公開日:2019年8月5日
生命保険では、終身や定期という言葉が様々なところで頻繁に使われておりますが、これらの意味合いや解釈を誤ってしまいますと、思い描いていた生命保険に加入できない大きなリスクを抱えてしまうことになります。
実のところ、生命保険に新規加入をする上でも、見直しをする上でも、終身と定期の違いや仕組みを知っておくことはとても重要であることから、本記事では生命保険の終身と定期の違いを細かく分類して解説を進めます。
目次
生命保険の終身と定期の違いを知るためには、生命保険の種類や契約内容によって、その意味が全く異なることをまずは念頭に入れておく必要があります。
具体的には、死亡保険(終身保険や定期保険など)、医療保険、がん保険など、生命保険の種類、保障が有効な期間、保険料の払込期間などによって、負担する保険料や将来設計に大きな影響を与えることになるわけです。
次項より、これらについて詳しく解説をしていきます。
生命保険には、死亡などによって遺族に保険金が支払われる終身保険や定期保険をはじめ、病気やけがによって入院した場合に保険金が支払われる医療保険など、様々な種類の生命保険があります。
現状、保険会社が販売している生命保険のほとんどは、商品名(ペットネーム)で販売されており、その生命保険の種類が終身なのか定期なのか判断しにくいのは確かです。
ただし、次項から解説する保障と保険料に着目すれば、生命保険の終身と定期の区別は簡単できるようになります。
生命保険に加入しますと、加入した生命保険の種類に関わらず、保険期間(保障期間)が保険証券に必ず記載されることになります。
この保険期間(保障期間)が終身なのか定期なのかによって、生命保険の有効期間が異なることになるのですが、定期の場合は、定期とは記載されず、年齢や年数が記載されることになります。
生命保険の保障が定期の場合、年齢や保障期間が記載され、具体的には、60歳、65歳までなどの年齢表記や5年、10年間などの年数で保障期間が記載されます。
具体的な保障期間のイメージは、以下の通りです。
なお、保険期間(保障期間)が終身の場合は、原則として、契約日から死亡するまで保障が有効となります。
生命保険に加入契約をする際、保険料をどのようにして支払うのかあらかじめ決定しなければなりません。
この時、具体的な保険料の支払方法には、毎月保険料を支払う月払いや年間保険料をまとめて一括で支払う年払いなどがあり、合わせて、死亡するまで保険料を支払う終身払いや一定年齢まで保険料を支払う払い済みなども決定することになります。
生命保険は、性別や年齢が同じで、同じ保険会社で同じ保障内容の保険に加入したとしても、選んだ保険料の支払方法で負担する保険料の金額が変わる特徴があります。
そのため、たとえば、生命保険の見直しによって家計のお金を少しでも節約したい希望があるとするならば、目先の保険料だけではなく支払方法の特徴を知り、長い目で負担することになる総支払保険料を知ることがとても大切になります。
お金の損得を考える上で、多くの方は目に見える目先の部分に捉われている傾向が高い印象を受けます。
しかしながら、生命保険の高い保険料と安い保険料の違いというものは、これから負担することになる目先の保険料だけではなく、将来を通じて、総合的に支払うことになる総支払保険料を比較して考える必要があります。
なお、総支払保険料を比較検討するイメージは、次項の通りです。
ここでは一例として、これから終身保険に加入するものとして、総支払保険料を比較検討するイメージを紹介していきます。
なお、シミュレーションの前提条件は以下の通りです。
月々の保険料を比較しますと、終身払いの方が60歳払済に比べて1ヶ月あたり2,895円(6,405円-3,510円)安いことがわかります。
これは目先の部分に捉われた見方となり、長期的に見た総支払保険料で比較しますと、60歳払済の方が、終身払いよりも95,040円(2,400,840円-2,305,800円)保険料負担が少なく済んでいることがわかります。
ケース・バイ・ケースではありますが、目先の保険料に捉われてしまうことによって、ロスがかえって多くなる危険性があることを知る必要があります。
終身保険のように、解約返戻金や保険差益が絡むような生命保険に加入する場合は、保険料の払込方法を慎重に選ぶことも極めて大切です。
たとえば、前項のシミュレーションを基に解約返戻金と保険差損益の関係を比較すると以下のようになります。
2,499,180円は、シミュレーターで算出された保険料払込期間満了直後の解約返戻金となりますが、保険料の払込方法が異なるだけで雲泥の差があることが分かります。
こちらは参考情報となりますが、仮に、死亡保険金が高い場合、解約返戻金を受け取ることによる保険差益の期待値も大きくなります。
前項では保険金300万円で試算しましたが、以下、保険金1,000万円で試算したものを紹介しておきます。(前提条件は同じとしています)
なお、シミュレーターで算出された保険料払込期間満了直後の解約返戻金は、8,330,600円であり、保険差益は、857,000円です。
払戻率で換算しますと、保険金300万円の場合は108.3%、保険金1,000万円の場合は、111.4%となり、死亡保険金が高いほど、保険差益の期待値も大きくなることがわかります。
生命保険の新規加入や見直しを行う際、いつから生命保険に入るべきなのか、いつ見直しをすればいいのか、そもそも生命保険は、定期よりも終身のものを選ぶべきなのかなど、多くの疑問を抱える場合もあると思います。
これらの疑問について、マニュアル通りの答えというものは残念ながらありませんが、これらの疑問について解決するための考え方を筆者個人の主観となりますが、それぞれ個別に紹介します。
生命保険の仕組上、保険料は年齢が若く、健康状態が正常であれば安く抑えられ、厚みのある保障が備わったものに加入できると筆者は考えています。
そのため、可能であれば、できる限り若い内から生命保険に加入しておきたいものです。
また、若い年齢といった特典を最大限に活かした生命保険に加入する意味では、結婚や子育てといった近い将来ではなく、一生涯という長いスパンで柔軟に有効活用できる生命保険を検討したいものです。
多くの情報サイトを見ますと、生命保険の見直しをする時期として、結婚や出産といった大きなライフイベントがあった時を挙げており、これは生命保険の見直しタイミングとして筆者もおすすめできる時期だと考えています。
これ以外の見直しタイミングとして、筆者は直感で感じた時が良い見直し時期だと考えます。
生命保険の見直しをする場合、何かのきっかけが少なからずあると考えられ、たとえば、今の保険のままで良いのか、何か保険料が高い気がする、メディアや情報サイトを見て何か自分の生命保険はあまり良くないかもしれない、などがわかりやすいと思います。
これらはあくまでも一例ですが、現在加入している生命保険に対して率直な疑問や疑義が生じた時は、ご自身の直感に素直に従って見直しを検討されるのが良いと思っています。
これまでの解説より、生命保険の定期と終身には、保障や保険料の払込方法によって、それぞれ違いのあることがすでに分かっています。
これらの違いや特徴を知った上で、ご自身や家族の将来において思い描いた方向に進むためには、どちらを活用したら良いのか考えると、自ずとどちらを選択したら良いのか決まると思われます。
生命保険は、死亡による残された家族への生活保障や大病による治療費や収入減を補填するなど、種類によって役割が異なります。
ただし、生命保険に加入する上で、お金に余裕を持てる人や余裕のある人であれば、そもそも生命保険に加入する必要がなかったり、一時的なリスク回避として保障が限定的な定期タイプの生命保険でまかなえます。
このような方々は、生命保険で自己の財産を守りながら、他の資産運用でお金を派生させる考え方を持ちたいものです。
将来、お金に余裕が持てそうにない人であれば、加入した生命保険で、いつでも保障が受けられるような体制を取っておく必要があります。
たとえば、終身保険、終身医療保険など、保障が一生涯続くタイプの生命保険を選ぶことで、保険金の支払要件を満たした時に確実にお金が受け取れる強みは大きいと思われます。
お金に余裕のない人ほど、目先の保険料にこだわった定期タイプを選んでいる傾向も多く見受けられますが、このような方々ほど、長期的な生命保険の在り方を考えておく必要があると筆者は強く感じます。
これまで解説をした生命保険の終身と定期の違いについて、ポイントを一覧表にまとめます。
生命保険の種類 | 終身 | 定期 |
---|---|---|
保険料 | 高い | 安い |
保険期間(保障期間) | 一生涯 | 一定年齢や一定年数まで |
保険料払込方法 | 月払いや年払いのほか、終身払いや払済など、ご自身の希望に合わせて選択する | 月払いや年払いの選択は可能だが、保険料の払込期間は、保険期間(保障期間)まで |
ポイント | 保険料は短期的に見ると高いものの、長期的に見ると定期よりも総支払保険料が少なくて済む可能性がある
将来、お金に余裕を持てないと感じている人であれば、確実に保険金が受け取れる終身タイプを優先したい
保険料払込方法で終身払いを選んだ場合、解約返戻金や保険差益を得られないため注意が必要 |
保険料は短期的に見ると安いものの、長期的に見ると終身よりも総支払保険料が多くなってしまう可能性がある
リスク回避策として、一時的に大きな保障を得たい場合は効果的
資産形成としての効果は無いため、解約返戻金や保険差益を得る目的がある場合、定期タイプは不向き |
生命保険は、加入する保険の種類や家計状況をはじめ、将来思い描いているニーズなどを総合的に考慮する必要があるため、一概に終身が良い、定期が良いと言い切ることはできません。
ただし、加入した生命保険によっては、将来に渡って有効活用できるものもあることを踏まえますと、保険料の払込方法をはじめとした保険契約の仕方や選ぶ保険の種類は、慎重に比較検討する必要があります。
特に、死亡や所定の高度障害によって保険金が支払われる終身保険の場合、契約の仕方や選ぶ商品によって、解約返戻金の有無や金額に大きな差が生じるため、時間をかけた比較検討や対策をされるのが望ましいでしょう。
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