- 投資信託で失敗するのは「資産形成に不向きな投資信託を選んでいる」など4つの理由がある。
- 投資信託で成功する人は「インデックスファンド」を選んでいる。
- 株価が暴落しても投資信託の積み立ては続ける。
- 投資信託の運用では非課税制度(つみたてNISA・iDeCo)を優先的に利用する。
公開日:2020年10月1日
将来のために投資を始める場合、投資信託を検討するのではないでしょうか。投資信託は少額から分散投資ができ、運用をプロに任せられるので、初心者の方でも始めやすい金融商品です。
しかし、適切な方法で運用しないと、思うように資産を増やすことはできません。投資信託で資産形成に取り組むなら、失敗してしまう理由や基礎知識を知っておくことが大切です。
今回は、投資信託で失敗してしまう4つの理由と運用に成功するための基礎知識について解説します。
投資信託で失敗しないためには、投資を始める前に最低限押さえておきたいポイントがあります。ここでは、投資信託の基礎知識について確認していきましょう。
2020年7月現在、日本では約6,000本の投資信託が販売されており、大きくは以下の2種類に分けられます。
投資信託で資産形成に取り組む場合、この2つの違いを理解しておくことが大切です。それぞれの特徴について説明します。
インデックスファンドとは、特定の指数(日経平均株価など)に連動する投資成果を目指して運用される投資信託です。たとえば、日経平均株価のインデックスファンドの場合、日経平均株価が上昇すると利益が出て、下落すると損失が発生します。
インデックスファンドは目標とする指数に連動するように機械的に運用されるため、投資成果がわかりやすく、運用コストが低いのが特徴です。短期間で大きな利益は期待できませんが、長期保有することで市場平均の利益を得られます。
アクティブファンドとは、市場平均を超える投資成果を目指して運用される投資信託です。特定のテーマに関する銘柄に投資する「テーマ型」、毎月分配金が支払われる「毎月分配型」など、その種類は豊富です。
アクティブファンドは、うまく運用できれば市場平均を超える利益を得られる一方で、運用コストは比較的高く、投資成果が市場平均を下回ることもあります。
投資信託で運用を行う場合は、以下のコストがかかります。
購入時手数料と信託財産留保額が無料のファンドもあります。信託報酬は運用資産の年率0.1~2.0%程度で、アクティブファンドよりインデックスファンドのほうが低い傾向にあります。
運用コストによって投資成果は大きく変わってくるので、運用コストが低い投資信託を選ぶことが大切です。
投資信託の利益には税金が約20%かかるため、利益がそのまま手元に残るわけではありません。たとえば、投資信託で100万円の利益が出た場合、約20万円(100万円×約20%)課税され、手元に残る利益は約80万円(100万円‐約20万円)となります。
ただし、投資信託には非課税制度が用意されており、うまく活用すれば手元に多くのお金を残せます。非課税制度については、後ほど詳しく説明します。
投資信託は資産形成で活用したい金融商品ですが、適切に運用しないと損をしてしまいます。投資信託で失敗してしまう主な理由は以下の4つです。
それぞれ詳しく説明します。
投資信託にはさまざまな種類がありますが、資産形成に適したファンドは限られます。たとえば、テーマ型や毎月分配型、アクティブファンドは運用コストが高く、運用効率が悪いため、資産形成には向きません。
資産形成向きのファンドを選ばないと、資産を増やすのは難しくなります。金融機関から勧められて中身がわからないまま購入した場合や、販売ランキングを参考に何となく購入した場合などは、投資信託の選び方を間違えている可能性があります。
投資金額が大きくなるほど資産の増え方も大きくなる一方で、株価が下がったときの損失も大きくなります。
最初からまとまった金額を投資すると、損失が発生したときに耐えられなくなる恐れがあります。状況によっては、投資信託の運用を続けられなくなるかもしれません。投資信託は少額から始めて、徐々に投資金額を増やしていくのが基本です。
株価が下がったときに投資信託を買い、株価が上がったときに売れば利益を得られます。しかし、言葉にするのは簡単でも、実践するのは難しいことです。
株価がどう動くかは誰にも予測できないため、相場を見ながら自分のタイミングで売買して利益を得るのはプロでも簡単ではありません。個人が投資信託を運用する場合はあらかじめ取引ルールを決めて、機械的に売買することが大切です。
株価が下がるとすぐに解約してしまうのも、投資信託で失敗するパターンのひとつです。投資信託は元本保証ではなく、相場に応じて基準価額は変動するため、一時的には含み損が発生することもあります。
投資信託で資産を増やすには長期間運用する必要があるので、短期間で解約すると失敗しやすくなります。
投資信託で失敗する理由を4つ紹介しましたが、成功している人はどのように運用しているのでしょうか。ここでは、投資信託で成功する人がやっていることを紹介します。
投資信託で運用を始める前に、まずは手元資金を十分に確保することが大切です。十分な手元資金があれば、投資信託で多少の含み損が発生しても、余裕をもって運用を続けられます。また、急にまとまったお金が必要になっても、投資信託を解約せずに済みます。
投資を始める前に最低でも生活費3か月分、できれば6か月~1年分のお金を準備するのがおすすめです。借金をして投資を始めるのはリスクが高いので、絶対にやめましょう。
投資信託は銀行や証券会社の窓口でも購入できますが、ネット証券を利用するのがおすすめです。
ネット証券は人件費がかからない分、手数料が安い投資信託を豊富に取り扱っています。また、窓口で不要なセールスをされる心配がなく、自分のペースで投資信託を比較・検討できるのもメリットです。
投資信託で成功している人は「インデックス投資」を行っています。インデックス投資とは、インデックスファンドを購入して長期保有する運用方法です。
インデックスファンドは運用コストが低く、投資テーマが古くならないので、長期保有に最適です。ほぼ確実に市場平均の利益を得られますし、長く運用するほど複利効果による資産の増加も期待できます。
ただし、インデックスファンドの中にも運用コストが高い商品はあるので、信託報酬が「年率0.2%未満」のファンドを選ぶといいでしょう。
投信積立とは、投資信託を毎月一定額購入する投資方法のことです。投信積立の設定をすれば、証券会社が自動的に購入してくれるので、自分で購入タイミングを判断する必要がありません。
投信積立は少額から始められ、ネット証券なら月100円から購入できます。まずは少額から積み立てを始めて、慣れてきたら少しずつ積立金額を増やしていくといいでしょう。
株価が暴落すると、積み立てを続けるのが怖くなるかもしれません。しかし、投資信託で成功している人は、株価が暴落しても積み立てを続けています。
株価の下落局面は、投資信託を安く買える絶好のチャンスです。株価の暴落局面で積み立てを続けることで平均取得単価が下がり、株価が上昇に転じたときに大きな利益を得られます。株価が暴落することがあっても、無理のない範囲で積み立てを続けましょう。
投資信託を解約するタイミングを判断するのは、意外と難しいのではないでしょうか。「値上がりしたときに解約したい」と思うかもしれませんが、相場を読んで売買するのは簡単ではありません。
「お金が必要になったときに必要な分だけ解約する」と決めておけば、解約タイミングの判断に迷うことはなくなります。相場を読もうとせず、投資信託はお金が必要になったタイミングで必要な分だけ解約することを心掛けましょう。
投資信託の運用では、以下2つの非課税制度が利用できます。
非課税制度を利用すると投資信託の利益に税金がかからないので、多くのお金を手元に残せます。投資信託を購入するときは、非課税制度を優先的に利用しましょう。
つみたてNISAとiDeCoの詳細は以下のとおりです。
つみたてNISAとは、投資信託による資産形成を支援するための制度です。年40万円までの非課税投資枠があり、20年間で最大800万円の投資まで非課税で運用できます。
つみたてNISAは対象商品が決まっており、「購入時手数料ゼロ」「信託報酬は一定水準以下」など、金融庁が定めた基準をクリアした投資信託に限定されています。
つみたてNISAは1人1口座のみ開設可能で、一般NISAとは併用できない点に注意が必要です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、加入者が自分で掛金を払って運用する年金制度です。自営業者や会社員、公務員、専業主婦などが加入でき、対象商品には投資信託も含まれています。
iDeCoは節税効果が大きく、非課税で運用できるほかに「掛金が所得控除になる」「受取時にも税制優遇がある」といった税制メリットがあります。ただし、掛金は原則60歳まで引き出せないので、余裕資金の範囲で掛金を設定することが大切です。
投資信託は資産形成に欠かせない金融商品ですが、適切に運用しないと失敗してしまいます。投資信託で成功するには、失敗してしまう理由や基礎知識を理解した上で、成功している人のやり方を真似することが大切です。
今回ご紹介した内容を参考に、まずは少額から投信積立を始めてみてはいかがでしょうか。
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