- 年収は「昨年の額面総額」で計算されやすい。
- 年収は「手取り総額」と「うち貯金額」が重要!
- 年収はFPに聞いてもらう方法もある!
公開日:2019年1月28日
こんにちは、婚活FP山本です。みんなが普段、何気なく使っている「年収」という言葉は、意外なほどに含む内容や計算方法が人によって違います。シンプルに「額面」を考える人もいれば、「手取り額」が普通と考えている人もいる訳です。
特に婚活においては、男女の様々な思惑が絡むため、なおさら実情と数字が異なりやすいかもしれません。そこで今回は改めて、年収とはいつからいつまでのものを含むのかなど、基本的な年収の考え方や計算方法をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。
目次
まずは一般論ともいえる基本的な年収の計算方法です。一般的な年収とは、昨年の額面年収、または平均的な月収の12倍をいいます。このため、例えば退職金のような一時的な収入は入れませんし、親からもらった一時的な贈与のお金なども含めないのが基本です。
その一方、会社というのは本当に様々な給与形態を取っているため、相手がサラリーマンなら内訳も様々といえます。「基本給」や「家族手当」などの一般的な呼称すら、呼び方や数字が違うこともある程です。会社によっては年俸制、人によっては日雇いもありますね。
また収入が不安定なフリーランスや自営業者の場合は、計算の根本自体が不安定ですから、大体の見込み年収を言うこともあります。このように、相手の事情は様々にありますから、仮に相手の年収が分かったとしても真に受けず、参考程度に聞いておくほうが無難です。
結婚相談所などを使う場合は、「収入証明書」や「確定申告書」を提出する必要があるので、おのずと交通費などを含めた「総支給額」をそのまま使う人が多いです。ただ、中には登録後に出世したりクビなったりする人もいるので、やはり盲目的に信用するのは危険かと。
結局、それほどまでに昨今の年収はサラリーマンであっても不安定で当たり前……なのかもしれません。仮に総支給額を言われたとしても、あくまで参考値としておきましょう。
次は婚活における年収計算の裏技的な方法をお伝えします。私自身、ここでもお伝えしているように最近の男性はけっして年収が高くありません。そういう場合、ストレートに年収を伝えるのではなく、一定の副業や投資をして、それを年収計算に加えるよう伝えています。
方法はともかく、仮にそれらで月に8万円程度を稼げれば、それで年収を100万円ほど多く計算できることになる訳です。実際に稼いでさえいれば、けっして嘘ではありませんから、堂々と伝えられます。強いて言えば、副業や投資は内容によって安定性がありませんけどね。
ちなみに副業や投資というのは、先々の応用や発展を考えれば、同額を給料だけで稼いでいる人より有望といえます。しかも、ものによっては給料にかかる所得税より税金上もお得ですから尚更です。女性の方には、むしろ前向きに捉える事をお勧めします。
少し卑怯だと捉える女性もいるかもしれませんが、最近は仮に残業を重ねても初任給から中々給料が上がらないのが実情です。賃金が上がらないから仕方ないと諦めるだけの男性に比べれば、創意工夫で年収を上げる努力をしている訳ですし、やはり有望ではないでしょうか。
ただその一方、実際には稼いでないのに見栄で年収を多く言う男性もいるので注意が必要です。その言い方ややり方もしっかり見極めて、その真偽を確認しておきましょう。
今度は年収計算の本質についてお伝えします。婚活中の女性なら、どうしてもお相手の正確な年収や経済力を知っておきたい事でしょう。しかし…それはかなり難易度の高い思惑かもしれません。それほど、年収や経済力というのは偽ることが簡単だからです。
実際問題として婚活では相手に年収など中々聞けません。職業あたりから推測するのが一般的です。そして年収の低い男性なら、良く思われたい一心で高めの年収を言う可能性もありますし、年収の高い男性ならお金で選ばれたくない気持ちから低く言う事もあります。
結婚相談所なら収入証明書があるから安心……と考える人もいますが、これも誤りです。隠し財産があることもあれば、借金を抱えている事もあります。仮に給料明細を見せられても変動部分も多いですし、貯金通帳を見せられても複数ある可能性もありますからね。
あなた自身そうだと思いますが、思いのほか給料は残業代などで毎月変わります。多い月と少ない月の差額が4万円もあれば、それだけで12倍すれば年収が50万円も変わる訳です。誠実な男性と出会えれば良いのですが、そういう男性ばかりでもないのが世の中でしょう。
そういう意味で、結局のところ相手の実際の年収や経済力というのは、同居してみないと分かりません。結婚したらしたで住宅手当や配偶者手当などが出ることもあるので尚更です。ある程度は「騙されてもいい」気持ちで婚活に励みましょう。
さらに、年収計算の意外なポイントについてお伝えします。例えば年収1000万円と聞いたら、大抵の人は「年収が高い」と捉えるでしょう。しかし先ほどお伝えした通り、これは基本的に額面なので、納税額などを差し引く必要があります。実際に手元に残るのは手取り額のほうです。
そして年収1000万円の場合、所得税・住民税・社会保険料が約300万円かかり、手元に残るのは大体700万円になります。仮に2割が賞与と仮定すると、給料は560万円、毎月の給料は約47万円です。高いといえば高いですが……そこまで高いと思える額でしょうか。
保険料控除や自社株積立などもあれば、尚更です。外部に伝える分にはともかく、結婚して同居生活をおくる訳ですから、婚活女性が気にすべきは手取り額のほうといえます。他の収入もあるなら、総額の手取り額を気にしましょう。
また「年収が高い=貯金が多い」とも限らない点には注意が必要です。事実、知るぽると(金融広報中央委員会)の平成29年「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯)」によると、年収1000万円の方の約45%が無貯金、約70%の方が貯金300万円以下でした。
年収が高いから気が緩み、浪費する方もすごく多い訳です。生涯のライフプランを考えれば、年収からどれだけ貯金に回しているかが重要なので、この点には強く注意しましょう。
最後は、年収を簡単にシミュレーションする方法をお伝えします。先ほども触れた通り、婚活中は中々相手に年収など聞けません。仕事を今後どうするかも教えてくれない男性も多いです。そんな時は、私が伝えるのも何ですがFP事務所に2人で相談にいきましょう。
あとはあなたの代わりにFPが、お相手の年収や考えを自然に聞き出してくれます。ついでにライフプランを立てながら、どれだけあなたとの結婚を真剣に考えているのかも分かるでしょう。ただし、その場合はあなたも相手に情報を公開しなければならない点には注意を。
もっとも、イキナリ「FPに相談してみよう」と言っても不自然ですから、前段階が必要です。どこかのお金のセミナーにでも二人で参加し、その上でFP事務所を訪れましょう。
まだまだ日本ではお金の話題はタブー視されています。しかしそれは、適当に考えていても何とかなるのが当たり前だった過去の話です。現在は夫婦で話し合い、夫婦で協力しあって家計管理をしていかなければ、多くの場合で家計破たんを起こしてしまう時代といえます。
お金のことを話し合えない、適当にしか考えられない男性と結婚すると、不幸な結末を迎えるかもしれません。年収額とともに、お金への接し方もしっかり確認しておきましょう。
年収計算は、方法よりも数字を教えてもらうことが困難です。教えてもらっても嘘という可能性もありますし、未来をどう考えているかは本人さえ考えていなくて分からない事もあります。どうしても気になる方はFPへの相談を視野に入れ、数字などの把握に努めていきましょう。