあります。複数保有はおすすめではあるものの、使わないクレジットカードは保有しないほうがよいでしょう。
単純にクレジットカードの枚数が多いと、浪費が増える可能性があります。1枚のカードが限度額に近い場合、そのカードしか持っていなければそれ以上カード払いはできません。
しかし、ほかにもカードがあれば1枚目の限度額を越えて買い物ができてしまいます。さらに、分割払いやリボ払いなども手伝って、手持ちのお金がなくても支払いしやすくなるため、浪費が雪だるま式に増えるケースもあります。
クレジットカードの枚数に比例して、紛失リスクや盗難のリスクが増えてしまいます。複数枚のカードを入れた財布を落としてしまったら、すべてのカードを止めなければなりません。枚数が増えるほど止める作業が手間となるでしょう。
クレジットカードの中には不正使用防止サービスが付いているものもありますが、条件によっては実費がかかる場合もあります。盗難被害も枚数が多い分、使われる額が増えますので、しっかりと保管しなければなりません。
クレジットカードの複数持ちは、上記のようなメリット・デメリットがあるわけですが、それらを踏まえてどのようなことに注意すればよいのでしょうか?ここでは複数保有するときの注意点として以下内容を解説いたします。
クレジットカードを複数保有する際には、多重債務にならないよう気を付けましょう。特に分割払いやリボ払いは支払いを先送りしている意識が必要です。また、キャッシング利用も安易にしてしまうと、延滞リスクが増えて行くでしょう。
気が付けば複数のカードの支払いに追われる生活となり、債務整理を余儀なくされるケースもあり得ます。クレジットカードの利用は収入の範囲で、計画的に行う必要があります。
クレジットカードの複数枚保有は年会費に気を付けましょう。たとえば年会費1万円のカードを3枚保有すれば、それだけで年間3万円の出費となります。
そのうち使っているのが1枚だけで、ほかの2枚を使っていなければ、せっかくお得にポイントを貯めたり割引優待を受けたとしても、トータルがマイナスとなるケースも考えられます。
また、年会費無料カードの場合も、条件付きで年会費無料や初年度だけ無料というケースもありますので、年会費はきっちりと管理しておきましょう。
クレジットカードを複数枚持っていることにより、ポイントの貯め方が非効率となるケースがあります。
というのも、カードごとにポイント還元率が異なったり、ポイントアップが適用されるサービスがあるため、どのシーンでどのカードを使うと最もポイントがお得なのかを把握しておかなければなりません。
クレジットカードの枚数が増えると、本来使用するつもりだったカードと間違えて使ってしまうこともありがちです。券面デザインが似ているカードや、同じ発行会社のカード、単なる思い込みによる間違いなどによってミスの誘発が考えられます。
結果的に家計管理が煩雑になったり、いざというときに限度額がいっぱいになったり、決済忘れによる急な出費となったりする可能性があります。
クレジットカードの適正枚数は人によって異なるため、何枚がよいのか明言はできません。ただ、あくまでも参考として、クレジットカードの平均保有枚数は1~3枚以下が半数超えとなっています。
クレジットカードの複数持ちは、使い分けのメリットやローン審査が厳しくなるデメリットなどがあります。これらを踏まえて、ライフスタイルに合わせた枚数を検討しましょう。くれぐれも多重債務にならないよう注意が必要です。