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シングルマザーが受けられる手当まとめ!母子家庭を支援する補助制度を解説!

シングルマザーが受けられる手当まとめ!母子家庭を支援する補助制度を解説!

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森本 由紀

森本 由紀

行政書士、AFP(日本FP協会認定)、離婚カウンセラー

行政書士ゆらこ事務所・離婚カウンセリングYurakoOffice代表。法律事務所勤務を経て、2012年に行政書士として独立。メイン業務は協議離婚のサポート。養育費、財産分与など離婚の際のお金の問題や離婚後の生活設計に関するアドバイスなど、離婚する人の悩みを解決するためトータルなサポートを行っています。法人設立や相続に関する業務にも力を入れています。

この記事のポイント

  • シングルマザーがもらえる児童扶養手当は収入が多いと支給停止になる。
  • シングルマザーはひとり親家庭向け医療費助成制度や就学援助が利用できるケースが多いが、具体的な内容は自治体によって異なる。
  • シングルマザーが看護師等の資格取得のために専門学校に通う場合、自治体から給付金がもらえる。
  • シングルマザーは税金などの負担を軽くできることもある。

この記事は約8分で読めます。

経済的に困窮している母子家庭の数は多くなっています。離婚してシングルマザーになるなら、生活に必要なお金をどうやって確保するかを考えておかなければなりません。国や自治体などでは、母子家庭向けの制度など、支援制度や優遇制度が用意されています。

ここでは代表的な手当や補助制度について説明しますので、利用できるものはないかどうかを確認しておきましょう。

 

母子家庭の親や子供が受けられる支援制度について知っておこう

母子家庭の親や子供が受けられる支援制度について知っておこう

母子家庭には様々な支援制度があります。離婚してシングルマザーになるときには、母子家庭向けの支援制度に知っておきましょう。

 

少ない収入で生活していく不安をどうやって解消する?

子供がいる夫婦が離婚するときには、母親が子供を引き取るケースがほとんどです。シングルマザーになったときには、特に収入面での不安が大きいと思います。

結婚や出産を機に仕事を辞めて家庭に入った人は、また一から仕事を探さなければなりません。しかし、幼い子供がいれば長時間働くことも困難ですから、できる仕事は限られてしまいます。

一人では子供を養っていくのに十分な収入が得られないにもかかわらず、別れた夫から養育費を払ってもらえていない人が多いのも現実です。どうやって生活していけばいいのだろうと頭を悩ませてしまうことも多いでしょう。

 

もらえるお金は忘れずに請求しよう

母子家庭が安心して暮らすためには、まず、安定した収入が得られる仕事を見つけることや、養育費を確保することを考えましょう。それに加えて、シングルマザーが受けられる手当などの支援制度について知っておくことも重要です。

母子家庭は手当をもらえるといっても、手当だけで生活できるわけでは決してありません。けれど、生活費の不足分を多少なりとも補ってもらえれば、随分と心強いはずです。

手当などの支援制度は、放っておいても受けられるものではなく、自分で役所などに請求する必要があります。しっかり情報収集し、もらい忘れのないよう請求の手続きをしましょう。

 

シングルマザーが受けられる「児童扶養手当」とは?

シングルマザーが受けられる「児童扶養手当」とは?

児童扶養手当は、18歳になった後最初の3月31日までの児童がいるひとり親家庭に支給される手当です。国で設けられている制度なので、全国どこの自治体に住んでいても受けられます。

 

児童扶養手当を請求する方法

児童扶養手当を受給するには、離婚後に、住んでいる市区町村の役所で申請手続きを行う必要があります。申請時には、戸籍謄本のほか、住んでいる住宅の賃貸借契約書の写しなどを求められることがあります。

申請手続きや必要書類は自治体や家庭の状況によっても変わってくるので、役所に確認してみましょう。申請後、母子で生活している実態の確認のため、民生委員の訪問などがあるケースもあります。

児童扶養手当は、離婚したときからではなく、申請が受理された翌月から支給されます。申請が遅れると、手当が1か月分丸々もらえなくなることもありますから、離婚後すぐに申請手続きをしましょう。離婚届を出す前に申請手続きをすることはできませんが、必要書類については離婚前にあらかじめ確認しておくのがおすすめです。

 

児童扶養手当の支給金額と支給月

児童扶養手当の支給金額は、どの人も同じではありません。その人の所得に応じて支給額の一部または全部が停止になります。

 

所得額とは

児童扶養手当を計算する際の所得とは、次の金額になります。

  • 所得額=年間収入金額-必要経費(給与所得控除額等)+養育費(受け取った金額の8割)-8万円(社会保険料相当額)-諸控除(寡婦控除など)

所得には、シングルマザー本人だけでなく、同居している父母や兄弟姉妹などの所得も含まれます。離婚後実家に帰った場合、親などの所得も加算されますから注意しておきましょう。

 

1か月あたりの支給金額

平成31年4月以降の児童扶養手当の1か月あたりの支給額は、次の表のようになっています。

全部支給 一部支給
児童1人の場合 42,910円 42,900円~10,120円
児童2人目の加算額 10,140円 10,130円~5,070円
児童3人目以降の加算額 6,080円 6,070円~3,040円

たとえば、子供が1人いるけれど勤労収入も養育費もないような場合には、全部支給となり1か月約4万円がもらえます。収入が増えるに従って、支給金額は少なくなり、ある程度の収入があれば支給停止となります

具体的に年収いくらくらいなら児童扶養手当がもらえるのかは、子供の数などの条件によっても変わってくるので一概には言えません。シングルマザーでも年収300万円を超えるくらいになると、もらえないケースが出てきます。

 

支給月

児童扶養手当は、これまで年3回、4か月ごとに支給月が設定されていました。令和元年より支給が2か月ごとに変わり、令和元年11月支給分から次のようになります(支給日は細かくは自治体によって違いますが、だいたい10日頃です)。

支給月 対象月
1月 11月分~12月分
3月 1月分~2月分
5月 3月分~4月分
7月 5月分~6月分
9月 7月分~8月分
11月 9月分~10月分

 

シングルマザーがチェックしておきたいその他の支援・補助制度

シングルマザーがチェックしておきたいその他の支援・補助制度

児童扶養手当以外でも、シングルマザーが受けられる手当が見つかることがあります。自治体によって支援の内容が異なることもありますので、以下を参考に、お住まいの最寄りの役所で確認しておきましょう。

  • 児童手当
  • ひとり親家庭医療費助成制度
  • 就学援助
  • 児童育成手当
  • JR通勤定期の特別割引
  • 住宅手当・家賃補助

 

 

児童手当

中学3年までの子供がいる家庭に支給されるのが児童手当です。児童手当は国により設けられている制度で、市区町村から支給されます。

児童手当はひとり親家庭のみを対象にしたものではありませんが、離婚前には夫が受給者になっていたケースが多いため、離婚後に受給者を変更する必要があります。親権が母親になったら自動的に母親に振り込まれるわけではありませんから注意しておきましょう。

児童手当の支給金額は次のようになっています。

子供の年齢等 手当額(月額)
0歳から3歳未満(3歳の誕生月まで) 15,000円
3歳以上小学校終了まで(第1子・第2子) 10,000円
3歳以上小学校終了まで(第3子以降) 15,000円
中学生(15歳に到達する年度の3月31日まで) 10,000円

 

ひとり親家庭医療費助成制度

ひとり親家庭の通院や入院にかかった医療費について、助成金が支給される制度です。自治体ごとに設けられている制度なので、助成の内容は自治体によって異なっていますが、通院1回あたりの自己負担額が500円程度になるのが一般的です。

なお、ひとり親でなくても、子供の医療費には元々助成金がある自治体もあります。ひとり親家庭医療費助成制度があれば、子供の医療費だけでなく親の医療費も対象になりますから、親にとってもメリットがあります。

 

就学援助

小学生・中学生のいる低所得の家庭に対し、学校でかかる費用の一部を支給してくれる制度で、自治体ごとに設けられています。ひとり親家庭のみを対象とした制度ではありませんが、ひとり親家庭の場合には収入基準が緩くなっていたり、児童扶養手当を受給していれば対象になったりすることが多くなっています

 

児童育成手当

児童育成手当は、東京都独自の制度です。高校生(※18歳に達する日の属する年度末)までの子供がいるひとり親家庭に、子供1人につき1万3,500円が支給されます。

 

JR通勤定期の特別割引

児童扶養手当を受けている家庭のシングルマザーや子供がJRを利用して通勤する場合、通勤定期乗車券を3割引で購入できる優遇制度があります。JRを利用して通勤しているけれど勤務先で交通費が支給されない場合には、忘れずに活用しましょう。

 

住宅手当・家賃補助

自治体によっては、ひとり親家庭向けに住居費の支援を行っていることがあります。

たとえば、東京都武蔵野市の「ひとり親家庭等住宅費助成制度」では月額1万円が、千葉県浦安市の「ひとり親家庭住宅手当」では月額1万5,000円が支給されます

 

自立するために学びたいシングルマザーの支援制度もある!

自立するために学びたいシングルマザーの支援制度もある!

厚生労働省では、シングルマザーなどひとり親家庭の親の自立のため、「ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金」「ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金」「ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業」などの職業能力開発支援事業を行っています。

自治体によっては制度が導入されていないこともありますが、自分が学びたい分野の支援制度があるなら、ぜひ利用を検討しましょう(※給付金の額は、自治体によってさらに加算されていることもあります)。

 

 

ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金

通信教育や専門学校を利用して指定講座(医療事務、パソコン資格、簿記資格、ホームヘルパーなど)を受講した場合に、受講費用の60%相当が支給される制度です。

雇用保険制度には、指定講座の受講費用の20%相当が支給される教育訓練給付金制度もあり、こちらはひとり親家庭かどうかは関係なく利用できます。ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金は、教育訓練給付金制度の対象にならない人も対象になり、優遇も大きくなっています。

 

ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金等

主に医療・介護系の資格取得のために1年以上学校に行く場合に、給付金が支給される制度です。対象となる資格は都道府県によって多少異なりますが、看護師、介護福祉士、保育士、歯科衛生士、理学療法士、保健師、助産師などになります。

給付金には、次の2種類があります。

 

高等職業訓練促進給付金

看護師等の資格を取るために学校に通うとなると、その間は収入が途絶えてしまうこともあります。勉強している期間中の生活の安定のために、学校に通っている期間中(上限4年)は、次の金額が支給されます。

課税の有無 通常の月額 最終学年時の月額
市町村民税非課税世帯 100,000円 140,000円
市町村民税課税世帯 70,500円 110,500円

 

高等職業訓練修了支援給付金

学校での勉強を修了したときに支給される給付金(一時金)です。

課税の有無 支給額
市町村民税非課税世帯 50,000円
市町村民税課税世帯 25,000円

 

ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業

シングルマザーが高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)に合格するための講座を修了したとき及び合格したときに、講座受講費用の一部が支給されるものです。ひとり親家庭の子供(25歳未満)も対象となります

給付金の額は、次のとおりです。

給付金の種類 支援金額
受講修了時給付金 受講費用の2割(上限10万円)
合格時給付金 受講費用の4割(受講修了時給付金と合わせて上限15万円

 

税金等の負担が軽減される制度もある

税金等の負担が軽減される制度もある

母子家庭になったら、税金等を軽減してもらえる可能性もあります。負担を軽くできないかどうかチェックしておきましょう。

 

寡婦控除

寡婦控除は所得控除の一種で、離婚や死別などで夫がいなくなった人が受けられるものです。所得から控除額を差し引くことができるので、その分税金の負担が軽くなります。通常の寡婦と特定の寡婦(特別寡婦)の2種類がありますが、シングルマザーは特別寡婦に該当し、控除額は35万円となります

寡婦控除を受けるには、「勤務先で年末調整をする際に提出する扶養控除等(異動)申告書」の「特別の寡婦」のところにチェックを入れます。フリーランスなどで確定申告する人は、確定申告書の「寡婦、寡夫控除」欄に35万円の控除額を記入します。

 

国民年金保険料の免除制度

勤務先の社会保険に加入できない場合には、国民年金に加入する必要があります。国民年金の保険料は1万6,410円(令和元年度)ですが、収入が少なく支払いが困難な場合には免除申請ができます。免除申請をした場合には、前年度の所得額によって全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の決定が出ます。

国民年金保険料の免除を受けると、将来受け取る年金額が減ってしまうというデメリットがあります。10年以内であれば追納できるので、余裕ができたら追納することも考えておきましょう。

 

シングルマザー向けの手当てに関するまとめ

シングルマザー向けの手当や支援制度は、ここに書いたもの以外もあります。ひとり親家庭向けの冊子を配布している自治体が多いので、離婚するときに入手しておくと参考になるでしょう。

シングルマザー向けの手当などは、勤労収入や養育費だけでは生活費が足りない場合に、最低限の補てんをしてくれるものです。離婚するときには手当をあてにするのではなく、働いて自立することを考えると同時に、夫と養育費について話し合い取り決めしておくことを忘れないようにしましょう。

 

離婚問題で困ったら専門家に相談することが大切

親権や養育費・慰謝料など、離婚問題でお悩みの場合は法律のプロに相談することをおすすめします。でも、どうやって法律のプロを探せばよいのか戸惑う方も多いはず。。

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