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離婚したいのにできない!相手が応じないケースへの対処法をFPが解説

離婚したいのにできない!相手が応じないケースへの対処法をFPが解説

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森本 由紀

森本 由紀

行政書士、AFP(日本FP協会認定)、離婚カウンセラー

行政書士ゆらこ事務所・離婚カウンセリングYurakoOffice代表。法律事務所勤務を経て、2012年に行政書士として独立。メイン業務は協議離婚のサポート。養育費、財産分与など離婚の際のお金の問題や離婚後の生活設計に関するアドバイスなど、離婚する人の悩みを解決するためトータルなサポートを行っています。法人設立や相続に関する業務にも力を入れています。

この記事のポイント

  • 相手の意思に反して一方的に離婚するには正当な理由(離婚原因)が必要。
  • 相手が離婚に応じない場合にも話し合いを重ねてみる。
  • 話し合いが無理な場合には、弁護士に頼むか調停を申し立てる。
  • 離婚を焦らないなら別居から始めるのがおすすめ。

この記事は約8分で読めます。

自分は離婚を望んでいるのに、夫・妻が応じてくれないケースは多いと思います。今回は、相手が離婚に応じてくれない場合に、どのように対処すべきかを解説します。離婚を進める前提として意識しておくべき離婚原因についても説明しますので、理解しておいてください。

 

「離婚したい!」と思ったとき、すぐにできるとは限らない

「離婚したい!」と思ったとき、すぐにできるとは限らない

婚姻を解消する方法は、話し合って協議離婚をするか、裁判で離婚を認めてもらうかのどちらかです。裁判を起こすときには、一定の要件が求められることも知っておきましょう。

 

協議離婚なら話し合いだけでOK

協議離婚とは、夫と妻とで話し合って婚姻解消を決める方法です。夫と妻の意思が一致すれば、離婚届を出すだけで婚姻を解消できます。離婚届は夫も妻も納得して署名捺印することで有効になる書面です。話し合っても意見が分かれてしまえば、協議離婚はできません。

結婚するときにはお互いの「結婚する」という気持ちが一致したからこそ、結婚が成立します。同様に、お互いの「離婚する」という意思が合致しなければ、すぐには離婚できない仕組みになっています。

 

日本は協議離婚がほとんど

海外には裁判によらないと婚姻を解消できない国もありますが、日本では当事者である夫と妻だけで離婚を決められます。

日本人は元々、裁判所でトラブルを解決するということにあまりなじみがありません。婚姻解消時にも手っ取り早く離婚届を出す方法を選ぶ人が大半で、離婚全体の約9割が協議離婚です。

日本は協議離婚がほとんど

 

協議が無理なら裁判所で解決

夫と妻で話をしてもまとまらないなら、裁判所で解決する方法を選ぶことができます。

家族の問題については、調停前置主義というルールがあり、最初に調停を申し立てる必要があります。調停が不成立になった場合にのみ離婚を請求する裁判を起こすことができます。

 

裁判では正当な理由が求められる

「離婚させてください」と裁判所に訴えたところで、必ず認められるとは限りません。裁判で離婚判決を得るには、正当な理由があることが条件になります。

離婚というのは夫と妻が合意すればすぐにできますが、両者が合意できない場合には決して簡単ではないのです。

 

離婚できる条件とは?

離婚したいと思ったときには、

  • 話し合いで相手に納得してもらう
  • 正当な理由がある

のどちらかの条件をクリアしなければなりません。

話し合っても相手に応じてもらえない上に正当な理由もなければ、離婚するのは困難であることを認識しておきましょう。

 

離婚するための正当な理由とは?

離婚するための正当な理由とは?

自分の一方的な要望で婚姻関係を解消するには、正当な理由が必要ということがおわかりいただけたでしょう。以下、正当な理由とはどのようなことなのかを見ていきます。

 

裁判で離婚できる5つの理由

民法では、夫婦の一方が離婚の裁判を起こすことができる場合として次の5つを定めており、これを法定離婚原因と言います(民法770条1項1~5号)。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき。
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

離婚裁判を起こせるということは、正当な理由になるということです。不倫や長期間の行方不明、強度の精神病などは、法定離婚原因です。

 

悪意の遺棄とは?

生活費を渡さない、別居を強行するなど、夫婦として協力する義務を果たさないことです。

 

婚姻を継続し難い重大な事由とは?

1~4号と同じくらい重大な事由があり、結婚生活に支障をきたしている場合です。暴力、暴言、性的不調和、借金、4号に該当する以外の病気などが考えられます。

「婚姻を継続し難い重大な事由」かどうかを判断するときには、そのことが原因で実質的に婚姻関係が破綻しているかどうかが重要です。借金があろうと病気であろうと、当事者がそれでもかまわないと思っていれば、離婚の理由にはなりません。

 

性格の不一致で離婚できる?

性格の不一致は、直接の離婚原因ではありません。話が合わない、一緒にいても楽しくない、些細なことでケンカになるといった理由では、離婚は認められないのが通常です。

ただし、性格の不一致が原因で結婚生活を継続していくことが現実に困難になっているなら、5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」になり、離婚できる可能性があります。

離婚原因については、以下の記事もご参照ください。

 

理由がなくても離婚できる可能性はある

相手と話をしても応じてくれないときには、裁判を起こして「離婚を認める」という判決を得なければ離婚できません。裁判するには法律で定められた理由が必要です。結局、離婚原因がないと、一方的に離婚はできないことになります。

しかし、離婚原因がない場合でも今すぐやれることはあります。以下、相手が応じてくれないときにとるべき対応を説明していきます。

 

相手が応じないケースの対処法①話し合いで理解を得る

相手が応じないケースの対処法①話し合いで理解を得る

夫や妻が離婚に同意してくれない場合には、簡単にあきらめずに何度も話し合ってみましょう。

 

 

繰り返し話し合ってみる

浮気など一方に責任がある場合でも、裁判を通じて離婚しないといけないわけではありません。お互いが話し合って納得すれば、協議離婚が可能です。あきらめずに協議を重ね、解決を目指しましょう。

 

親族や友人に協力してもらう方法も

自分で話をしてもわかってもらえないときには、親やきょうだい、友人などに立ち会ってもらうやり方もあります。狭い家の中で夫婦だけで話をしても、なかなか冷静になれないものです。誰かに協力してもらえないか考えてみましょう。

 

相手に責任がある場合の協議の進め方

相手に責任がある場合には、離婚の同意を得られなくても、裁判所で離婚が可能です。ですが、裁判所での手続きにはどうしても時間がかかってしまいます。調停だけで半年から1年程度、その後の裁判でさらに1~2年かかるのが通常です。

 

調停や裁判も辞さない覚悟を伝える

調停や裁判をすると、これまでのことを裁判所で洗いざらい話さなければなりません。時間を要する上に、過去の問題を蒸し返し、お互いが嫌な思いをすることにもなるでしょう。

裁判は相手にとってもデメリットになります。「応じてくれないなら裁判をするつもりだ」という意思を相手に伝えることにより、理解してもらえる可能性があります。

 

相手に責任がない場合の協議の進め方

相手に離婚原因がない場合、裁判しても離婚はできません。このようなケースでは、結婚生活を一方的に破棄する代償として金銭を払う方法があります。

 

離婚自体の慰謝料を払う

一方的に離婚されることによって、相手には精神的苦痛が生じます。精神的苦痛に対して慰謝料を払うことにより、応じてもらえる可能性もあります。

 

扶養的財産分与の取り決めをする

収入の多い夫が専業主婦の妻との離婚を希望しているようなケースでは、妻がすぐに自立するのが難しいので、離婚に応じてもらえないことがあります。このような場合、「扶養的財産分与」として離婚後一定期間妻の生活費を払う約束をして、理解を得ることも行われています。

専業主婦が受けられる財産分与に関しては、以下の記事もご参照ください。

 

相手が応じないケースの対処法②弁護士に依頼

相手が応じないケースの対処法②弁護士に依頼

相手と話し合っても離婚の合意が困難な場合には、弁護士に頼んで解決する方法があります。

 

弁護士に頼んで協議離婚する方法もある

離婚について弁護士に頼むときには、調停や訴訟をしなければならないと思っている人も多いようですが、必ずしもそういうわけではありません。弁護士に代理人になってもらい、自分の代わりに夫や妻と話し合いをしてもらう方法もあります。

 

恐怖感を感じているなら無理しないで

弁護士に離婚協議を依頼すれば、相手と直接話をしなくてすみます。相手と1対1で話すと恐怖感を感じて言いなりになってしまうような場合には、無理して自分で話し合いをしない方が良いでしょう。

 

弁護士が入ることで納得が得られる可能性も

直接話をして応じてもらえない場合でも、弁護士が入ることで相手が納得することはあります。相手の方もこちらが本気であることを理解するからです。

特に、離婚原因があるケースで弁護士をつけると、相手も「応じなければ裁判を起こされる」と思うので、離婚に応じてもらえる可能性が高くなります。

 

協議が成立しなければ調停や裁判も対応してもらえる

弁護士から相手に話をしてもらっても離婚に応じてもらえない場合には、調停や裁判まで対応してもらえます。

 

離婚原因があることも証明しやすい

たとえば、性格の不一致で離婚したい場合、それが「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当することを証明するのはなかなか大変です。弁護士に裁判をしてもらうことで、離婚原因があることも証明しやすくなります。

 

相手が応じないケースの対処法③離婚調停を申し立てる

相手が応じないケースの対処法③離婚調停を申し立てる

離婚する、しないで夫婦の間で意見が分かれていて、話し合いでは決着がつかないことがあります。協議離婚ができないなら、離婚調停での解決を考えましょう。

 

 

調停は裁判所での話し合い

離婚調停は家庭裁判所で行う話し合いですが、当事者である夫と妻が直接顔を合わせるわけではありません。民間から選ばれた調停委員と呼ばれる人が、夫と妻の話を別々に聞いて仲裁をしてくれます。

 

調停を起こすのに離婚原因は不要

離婚調停は、当事者同士が話をするのが困難な場合や、離婚の合意はできているけれど条件面で話が進まない場合に申し立てが可能です。調停はあくまで話し合いなので、法律上の離婚原因の有無は関係ありません

離婚調停の費用や期間については、以下の記事もご参照ください。

 

調停は自分でできる

調停は裁判所の手続きになりますが、弁護士に頼まなくても自分で進めることができます。自分で調停をすれば、費用もほとんどかかりません

 

調停不成立になったら

離婚調停を申し立た場合、相手も離婚に応じて条件面での合意もできれば、調停成立となります。調停をしても合意に至らなければ、調停不成立として終了します。調停不成立になれば、裁判をする以外に離婚できる方法はなくなってしまいます。

 

裁判では証拠が必要

裁判を起こすためには、法律上の離婚原因があることが条件になります。また、裁判では離婚原因があることを立証しなければなりません。不貞行為なら、相手が浮気した証拠が必要になります。

裁判を進めるには専門的な知識が求められます。離婚裁判をするときには、弁護士に依頼するのがおすすめです。

離婚裁判でかかる費用については、以下の記事をご参照ください。

 

相手が応じないケースの対処法④別居する

相手が応じないケースの対処法④別居する

相手が離婚に応じない場合、とりあえず別居することで離婚しやすくなります。

 

長く別居が続いていると離婚原因となる

相手が離婚に応じない上に法律上の離婚原因もないという場合には、別居をして離婚原因を作る方法があります。長期間別居が継続している場合、夫婦関係が破綻しているとみなされ、そのこと自体が離婚原因として認められるケースが多いからです。

 

どれくらいの期間別居すれば離婚できる?

どれくらいの期間別々に住めば離婚できるかは、一概には言えません。5年程度が目安になるとも言われていますが、もっと短くても離婚が認められている例もあります。

 

破綻している事実が必要

形式的に長く別居していれば離婚が認められるわけではありません。たとえば、単身赴任で何年も別々に住んでいる場合、そのこと自体が離婚原因にならないのは当然です。

長期間の別居は婚姻関係の破綻を判断する重要な要素となるというだけで、長期間の別居自体が離婚原因になるわけではありません。たとえば、5年別居していても、頻繁に会って食事や買い物を一緒にしているようなら離婚は認められないでしょう。

 

別居すれば相手に覚悟が伝わることも

離婚できるようになるまでは相当の期間別居しなければなりません。しかし、実際には別居を開始することで相手に離婚の覚悟が伝わり、離婚に応じてもらいやすくなることが多くなっています。

 

離婚できないときの対処方法に関するまとめ

離婚に応じない相手にも、繰り返し話をして理解を得ることを目指しましょう。話し合いが困難な場合や何度話し合っても応じてもらえない場合、すぐに離婚したければ、弁護士に依頼するか調停を申し立てる方法があります。

離婚を焦らないのであれば、別居するところから始めてみるのも良いでしょう。女性は特に、別居して生活のペースを掴んでから離婚した方が安心です。

 

離婚問題で困ったら専門家に相談することが大切

親権や養育費・慰謝料など、離婚問題でお悩みの場合は法律のプロに相談することをおすすめします。でも、どうやって法律のプロを探せばよいのか戸惑う方も多いはず。。

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