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初心者が投資を始めるのに「株式と投資信託」どちらから始めたらいい?それぞれのメリットを比較

初心者が投資を始めるのに「株式と投資信託」どちらがおすすめ?それぞれのメリットを比較

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山下 耕太郎

山下 耕太郎

証券外務員1種

一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト・デリバティブディーラーを経て個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に、現物株、FX、CFDなど幅広い商品に投資しています。証券会社勤務と実際の投資経験を活かし、初心者の方にもわかりやすい記事作成を心がけています。

この記事のポイント

  • 株式のメリットは「①リアルタイムで取引できる」「②コストが安い」「③自分で銘柄を選べる」「④株主優待を受け取れる」の4つ
  • 投資信託のメリットは「①少額から購入できる」「②分散投資が可能」「③投資しにくい国や地域に投資できる」の3つ
  • 初心者は小額から分散投資できる投資信託がオススメ

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投資を始めるのに代表的な金融商品が、株(株式)と投資信託です。投資信託とは、投資家から集めた資金をファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が、株式や債券、不動産など複数の資産に分散投資し、その収益を投資家に分配する金融商品です。

投資を始めるにあたって、「株式と投資信託どちらから始めたらいいの?」と迷う人もいるかもしれません。そこで、株式と投資信託を比較しながら初心者がどのように投資を始めたらいいのかを解説していきます。まずは、株式と投資信託のそれぞれのメリットを見ていきましょう。

 

株式投資のメリット

株式投資のメリット

まずは、株式のメリットから解説します。

①リアルタイムで取引できる

株式は取引所が開いている時間なら、いつでも好きな値段で売買できます。注文方法も指値注文(値段を指定)、成行注文(値段を指定しない)など複数の方法があります。一方、投資信託は1日1回算出される基準価格での取引になります。いくらの基準価格で買えたかという正確な値段は翌日以降にならないとわかりません。

 

②コストが安い

株式の現物株取引の場合のコストは売買手数料だけです。一方、投資信託は購入時の手数料の他に、信託報酬などの保有コストがかかります。信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうコストとして、保有している間は投資家が毎日支払い続ける費用のことです。信託報酬は年0.5~2.0%程度が一般的です。

 

③自分で銘柄を選べる

投資信託は国や地域、テーマなどを選ぶことができますが、どの銘柄を買うかというのは運用のプロであるファンドマネージャーに任せます。一方、株式投資では自分で銘柄を選ぶことができます。どの程度のリスクを取ってリターンを取りたいのかを自分で決めることができる投資家は、株式投資の方が向いているでしょう。うまくいけば短期間で2~3倍になる銘柄を見つけることもできます。

ただし、大きく下落するリスクもあります。株式の方がよりハイリスク・ハイリターンであるということを理解しておくようにしましょう。

 

④株主優待を受け取れる

株式投資では、株主優待を受け取ることができます。株主優待とは、企業が株主に自社製品や優待券、カタログギフトやお米などのモノやサービスを送るモノです。お中元やお歳暮に近いもので、株式を保有しているだけで毎年もらえます。株主優待を導入している企業数は1,368社(2017年9月現在:大和インベスター・リレーションズ調べ)で、上場企業の約36%が導入しています。

 

投資信託のメリット

投資信託のメリット

続いて、投資信託のメリットを見ていきましょう。

①少額から購入できる

株式の最低購入代金は下がってきているとはいえ、数万円以上の資金が必要になります。銘柄によっては数百万円も必要になることもあります。一方、投資信託はネット証券なら100円から購入することができます。

投資信託は、株式に比べて資金的なハードルははるかに低いです。さらに、5,000円など金額指定で購入することができます。毎月、決まった額を投資したい場合も投資信託は便利です。

 

②分散投資が可能

ひとつの株式に投資していると、その企業の業績が悪化したり不祥事が起こったりすると、大きな損失になります。そこで、複数の企業に投資しておけば、ひとつの企業の株価が下がっても他の銘柄でカバーすることができます。

しかし、株式投資で分散投資しようとすると、複数の銘柄を買う必要があります。特に、少額から投資を始めたい初心者にとっては、銘柄選択の手間もかかり、分散投資のハードルは高くなります。

しかし、投資信託を購入すれば、複数の銘柄に投資しているので、簡単に分散投資することができます。

 

③個人では投資しにくい国や地域に投資できる

外国株に挑戦しようと思っても、初心者では情報も知識も不足しています。外国株式取引口座が必要になったり、円をドルやユーロなど外貨に交換したりする必要があります。新興国株などは、取り扱っている証券会社も限られます。

しかし、投資信託なら先進国や新興国など国や地域に関して特別な知識がなくても簡単に投資することができます。

 

株式投資と投資信託の比較表

株式 通常の投資信託
上場・非上場 上場 非上場
購入場所 証券会社 証券会社・銀行など
取引価格 リアルタイム 1日1回の基準価格
銘柄数 3500前後 5000以上
コスト 取得時 売買手数料 購入手数料
信託報酬 なし あり(高い)
分配金・配当・株主優待 配当金・株主優待 分配金
最低投資額 数万円、数十万円〜 100円〜

 

初心者は投資信託から始めることをオススメ

初心者の方には投資信託から始めることをオススメします。その理由は以下の2つです。

①運用をプロにまかせることができる

株式投資は自分で銘柄を決める必要がありますが、投資信託なら運用のプロであるファンドマネージャーに任せることができます。株式投資についての知識を学ぶには時間がかかります。投資信託ならテーマや国・地域をおおまかに決めるだけで始めることができます。

 

②少額から分散投資することができる

ネット証券なら100円から購入でき、複数の銘柄に分散投資することができます。また、新興国など自分では手がだせないような国への投資も可能です。ただし、投資信託では株式のように短期間で大きな利益を狙うことは難しいですし、信託報酬などの保有コストもかかるので、投資信託を選ぶ際はしっかり中身を調べるようにしましょう。

 

投資信託の種類をご紹介

投資信託の種類をご紹介

投資信託は運用方針によって、次の3つに分類されます。

  1. 公社債投資信託:主として、国債などの公社債を中心に運用され、株式を一切組入れない投資信託です。
  2. 株式投資信託:株式を組み入れることができる投資信託です。ただし、公社債の組み入れも可能で、債券型投資信託など、株式を組み入れていなくても株式投資信託に分類されるものもあります。
  3. 不動産投資信託:主に不動産を中心に運用するもの投資信託です。

一般に投資信託といえば、「株式投資信託」に分類されることが多くなります。株式投資信託の種類を確認しておきましょう。

 

株式投資信託の種類

①国内株式型投資信託

国内の株式を中心に運用を行うファンド(投資信託)です。日経平均株価やTOPIXなど株価指数に連動する「インデックスファンド」と、企業の調査を行い、株価指数を上回る運用成果を目指す「アクティブファンド」の2種類があります。

 

②海外株式型投資信託

外国の株式に投資するファンドです。米国や欧州などの先進国や中国、ブラジル、インドなど新興国に投資するものや、医療やハイテクなど業種ごとに投資するファンドもあります。

 

③債券型投資信託

債券へと投資するファンドです。国内型(国内債券)と海外型(外国債券)に投資するタイプに分類できます。日本は低金利が続いているので、外国債券に投資するタイプが人気です。

 

④バランス型投資信託

国内外の株式だけでなく、債券や不動産など幅広い商品に分散投資できるファンドです。国際分散投資を簡単に行うことができるので、初心者の方にもオススメです。

 

⑤テーマ型投資信託

「AI」や「フィンテック」など、特定のテーマに関連した株式を買い付けるファンドです。テーマ株は人気がでると大きく上昇することが期待できる反面、銘柄を絞り込んでいるので、下落した時の損失も大きくなるリスクがあります。

 

上場している投資信託「ETF」とは?

上場している投資信託「ETF」とは?

ETF(上場投資信託)は、日経平均株価やTOIX(東証株価指数)などの特定の指数に連動する運用成果を目指して運用される、インデックス型の投資信託です。投資信託の特徴に加えて、株式のように取引所でリアルタイムに取引することができます。株式と投資信託の特徴をあわせ持った金融商品といえるでしょう。

ETFと投資信託の違いは保有コストにもあります。保有コストは信託報酬ですが、ETFは通常の投資信託よりもさらに保有コストが安くなっています。

投資信託は、販売会社(証券会社など)、受託会社(信託銀行)、運用会社の3社に対して信託報酬が払う必要があります。ETFは市場で購入するので、販売会社に信託報酬支払う必要はありません。その分、保有コストが安くなるのです。

ただ、買付金額に関しては、投資信託が100円から購入できるネット証券もあるのに対し、数万円かかるのが通常です。少額から始めたい投資家は、投資信託からチャレンジしましょう。

 

株式投資/投資信託/ETFの比較表

最後に、ETFを加えた比較表を見てみましょう。

株式 通常の投資信託 ETF
上場・非上場 上場 非上場 上場
購入場所 証券会社 証券会社・銀行など 証券会社
取引価格 リアルタイム 1日1回の基準価格 リアルタイム
銘柄数 3500前後 5000以上 220前後
コスト 取得時 売買手数料 購入手数料 売買手数料
信託報酬 なし あり(高い) あり(低い)
分配金・配当・株主優待 配当金・株主優待 分配金 分配金
最低投資額 数万円、数十万円〜 100円〜 数万円〜

 

株式と投資信託の違いまとめ

今回は、株式と投資信託の違いについて見てきました。

株式のメリットは次の4つです。

  1. リアルタイムで取引できる
  2. コストが安い
  3. 自分で銘柄を選べる
  4. 株主優待を受け取れる

投資信託のメリットは以下の3点です。

  1. 少額から購入できる
  2. 分散投資が可能
  3. 投資しにくい国や地域に投資できる

といった7つの違いがありました。初心者の方には少額から分散投資できる投資信託から始めることをオススメします。さらに、株式の特徴を持った投資信託であるETF(上場投資信託)もリアルタイムで取引したい投資家にオススメです。自分の投資スタイルに合わせて資産運用を始めるようにしましょう。

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