- カードローンの審査基準は公表されていない。
- 消費者金利のカードローンのほうが一般的に審査は緩い。
- 審査が緩いほど金利は高くなる傾向がある。
- 審査に通るかは個人差の方が大きい。
公開日:2019年6月29日
審査に通るか不安だからと、同時に多くのカードローンに審査を申し込んでしまうのは逆効果。申し込み状況はカードローン会社間で信用情報として共有されており、多重債務の疑いから審査に通りにくくなってしまいます。
限られた中で審査に通る確率を上げるには、なるべく審査の甘い(緩い)カードローンを選ぶべきと言えます。そもそも審査の甘いカードローンというのはあるのでしょうか。
目次
カードローンを取り扱う会社は年齢や職業、年収といった最低限満たさなければならない申し込みの基準は公表しています。しかし、その条件を満たしているからといって必ずしも融資を受けられるわけではありません。
具体的な審査基準はどの会社も公表していないため、審査に通りやすいのかは公表される成約率や実際の利用者の口コミなどから予想するしかありません。
カードローンはアコムやアイフルといった大手から中小の消費者金融や銀行(都市銀行・地方銀行等)、信販系(クレジットカード会社・信販会社)などが取り扱っています。
会社による差も当然ありますが、審査の難易度にはおよそ以下のような傾向があります。
【審査に通りやすい】 | 中小消費者金融カードローン |
---|---|
↑ | 大手消費者金融カードローン |
| | (信販系カードローン) |
| | ネット銀行カードローン |
↓ | 地方銀行カードローン |
【審査に通りにくい】 | 都市銀行カードローン |
一般的に審査が厳しい会社は金利が低く、審査が緩い会社は金利が高い傾向があります。もちろん会社による違いや、同じ会社でも借入額や利用者の返済能力などによっても金利には幅があります。
審査なし、あるいは簡単な審査で融資を謳っている業者は悪徳業者である可能性が高く注意が必要です。いくら審査が緩いからといって、このような業者は絶対に利用してはいけません。
成約率とは新規融資申込者のうち審査を通過した人の割合のこと。成約率が高いほど審査に通りやすいと考えられます。大手消費者金融の成約率は、決算資料において具体的な数値が公表されています。2019年3月期の各社の成約率を高い順に並べたのが以下の表です。
会社名 | 成約率 |
---|---|
アイフル | 45.3% |
SMBCコンシューマーファイナンス (プロミス) |
45.2% |
アコム | 44.0% |
レイクALSA | 29.8% (*) |
※レイクALSAの成約率は四半期ごとの成約率の平均値
アイフル、SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)、アコムは成約率45%前後でほぼ横並びの状態であるのに対し、レイクALSAは30%を割り込み、上位3社よりも15%近く低い水準となっています。
成約率による比較ではレイクALSAは審査が厳しく、アイフル、SMBCコンシューマーファイナンス、アコムは審査が比較的緩いと予想できます。
成約率上位3社のカードローンランキングと概要は以下の通りです。
「アコム」は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の消費者金融。2019年3月期の成約率は44.0%でした。
貸付金利 | 年3.0%〜年18.0% *初回契約翌日から「30日間金利0円」(初回利用かつ返済期日「35日ごと」で契約の場合) |
---|---|
遅延損害金 | 年20.0% |
借入限度額 | 1万円〜800万円 |
担保・保証人 | 不要 |
申込条件 | 満20歳〜69歳の安定した収入と返済能力のある方で、アコムの基準を満たす方 |
審査時間 | 最短30分 (審査回答時間)9:00〜21:00(年末年始を除く) |
即日融資 | ○ 審査完了メールからの契約手続き完了後に振込(最短1分) |
借入方法 | ・銀行振込 ・店頭窓口/カードローンコーナー(三菱UFJ銀行内) ・むじんくん(自動契約機) ・アコムATM/提携ATM(コンビニ・銀行ATM等) |
WEB完結 | ○ |
「プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)」はSMBCグループの消費者金融。2019年3月期の成約率は45.2%でした。
貸付金利 | 年4.5%〜年17.8% *初回利用日翌日から「30日間無利息」(メアド登録+WEB明細利用の場合) |
---|---|
遅延損害金 | 年20.0% |
借入限度額 | 1万円〜500万円 |
担保・保証人 | 不要 |
申込条件 | 満18歳〜74歳の本人に安定した収入のある方
※お申込時の年齢が18歳および19歳の場合は、収入証明書類のご提出が必須となります。 ※高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)はお申込みいただけません。 ※年金が収入のみの場合はお申込みいただけません。 |
審査時間 | 最短25分 (審査回答時間)9:00〜21:00 |
即日融資 | ○ 最短25分(振込依頼から最短10秒) |
借入方法 | ・振込キャッシング(銀行振込) ・プロミスATM/提携ATM(コンビニ・銀行ATM等) |
WEB完結 | ○ |
「アイフル」は東証1部上場、他の金融グループなどに属さない独立系の消費者金融。2019年3月期の成約率は45.3%でした。
貸付金利 | 年3.0%〜年18.0% *初回契約翌日「30日間無利息」(無担保キャッシングローン利用) |
---|---|
遅延損害金 | 年20.0% |
借入限度額 | 1万円〜800万円 |
担保・保証人 | 不要 |
申込条件 | 満20歳〜69歳の定期的な収入と返済能力を有し、アイフル基準を満たす方 |
審査時間 | 最短30分 (審査回答時間)9:00〜21:00 |
即日融資 | ○ 【カードレス】スマホアプリで原則24時間365日ATM借入可 【カードあり】郵送:カード到着前の振込可、来店:カード発行後すぐ借入可 |
借入方法 | ・ネット・電話から振込予約(銀行振込) ・アコムATM/提携ATM(コンビニ・銀行ATM等) |
WEB完結 | ○ |
銀行カードローンは成約率を公表してません。ただ、銀行カードローンの審査のほとんどは保証会社となる消費者金融や信販・クレジット会社が担っています。
つまり銀行カードローンの審査に通りやすさは、実質的な審査を担っている消費者金融や信販会社の審査基準に近いと考えられます。
利用者が借り入れを返済できなくなった場合には、保証会社が利用者に代わり銀行に返済します(代位弁済)。代位弁済を行なった保証会社は、銀行に代わって利用者に返済を求める権利を得ますが、利用者はすでに返済ができない状態。お金を回収するのは容易ではありません。
銀行のリスクは保証会社に支払う保証料の範囲に限定される一方、実質的な返済リスクは保証会社が負うことになります。保証会社としては自ら貸し手となるよりも利益は少なく、それに見合うリスクとなるよう審査は厳しくなると考えられます。
主な銀行カードローンの保証会社は以下の通りです。(2019年6月15日時点)
銀行 | 保証会社 | 上限金利 | |
---|---|---|---|
都市銀行 | みずほ銀行カードローン | オリエントコーポレーション | 14.0% |
三菱UFJ銀行バンクイック | アコム | 14.6% | |
三井住友銀行カードローン | SMBCコンシューマーファイナンス | 14.5% | |
りそなカードローン | りそなカード/オリックスクレジット | 12.475% | |
地方銀行 | 北海道銀行ラピッドカード | アコム | 14.95% |
東京スター銀行スターカードローン | 新生フィナンシャル | 14.6% | |
横浜銀行カードローン | SMBCコンシューマーファイナンス | 14.6% | |
愛媛銀行ひめぎんクイックカードローン | SMBCコンシューマーファイナンス | 14.6% | |
ネット銀行 | 楽天銀行 | 楽天カード/セディナ | 14.5% |
住信SBIネット銀行カードローン | SMBCコンシューマーファイナンス/住信SBIネット銀カード | 14.79% | |
ソニー銀行カードローン | アコム | 13.8% | |
イオン銀行カードローン | イオンクレジットサービス/オリックス・クレジット | 13.8% |
保証会社が同じであれば、同じような審査結果となると予想されます。もし審査に落ちてしまい再度申し込みを検討している場合には、保証会社の違う銀行に申し込む方が審査に通る可能性は高いと言えます。
銀行カードローンには収入のない専業主婦でも申し込めるものもあります。一方消費者金融や信販系のカードローンは、総量規制により年収の3分の1を超える貸付が禁止されているため、専業主婦は利用できません。
また、収入が少なければ消費者金融で借りられる金額は限られます。このような条件では銀行カードローンの方が審査が緩い(柔軟)と見ることができます。
総量規制
貸金業者に年収などを基準としてその3分の1を超える貸付を原則禁止する貸金業法による規制。すべての貸金業者の貸付(消費者金融・クレジットカード会社など)で通算して適用される。
専業主婦の利用については銀行によっても対応が異なります。専業主婦の申し込みを可能としている銀行カードローンは融資に積極的と見ることができ、比較的審査に通りやすいのではないかと推測できます。
楽天銀行スーパーローンはWEB完結で専業主婦でも利用できる銀行カードローン。上限金利は年14.5%(2019年5月31日時点)、楽天会員ランクに応じた審査の優遇や、入会・利用により楽天スーパーポイントが付与されるといった特徴があります。
借入金利 | 年14.5%(100万円未満)〜年1.9%〜4.5%(800万円) |
---|---|
借入限度額 | 10〜800万円(10万円単位) *専業主婦は上限50万円 |
返済方法 | 毎月返済:毎月指定日に指定口座より引落 随時返済:WEBサイト(Pay-easy)から振替またはATM等から返済 |
担保・保証人 | 不要(保証会社が保証) |
申込条件 | 以下のすべてを満たす個人 ・申込時年齢が満20歳以上満62歳以下(パート・アルバイト・専業主婦は60歳以下) ・お勤めの方で毎月安定した定期収入がある、または専業主婦 ・日本国内に居住(外国籍の場合、永住者である) ・保証会社の保証を受けられる |
審査時間 | 最短翌日〜 |
WEB完結 | ○ |
イオン銀行カードローンはWEB完結で専業主婦でも利用できる銀行カードローン。上限金利は年13.8%(2019年5月31日時点)と低水準です。
借入金利 | 年11.8〜13.8%(10万円〜90万円)〜年3.8%(800万円) |
---|---|
借入限度額 | 10〜800万円(10万円単位) *専業主婦は上限50万円 |
返済方法 | 毎月返済:普通預金口座より引落(他行口座も可) 随時返済:ATM等から返済 |
担保・保証人 | 不要(保証会社が保証) |
申込条件 | 以下のすべてを満たす個人 ・日本国内に居住(外国籍の方は永住許可を受けている) ・契約時年齢が満20歳以上満65歳未満 ・本人または配偶者に安定かつ継続した収入が見込める (パート・アルバイト・専業主婦(夫):可、学生:不可) ・保証会社の保証を受けられる |
審査時間 | 最短翌日〜 |
WEB完結 | ○ |
2017年には金融庁がメガバンクや規模の大きな地銀に立ち入り検査を行い、過剰融資の防止を求め、これをきっかけに各行は融資の限度額の引き下げや審査モデルの制定など自主的な規制強化が進みました(金融庁 銀行カードローンの実態調査結果)。
直接立ち入り検査を受けたみずほ銀行など大手銀行では審査が厳しくなったと言われています。
審査基準はカードローン会社による差もありますが、やはり利用者の属性(収入・職業・年齢)や信用情報などの個人差による差が圧倒的に大きいです。いくら審査の緩いと考えられるカードローンに申し込んでも審査に通るとは限りません。
もし無条件で審査に通るようなカードローンがあったとすれば、ほぼ間違いなく悪徳業者やヤミ金。絶対に利用してはいけません。
特に信用情報に異動情報が記載されていれば(いわゆる「ブラック」)、基本的に審査には通りません。異動情報は過去に滞納などがあると5年間は記録が残ります。
また、信用情報には借入の申し込み履歴も記録され、直近(1〜3ヶ月以内)に3件以上の申し込みがあると(いわゆる「申し込みブラック」)、なかなか審査に通らなくなります。申し込み履歴は過去6ヶ月分が記録されます。
信用情報など自分では変えられない部分もありますが、少しでも審査に通りやすくするためのコツもあります。
審査の際、利用目的などを詳細に伝えることで事情が考慮され、審査に有利に働く可能性があります。
例えば急な医療費が必要となったなどの理由であれば、緊急性が考慮され審査に通りやすくなる可能性があります(緊急の医療費の貸付は総量規制が適用されない例外の一つともなっています)。
ただし、審査に有利となるよう収入を多めに申告したり、虚偽の利用目的を申告したりするのは絶対にいけません。審査の段階でほとんどの嘘はバレます。
嘘がバレてカードローン会社からの信用を失えば審査に通るのは難しくなるでしょう。利用目的(ギャンブルなど)によっては不利になるケースもあります。
具体的な審査基準を公表しているカードローン会社はありませんが、会社により審査の通りやすさには差があると考えられます。審査に不安のある方は、審査が比較的緩い会社を選ぶのも、審査に通る可能性を高める一つの方法と言えるでしょう。