- 年収は「額面金額・総支給額」の意味。
- 税金は同僚とも金額が違ってくる。
- 手取りは自分、年収は他人に対して関係する。
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こんにちは、婚活FP山本です。例えば婚活では誰もが「年収」を気にしますよね。しかし自分の給料なら、気にするのは「手取り金額」ではないでしょうか?また給料明細を見ると、よく分からない名目で色々と差し引かれており、これが一体何なのか不満や疑問を持っている方もいることでしょう。知らないままでは、余計な損をするかもしれません。
そこで今回は、年収と手取り金額の関係、差し引かれる内容について詳しくお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。
目次
まずは、年収と手取り金額の関係の基本についてお伝えします。簡単に言えば、一般的にいう年収とは「額面金額」という意味です。給料明細などでは「総支給額」などと表示されています。そしてここから、色んなものを差し引かれた残額が「手取り」として、あなたの口座に振り込まれるわけです。
付け加えれば、年収とは「給料」だけではありません。会社によって違うのですが、例えば「交通費」や「〇〇手当」など、名目はともかく「もらえるお金」は全て年収として考えます。また年収とは文字通り年間収入という意味なので、「賞与(ボーナス)」も対象です。
ひとまず、「年収-色んなもの=手取り(年収)」という関係性は覚えておきましょう。
なお、もっと年収の計算方法が知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。
「年収から差し引かれるもの」は、みんな一緒というわけではありません。例えば、差し引かれるものの一つは「税金」ですが、税金は個人の事情や家族構成で金額が変わります。また生命保険料や持ち株など、通常とは別に自主的に差し引く項目を増やすこともあるわけです。
一方で健康保険など、おおよそ一律に差し引かれるものも混ざっています。だからこそ、「自分の場合は何がいくら差し引かれているのか」をしっかり理解しておくことが大切です。
次に、基本的に差し引かれるものの一つである健康保険料についてお伝えします。簡単に言えば、健康保険料は「年収で金額が決まるお金」です。もう少し言えば、年収によって「標準報酬月額」というものが決まり、これによって当人の健康保険料が決まります。
ただし、標準報酬月額は「都道府県」によって少しずつ違い、また「加入中の健康保険組合」によっても変わってくる数字です。さらに厳密に言えば、標準報酬月額を計算する時期によっても算出される数字が変わります。初心者には、少し難しいかもしれませんね。
なお、同種の厚生年金保険料は、年収と加入中の基金によって金額が変わります。正確な数字はともかく、おおよその数字を自分で計算・算出してみると良いかもしれません。
なお、将来的な年金額が気になる方は以下記事も参考にどうぞ。
健康保険料や厚生年金保険料というのは、「事業主と折半」で支払います。このため、退職後は全額自己負担です。このような事業主との関係は、新卒で入社したなら折半が普通と考えがちですから、退職後に急に負担が重くなって差を感じる人が極めて多いと言えます。
他に「雇用保険料」も必要ですが、これは事業の種類によって事業主との負担割合が違ってくるお金です。ひとまず、ちゃんと定められた割合通りに算出されているか計算してみるのも良いでしょう。
ここからは、税金についてお伝えします。そもそも、日本においては「全ての利益」に対して税金が発生するのが基本です。給料にも賞与にも税金が発生します。会社員は少し仕組みが特殊なのですが、ともかく給料などには「所得税・住民税」という税金が必要と理解しましょう。
税金計算の基本は、以下の通りになります。
普段、何気なく引かれている税金は、このように計算されています。ただし、実は会社員が毎月支払っている税金は「ざっくりとした金額」です。このため、最終的に会社員は「年末調整」を通して、正確な税金額との差額を清算します。
できれば、一度は自分の給与明細や源泉徴収票を元に「自分の所得税・住民税額」を計算してみると良いでしょう。
税金というのは、計算方法も考え方も用語も独特です。何がこれに含まれるのか、含まれないかも内容次第でバラバラになっています。そういう意味で極めて複雑なのですが、それでも基本は先ほどの通りです。ひとまず、税金計算上の「利益」のことを「所得」と呼ぶ点を覚えておきましょう。
また会社員の給料(年収)は「収入」に該当しますが、会社員は特別に「給与所得控除」という計算上の経費が認められています。給与所得控除の金額は、以下の通りです。
給与収入金額 | 控除額 |
---|---|
~ 162.5万円以下 | 65万円 |
162.5万円超 ~ 180万円以下 | 収入金額×40% |
180万円超 ~ 360万円以下 | 収入金額×30%+18万円 |
360万円超 ~ 660万円以下 | 収入金額×20%+54万円 |
660万円超 ~ 1,000万円以下 | 収入金額×10%+120万円 |
1,000万円超 | 220万円 |
収入から給与所得控除額を差し引いた金額が、あなたの「給与所得」になります。まずは、自分の年収と給与所得控除額を把握・理解し、自分の給与所得額を算出してみましょう。
収入から給与所得控除額を差し引いた金額が「給与所得」になるのですが、実はまだ、ここから「個別事情による経費」を差し引きます。個別事情による経費も差し引いた残額を「課税総所得金額」といい、この金額に税率をかけて算出したものが「所得税」です。
この個別事情による経費のことを「所得控除」と言います。所得控除とは合計14種類あり、主なものとしては以下の通りです。
所得控除を差し引けるほどに最終的な税金額も下がるものの、差し引けるかどうかは本当にバラバラと言えます。このため税金計算においては、たとえ年収が同じ同僚とも違いが発生するのが基本です。
税引き前金額のことを課税総所得金額といい、この金額が確定したあとは税率をかけます。日本では「超過累進税率」といって、年収が高いほどに税率が高くなる制度です。具体的には、所得税の税率は以下の通りとなっています。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
~ 195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超 ~ 330万円以下 | 10% | 9.75万円 |
330万円超 ~ 695万円以下 | 20% | 42.75万円 |
695万円超 ~ 900万円以下 | 23% | 63.60万円 |
900万円超 ~ 1800万円以下 | 33% | 153.60万円 |
1800万円超 ~ 4000万円以下 | 40% | 279.60万円 |
4000万円超 | 45% | 479.60万円 |
課税所得金額に税率をかけた後、右の控除額を差し引いたものが最終的な所得税です。例えば課税総所得金額が500万円なら、20%をかけて42.75万円を差し引いた「57.25万円」が所得税になります。ただし、現在は例外的に「復興特別所得税」が2.1%必要です。
節税についてもお伝えします。そもそも、節税の定義は「法律で定められた減税行為」です。つまりルールに則ってなら、国が税金を減らしても良いと公言している行為になります。脱税という違法行為とは全然違いますから、あなたも積極的に節税すると良いでしょう。
節税の代表例は、先ほども触れた「生命保険料控除」です。最近では「ふるさと納税(寄付金控除)」も人気と言えます。また最近は大規模な自然災害も多いので、被害額を差し引ける「雑損控除」も言われがちです。会社員でもできる節税行為は、他にもいくつかあります。
ひとまず、節税をしても年収が上がるわけではないものの、「手取り額」は増えるわけですから嬉しいのではないでしょうか。ぜひ、できることから一つずつ試していきましょう。
例えば先ほどの生命保険料控除なら、最大で12万円の所得控除にすることができます。他の諸条件もあるので一概に言えませんが、仮に課税総所得金額500万円なら税率20%ですから、およそ24000円の節税です。どのみち生命保険に加入するなら、嬉しいメリットと言えるでしょう。
「節税による違いはどのくらいか」を総合的に比較換算してみると、どの方法が効果的か見えてくるはずです。あくまで事情には個人差がありますから、あなたに合った方法で節税していきましょう。
最後に、年収と手取りの発展的な関係についてお伝えします。すでにご存じの通り、会社員なら「手取り額」が重要です。節税などを通して、少しでも上げる努力をすると良いでしょう。それに比べて年収は何かというと、こちらは「他人に対して」関係してきます。
すでにお伝えした通り、手取り額は個人の事情や自主性で変わりますからね。このため、手取り額は不明瞭とも言えますから、他人に伝える時には「年収」を使うのが基本です。婚活中や就活中、住宅ローンの審査なども基本的に年収のほうを使います。
つまり、手取り額は自分、年収は他人に対して関係してくるわけです。「どちらを使えばいいか分からない」時は、この基本を思い出しましょう。
なお、婚活における男性の年収が気になる方は以下記事も参考にどうぞ。
ハッキリ言って手取りと年収は、どちらも大切です。単純な数字では年収のほうが大きくなりますが、手取りが大きいほうが自分の経済力に自信が持てますからね。一方でどんなに手取り額は多くても、年収以上には多くなりませんから、他人に対しては弱くなります。
手取りは節税で増やせる一方、年収は出世や副業・投資などでも増やすことが可能です。ぜひ両面について努力を重ね、自分の経済力を高めていきましょう。
年収や手取りへの理解というのは、「無用な損を防ぐ」効果があります。理屈を知らなければ、会社などの横暴や誤りに気づけず、使える控除を申請せず、周囲からの理解も弱くなりかねません。逆に知っていれば得になるとも言えますから、ぜひこの機にしっかり勉強していきましょう。
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