マネタス

離婚にまつわるお金事情とは?もらえるお金&かかるお金をFPがわかりやすく解説

離婚にまつわるお金事情とは?もらえるお金&かかるお金をFPがわかりやすく解説

カテゴリー:

著者名

森本 由紀

森本 由紀

行政書士、AFP(日本FP協会認定)、離婚カウンセラー

行政書士ゆらこ事務所・離婚カウンセリングYurakoOffice代表。法律事務所勤務を経て、2012年に行政書士として独立。メイン業務は協議離婚のサポート。養育費、財産分与など離婚の際のお金の問題や離婚後の生活設計に関するアドバイスなど、離婚する人の悩みを解決するためトータルなサポートを行っています。法人設立や相続に関する業務にも力を入れています。

この記事のポイント

  • 離婚の際には夫婦の財産の半分と場合によっては慰謝料をもらえる。
  • 引っ越し費用など新生活の準備のお金も必要。
  • 離婚相談の費用や手続き費用も考慮しておく。
  • 離婚後にもらえる養育費や手当の確保を忘れずに。

この記事は約8分で読めます。

離婚する前と離婚する後とでは、お金の事情が変わってきます。離婚するときに夫婦で話し合うことも、お金のことがメインになるはずです。

今回は、離婚時にもらえるお金やかかるお金についてまとめています。もらえるお金を増やしたり、かかるお金を減らしたりするポイントについても説明していますので参考にしてください。

 

離婚するときに相手からもらえるお金は?

離婚するときに相手からもらえるお金は?

離婚するときには、財産分与や慰謝料など、相手に請求できるお金があります。

 

財産分与では妻も半分をもらえる

離婚するときには、夫婦が婚姻中に築いた財産を分けることになります。財産分与の割合は、原則として夫も妻も2分の1ずつです。たとえば、結婚してから夫名義で貯金していた場合でも、その半分を妻は分けてもらうことができます。

財産分与の割合については、以下の記事をご参照ください。

 

将来の退職金も分けてもらえる

退職金というのは、その職場に勤務していた期間の給料の一部が退職時にまとめて支払われるものと考えられています。

夫が将来受け取る退職金には婚姻期間中の給料分が含まれているので、妻にはそのうちの2分の1を分けてもらう権利があります。夫がもらう退職金の半分をもらえるというわけではなく、婚姻期間に相当する部分の2分の1です。

わかりやすくするために簡略化した例になりますが、

  • 勤務期間が25~65歳の40年間
  • 婚姻期間が35歳~55歳の20年間
  • 夫が定年退職時に1,000万円の退職金をもらう

というケースで考えてみましょう。

将来の退職金も分けてもらえる

この例では、会社に勤務していた40年のうち20年が婚姻期間です。この場合には、退職金の20/40=1/2、すなわち1,000万円の1/2である500万円が婚姻中に夫婦が築いた財産ということになり、財産分与の対象になります。

妻は夫に対し、将来の退職金の財産分与として、500万円の1/2である250万円を請求できます。なお、退職までにかなりの期間がある場合には、将来の退職金の分与を請求できないことがあります。大まかな目安として、退職まで10年以内なら請求可能と考えてかまいません。 

 

慰謝料をもらえるケースとは?

離婚時に慰謝料の受け渡しをするのは、原則として一方が法律上の原因を作って離婚に至ったケースになります。

 

浮気で離婚したら慰謝料請求できる

離婚で実際に慰謝料が払われているケースのほとんどは、不貞行為があったケースです。たとえば、夫の浮気を理由に離婚に至った場合には、妻は夫に慰謝料を請求できます。

 

理由なく一方的に離婚を要求された場合にも慰謝料請求できる?

離婚原因がないのに、一方的に離婚を要求されることもあると思います。このような場合には、慰謝料について考える以前に離婚に応じる必要がありません。

実際には、相手の離婚要求に応じざるを得ないようなケースもあると思います。話し合いで協議離婚する場合には、相手に浮気などの離婚原因がない場合でも、婚姻を一方的に破棄されたことについて慰謝料を払ってもらう形で解決するケースが多くなっています。

 

慰謝料の相場は?

慰謝料の金額は一概には言えませんが、離婚慰謝料の相場は200~300万円です。協議離婚の場合には、お互いが納得していればいくらに決めてもかまいません。相場を参考に200万円程度で合意している人が多くなっています。

ただし、慰謝料として一般的な感覚から考えて高すぎる場合、贈与税が課税されてしまうリスクもあります。慰謝料の金額について迷っている場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。

離婚慰謝料については、以下の記事もご参照ください。

 

年金分割はどうなる?

年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金保険料納付記録を離婚時に夫婦で分ける制度です。夫の方の収入が多い場合には、年金分割をすることで妻の年金が増えるケースが多くなります。

たとえば、婚姻期間中専業主婦だった妻は厚生年金保険料を納めていないので、将来の年金が少なくなってしまいます。保険料納付記録を分割してもらうことで、年金受取額を増やすことができます。

年金分割の手続きをした場合には、将来の年金受取額が増えることになり、離婚時点でお金がもらえるわけではありません。

年金分割については、以下の記事もご参照ください。

 

新生活の準備にかかる費用

新生活の準備にかかる費用

離婚後の新生活の準備費用についても考慮しておきましょう。

 

 

賃貸住宅には初期費用がかかる

離婚後、今の家に住み続ける人や実家に帰る人以外では、賃貸住宅を借りる人が多いと思います。賃貸住宅の契約をするときには、まとまった費用がかかります。

 

初期費用とはどんなもの?相場は?

契約時に必要になるのは、家主さんに支払う敷金・礼金や前払い家賃、不動産会社に支払う仲介手数料、家賃保証を利用する場合の保証料などです。地域によっても変わってきますが、これらを合わせると30~50万円程度になることが多くなっています。

 

引っ越し費用はどれくらい必要?

よほど荷物が少ない場合を除き、引っ越しをするときには引っ越し業者に頼むことになるでしょう。引っ越し業者の費用は荷物の量によっても変わってきますし、業者や時期によってもばらつきがありますが、一般には5~10万円程度です。

 

離婚手続きにかかる費用

離婚手続きにかかる費用

離婚の際には様々な手続きが必要になり、費用がかかるものもあります。

 

専門家への相談費用

離婚について役所などの無料相談を利用して相談する方法もありますが、無料相談で教えてもらえることは限られています。

弁護士や離婚カウンセラーに相談すれば、個別の事情を汲み取った上での具体的なアドバイスを受けられます。離婚にまつわるお金のことについては、FPに相談することも可能です。

専門家に相談する場合には、30分5,000円程度の相談料がかかります。初回30分程度は無料になることもあるので問い合わせてみましょう。

 

離婚協議書・公正証書作成費用

離婚届を提出するだけで成立する協議離婚では、夫婦間で取り決めした内容が書面に残りません。将来のトラブルを防止するためには、取り決めした内容を離婚協議書として書面にしておくことが重要です。

なお、離婚協議書を公正証書にしておけば証拠としての効力が強くなり、お金の支払いに関しては強制執行も可能になります。公正証書を作成するためには、公証役場での手続きが必要です。

離婚協議書を自分で作成すれば費用はかかりませんが、公正証書にすれば公証役場での公正証書作成費用として5~10万円程度がかかります。離婚協議書・公正証書作成を弁護士や行政書士に依頼した場合には、別途3~10万円程度の報酬を払う必要があります。

離婚協議書については、以下の記事もご参照ください。

 

離婚調停にかかる費用

夫婦間の話し合いで協議離婚するのが難しい場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。この場合には、申立手数料として1,200円1,000円程度の郵便切手代がかかります。

離婚調停は自分ですることもできますが、弁護士に依頼することも可能です。弁護士に頼む場合には、報酬として40~60万円程度がかかります。

離婚調停については、以下の記事もご参照ください。

 

家の名義変更の登記費用

離婚の際の財産分与で家の名義を変える場合には、法務局で登記手続きをするために、登録免許税と司法書士報酬が必要になります。

財産分与の登録免許税は、物件の固定資産評価額の2%です。たとえば、固定資産評価額が1,000万円の家の名義を変えるときには、20万円の登録免許税がかかることになります。

司法書士報酬は依頼する司法書士によって変わりますが、相場としては5~6万円です。

 

離婚後にもらえるお金

離婚後にもらえるお金

離婚後の生活設計を考えるために、離婚後にもらえるお金についても把握しておきましょう。

 

 

夫からもらえる養育費

子供がいる場合には、離婚した後に別れた夫から養育費をもらうことになります。養育費の金額は離婚時に夫婦間で取り決めしておくべきですが、取り決めしていない場合でも請求は可能です。

 

養育費の相場は?

養育費については、裁判所で用意されている算定表を参考に、必要な分をしっかり請求するようにしましょう。

養育費算定表(令和元年版)

養育費については、以下の記事もご参照ください。

 

子供がいる場合にもらえる公的な手当

子供がいる場合には、次のような公的な手当を受給できることがあります。

 

児童手当

中学3年までの子供がいる家庭に支給される手当で、金額は子供1人につき月額1万円または1万5,000円(※年齢等によって変わる)です。所得制限は高めに設定されているので、離婚後はほとんどの人が受給できます。

離婚前に夫が受給していた場合、離婚後妻が子供を引き取るなら妻に受給者を変更する手続きが必要です。

 

児童扶養手当

高校3年(18歳)までの子供がいるひとり親家庭に支給される手当で、前年度の所得によって支給額が変わります。所得が多い場合には、支給の対象にならないこともあります。

 

児童育成手当

東京都独自の制度で、高校3年(18歳)までの子供がいるひとり親家庭に、子供1人につき月額1万3,500円が支給されます。所得制限はありますが、児童扶養手当よりも高く設定されています。

離婚後のシングルマザーがもらえる手当については、以下の記事もご参照ください。

 

離婚後の生活費が必要な場合には?

離婚後、元夫には子供の生活費として養育費を請求できますが、自分の生活費は請求できません。

ただし、小さい子供がいる・病気であるなど、離婚後すぐに働けないような事情がある場合には、離婚後も当面の間の生活費を払ってもらう取り決めもできます。これは扶養的財産分与と呼ばれる方法です。扶養的財産分与として生活費を払ってもらえるのは、離婚後3年程度です。

離婚前・離婚後の生活費については、以下の記事もご参照ください。

 

離婚でもらえるお金を増やし、かかる費用を抑えるポイント

離婚でもらえるお金を増やし、かかる費用を抑えるポイント

離婚するときには、もらえるお金をできるだけ増やし、かかる費用を抑えたいと思うはずです。離婚の際のお金のことで気を付けておきたい点はどんなことでしょうか?

 

離婚でもらえるお金を増やすには?

離婚に関してもらえるお金には、離婚した相手からもらうお金と、手当として行政から支給されるお金があります。

 

相手からもらえるお金を増やす方法

まずは自分がどれだけのお金をもらえる権利があるのかを把握し、相手としっかり話し合うことが大切です。話し合いが難しい場合には、離婚調停を申し立てれば家庭裁判所で調整を行ってもらえます。

 

手当をもらう手続きは速やかに

手当については手続きを忘れないようにしましょう。手続きが遅れると手当の支給開始も遅れてしまい、その分もらえるお金が少なくなってしまいます。

 

養育費は保証制度も活用

離婚後の養育費の支払いを確保するために、最近注目されているのが養育費保証制度です。これは、取り決めした養育費が支払われなかった場合に保証会社が立て替えてくれるというもので、相手への督促や差押え手続きも保証会社の方に任せられます。

養育費保証を利用するには保証料が必要になりますが、養育費保証の保証料について補助金が出る自治体もあります(2020年2月現在、兵庫県明石市、大阪府大阪市、滋賀県湖南市。東京都及び大阪府全域でも開始予定)。

 

離婚でかかる費用を抑えるには?

離婚でお金がかかるのは、住居費や専門家の費用がメインになります。

 

住居費は公営住宅や家賃補助を活用して節約

住居費を抑えるためには、市営住宅や県営住宅などの公営住宅を利用するのがおすすめです。また、ひとり親家庭向けの家賃補助や住宅手当がある地域もあるので、こうした制度が利用できる地域に住む方法もあります。

 

弁護士費用が不安な場合には?

離婚について相手と争っているけれど弁護士を付けるお金がない場合、自分で離婚調停を申し立てれば費用をほとんどかけることなく、家庭裁判所で解決できます。弁護士が必要な場合には、法テラス(日本司法支援センター)の無料相談や費用立て替え制度を利用すると良いでしょう。

 

公正証書作成の補助金がある自治体も

養育費支払いに関する公正証書作成については、補助金が出る自治体もあります(2020年2月現在では、大阪府大阪市、滋賀県湖南市)。一時的に費用がかかっても公正証書を作成しておいた方が、養育費を確保できる可能性が高くなるのでよく検討しましょう。

 

離婚にまつわるお金に関するまとめ

離婚を考えたときには、どれくらいのお金をもらえるのか、かかる費用はどれくらいなのかを見積もっておきましょう。

子供のいる女性の場合は特に、離婚後の生活設計をしっかりしておくことが重要です。焦って離婚をするのではなく、離婚後の自分の収入や養育費の目途を立ててから離婚するようにしましょう。

 

離婚問題で困ったら専門家に相談することが大切

親権や養育費・慰謝料など、離婚問題でお悩みの場合は法律のプロに相談することをおすすめします。でも、どうやって法律のプロを探せばよいのか戸惑う方も多いはず。。

日本法規情報では、日本全国3000人以上の専門家の中からあなたの要望に沿った専門家を案内することが可能です。もちろん、相談窓口や専門家案内は無料なので、まずはお気軽に相談することをおすすめします。

離婚の無料相談窓口はこちら

 

離婚に関する以下記事もおすすめ☆