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シングルマザーの生活費は1ヶ月にどのくらい?離婚後の母子家庭に必要なお金をFPが解説!

シングルマザーの生活費は1ヶ月にどのくらい?離婚後の母子家庭に必要なお金をFPが解説!

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森本 由紀

森本 由紀

行政書士、AFP(日本FP協会認定)、離婚カウンセラー

行政書士ゆらこ事務所・離婚カウンセリングYurakoOffice代表。法律事務所勤務を経て、2012年に行政書士として独立。メイン業務は協議離婚のサポート。養育費、財産分与など離婚の際のお金の問題や離婚後の生活設計に関するアドバイスなど、離婚する人の悩みを解決するためトータルなサポートを行っています。法人設立や相続に関する業務にも力を入れています。

この記事のポイント

  • シングルマザーは少なくとも月20万円程度は生活費が必要。
  • シングルマザーの平均年収は養育費と手当を合わせても243万円。
  • シングルマザーが収入を増やすためには正規雇用と養育費の確保がポイント。

離婚によってシングルマザーになる女性は、経済的な面がいちばん気になるのではないでしょうか?自分の収入だけで子供と無事生活していけるのか、考えれば考えるほど不安になるものです。

本記事では、シングルマザーの生活費がどれくらいなのかについて説明します。離婚するときには、必要な生活費を見積もり、生活費を確保する手段を考えておきましょう。

 

シングルマザーの生活費:離婚したら自分と子供でどれくらい生活費がかかる?

離婚したら自分と子供でどれくらい生活費がかかる?

離婚すると家族構成が変わるので、毎月かかる生活費も変わってきます。シングルマザーになる前に、自分と子供の生活でどれくらいのお金がかかるのかを計算しておきましょう。

 

母子家庭で1か月に必要なお金の内訳

母子家庭でかかる生活費について、何がどれくらいかかるのかを費目別に見てみます。

  • 住居費
  • 光熱費
  • 食費
  • 日用品費・雑費
  • 教育費
  • 通信費
  • その他

 

住居費

離婚後、実家に帰るようなケースを除き、住居費が発生します。シングルマザーの中には住宅ローンを払う人もいますが、賃貸住宅を借りて家賃を払うケースが大部分でしょう。

家賃は、住む地域や間取りによってかなり幅がありますが、平均的で5~8万円程度といったところです。公営住宅(市営住宅・県営住宅など)に入ると、2~3万円で抑えられることもあります。

なお、自治体によっては、母子世帯向けの家賃補助制度が設けられているところもあります。

家賃補助などシングルマザーが受けられる補助制度については、以下の記事をご参照ください。

 

光熱費

光熱費は地域や住宅事情によっても変わりますが、季節によっても変動があります。平均すると、電気、ガス、水道合わせて月1万5000円~2万円程度はかかるでしょう。

 

食費

食費は、子供の人数や年齢によって差が出ます。幼い子供1人なら月3万円程度でも何とかなるかもしれませんが、育ち盛りの子供2人いれば月4~5万程度にはなります。

 

日用品費・雑費

洗剤やトイレットペーパーなどの消耗品のほか、日常生活に必要な雑貨類も買わなければなりません。日用品費や雑費で月5000円~1万円程度はかかります。

 

教育費

給食費や授業料など学校に払う費用、習い事や塾費用などがかかります。公立の小・中学校の場合、自治体の就学援助が利用できるケースが多く、学校に払う費用は軽減されます。

高校受験のために塾に通わせるとなると、塾費用として月1~2万円以上はかかるでしょう。高校、大学と進学すると、さらに負担が大きくなります。

 

通信費

固定電話やインターネット、携帯電話、NHKなどの料金も払わなければなりません。今は子供も携帯を持っているので、トータルすれば1万5000円~2万円くらいにはなります。

 

その他

被服費、美容院代、化粧品代、レジャー費などにも、全くお金をかけないわけにはいかないでしょう。医療費については自治体の医療費助成制度があるため、それほどかかりません。

パートやアルバイト、フリーランスなどで社会保険に加入できない人は、自分で国民健康保険料・国民年金保険料を払わなければならないので、その分の負担が大きくなります。

 

母子家庭で1か月にかかる金額の合計

母子家庭で1か月に必要な生活費は、少なく見積もった場合には12~13万円くらいです。しかし、最初は少なめの生活費で何とかなっても、子供の年齢が上がるにつれてかかる金額は大きくなってきます。そのほかに想定外の出費が発生することもあるでしょう。

急に何かあったときのために、最低限の貯蓄もしておかなければなりません。将来かかる進学費用なども貯金して準備しておいた方が安心です。貯金に回す額も考慮すると、生活費として少なくとも月20万程度は確保する必要があります。

シングルマザーが必要な貯金額、収入については、以下の記事をご参照ください。

 

母子家庭のシングルマザーの平均的な収入はどれくらい?

シングルマザーも生活費として毎月20万円程度は必要なことがわかりました。では、シングルマザーの収入は、実際にはどの程度なのでしょうか?厚生労働省が行った調査結果を見てみましょう。

 

シングルマザーの平均年収は243万円

厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、ひとり親世帯のうち母子世帯の平均年間収入は243万円となっています。なお、ここでいう年間収入には、養育費、児童扶養手当、生活保護費、親からの仕送りなども含まれます

シングルマザーの平均年収は243万円

 

シングルマザー自身の労働による年収は平均200万円

母子世帯の母の平均年間就労収入は200万円となっています。ちなみに、父子世帯の父の平均年間就労収入は398万円なので、シングルマザーが働いて得られる年収はシングルファーザーのほぼ半分ということです。

 

シングルマザーの約半数は非正規雇用

働いているシングルマザーのうち、正規の職員・従業員である人は44.2%、自営業の人は3.4%、パート・アルバイト等の人は43.8%です。約半数は非正規雇用と考えられるので、年収が少ないのもやむを得ないと言えます。

 

実家暮らしでも「児童のいる世帯」の年収の約半分

同居親族の収入を含めたシングルマザーの平均年間収入は348万円となっています。同居親族がいるシングルマザーのほとんどは、実家暮らしと考えられます。

ちなみに、厚生労働省の「平成28年度国民生活基礎調査」によると、児童のいる世帯の平均年間所得は707.6万円です。実家暮らしのシングルマザーでも、子供のいる標準的な世帯の約半分の年収しかないことがわかります。

 

シングルマザーの月収の内訳

上記の調査結果から、シングルマザーの月収は約20万円、うち働いて得られる収入は約16万円と考えられます。シングルマザーの標準的な月収の内訳は、給料が16万円程度、養育費や手当が4万円程度ということです。

養育費をもらっていても、生活していくにはギリギリの収入です。養育費が途絶えるようなことがあれば、直ちに生活が困窮することにもなってしまうでしょう。

シングルマザーの貧困は社会問題にもなっています。離婚する前に、生活費を確保する手段については十分考えておきましょう。

シングルマザーの貧困問題については、以下の記事をご参照ください。

 

シングルマザーが毎月の収入を増やすにはどうすればいい?

シングルマザーが毎月の収入を増やすにはどうすればいい?

日本の多くのシングルマザーの収入は、必要な生活費を賄うにはギリギリの金額です。まずは、収入を増やす手段を考えましょう。

 

 

養育費の取り決めをして確実に受け取れるようにする

シングルマザーは、離婚しても元夫に養育費を請求できます。養育費をもらえば毎月の収入を増やせます。

「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、養育費を「現在も受けている」と答えたシングルマザーは24.3%となっており、4人に1人しか養育費を受け取っていません

養育費は離婚時に取り決めしていなくても請求できます。家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てることも可能なので、あきらめないで請求しましょう。

 

勤労収入を増やす

自分で働いて得られる収入を増やすことも大事です。パートやアルバイトの場合には、正規雇用で働けないかを考えてみましょう。

 

手取りが減っても正社員の方がいい?

「社会保険料などで手取りが減るよりも、バイトをかけもちした方がいい」という人もいますが、正規雇用なら急に解雇になるようなリスクもなく、長く安定して働けます。

また、社会保険に加入できれば、病気やケガで長期間仕事を休んでも傷病手当金が出ます。こうした制度があることが、1人で子供を育てるシングルマザーにとって大きな安心感になります。

 

収入が増えて手当をもらえなくなったら困る?

年収が増えると児童扶養手当の金額は減ってしまい、ゼロになることもあります。ですが、手当をもらうために収入調整をするのはあまりおすすめではありません。

児童扶養手当は子供が18歳までしかもらえないので、いずれはなくなります。手当が出なくなってから給料の良い仕事を探そうとしても、年齢的に難しくなってしまうことがあります。手当に頼らなくてもすむよう、早いうちに自分で稼げる手段を確保しておきましょう。

 

シングルマザーが生活費を上手にやりくりするコツは?

シングルマザーが生活費を上手にやりくりするコツは?

収入を増やしながら生活費を節約することで、生活に余裕が生まれます。シングルマザーが生活費をやりくりするコツをご紹介します。

 

献立はシンプルに

かかる生活費を抑えるために、節約を心がけることが大切です。生活費の中で節約しやすいのが食費ですが、食費を節約するポイントは安い食材ばかりを買うことではなく、献立をシンプルにすることです。毎日の献立をごはんとお味噌汁を基本に考えましょう。

ごはんは、まとめて炊いてから小分けして冷凍庫に保存しておくと便利です。ごはんの友として漬物や常備菜も用意しておきましょう。お味噌汁に旬の野菜を使えば、食材費も安く抑えられ、バランスのとれた食事ができます。もう一品おかずを用意するなら、焼くだけの魚やお惣菜を活用すれば手間もかかりません。

 

家計簿をつけてお金を管理

お金の不安のほとんどは、お金が足りないのではなく、お金の管理ができていないことから生じます。今月いくら入ってきていくら出て行くのか、今手元にいくらあるのか、こうしたことが常に目に見える形になっていれば、上手にやりくりして乗り切ることができます。

お金の管理をきちんとするためには、家計簿をつけることが必須です。家計簿アプリを利用すれば、面倒な計算も不要で手軽に家計簿がつけられます。自分の使いやすいものを探して試してみましょう。

 

母子家庭のシングルマザーに必要な生活費に関するまとめ

シングルマザーになるなら、生活費を確保するために自分で働いて安定した収入を得ることを目指しましょう。元夫と養育費の取り決めをしておくことも大事です。

生活費については、平均的な金額を基準に考えるのではなく、自分の家庭でどれだけ必要なのかを基準にするべきです。支出を正確に把握するためにも家計簿をつけるようにしましょう。

 

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