- 投資信託の手数料には「買う時・持っている間・売る時」の3種類がある
- 投資信託の手数料の目安は「ゼロ・0.3%以下・ゼロ」
- 手数料が高いほど、実質的なリターンが下がってしまう、ということを知らないままでは損しやすい
公開日:2019年3月19日
本記事では投資信託の3種類の手数料と、それに対する「得するための初心者の方でもできる1ポイント」についてやさしく解説します。
本記事の結論を先に言いますと、まず投資信託の手数料には「買う時・持っている間・売る時」の3種類があります。そして投資信託の手数料のポイントはたった一つ、低い方が良い、ということです。それではわかりやすく見てみましょう。
投資信託の手数料には、大きく次の3種類があります。
どのようなものでしょうか。もう少し詳しく見てみましょう。
まず、投資信託を買う時には、購入時手数料と呼ばれる手数料がかかることがあります。
下の図表は投資信託をわかりやすく図解したものです。左端にいる私たちがお金を出し合って、株式や債券などの入った投資信託(図の黄色い袋)を購入する、という図です。
そして、先ほどの購入時手数料は、私たち投資家が投資信託を購入する際に、銀行や郵便局、証券会社の売り手側に支払うお金のことを指しています。これが購入時手数料です。
購入時手数料とは、買う時に発生することのある手数料のこと。
さて、まったく同様・あるいはほぼ同様の投資信託であっても、売っている場所によってこの購入時手数料が異なることがあります。なぜでしょうか?
その理由を身近な例で言いますと、百貨店とネットでのお買い物のようなものです。
例えば同じ商品であっても、百貨店では少し高いお値段がついていることがあります。また、同じ商品でも、ネットショップで買えば少し安い値段で買えることがあります。
同じ、あるいはほぼ同様の投資信託であっても、売っている場所によって購入時手数料が異なることがある。
次に、投資信託を買って持っている間にかかる手数料について解説します。
これは信託報酬と呼ばれます。上の図で言いますと黄色い袋の下にいる3人(現実には複数)の人々(機関)に支払うお金です。ザックリと言いますと、「企画する人・運用する人・管理する人」といったイメージの人々です。
私たちは彼らに運用を任せているのですから、報酬(私たちにとっては手数料)を支払わなければなりません。それが信託報酬です。
一般的には、年率で0.1%程度から1.7%程度まで、持っている間にかかる手数料には幅があります。
例えば、信託報酬が1.5%で、ずっとお値段が百万円の投資信託があった場合(現実には毎日変動する)、年間ではおよそ1万5千円の信託報酬がかかる、というイメージです。
それでは平均ではどのくらいの信託報酬がかかるものでしょうか。見てみましょう。※図表は筆者作成 参考:QUICK研究所調べ 2018年2月末
国内株式型 | 先進国株式型 | |
---|---|---|
インデックス型投資信託の平均 | 0.57% | 0.55% |
アクティブ型投資信託の平均 | 1.51% | 1.73% |
インデックス型投資信託:いわゆる市場平に連動するこ目標とした投資信託
アクティブ型投資信託:いわゆる市場平均を超えることを目標とした投資信託
また、売る時に信託財産留保額という手数料がかかることもあります。
これは、投資信託を売ると、残っている投資家が不利益を被らないようにするための手数料と言われています。
ここまで「買う時・持っている間・売る時」の3種類の手数料について見てきました。それでは手数料で得する1ポイント解説です。
結論から言いますと、手数料がいくら高くても、得をすることはありません。ですから、ゼロまたは低い方から選ぶことが得するポイントです。
すなわち、投資信託の手数料で得をするためには、高いものを選ばずに「買うときは0・持っている間は0.3%以下・売る時は0」という点を守ることです。
手数料で得する:より正確には、手数料は運用成績に寄与しないので得はしません。ここでは、高いものを選ぶより低いほうを選んだ方が計算上得をする、という意味合いです。
手数料は上記で見ましたように、場所によっても異なりますし、投資信託の種類によっても、大きく違っていました。
ただ、結論からいうと、手数料は高いより低い方を選ぶ方が得をしやすい、ということです。次のような観点で見ることが重要です。
目安一例 | |
---|---|
買う時にかかる手数料 | 0 |
持っている間にかかる手数料 | 0.3%以下 |
売る時にかかる手数料 | 0 |
このようなものです。なぜでしょうか?
投資信託によくある誤解として、各種手数料が高いほどに良いことがありそう、という勘違いをしてしまうことです。
しかし、現実には株価などの金融商品の値動きは法則性はありません。専門家の誰にも何を買えば良いのかがわからないのが現実です。
また、投資信託は、投資信託という「入れ物」に複数の金融商品がたくさん入っていますので、テーマやジャンル、投資対象が同じようなものであれば、どれも似たような値動きになってきます。そして、手数料と国内外の株価・債券などの値動きは関連性がありません。
そのため、投資信託に対して手数料が高いほど、実質的な運用成果を押し下げてしまうことになります。
住宅などを建てる場合は「コストをかければかけるほど」良い家ができます。しかし、資産運用(お金を増やす)においては、「手数料をかければかけるほど」私たちの実質的な運用成果は下がります。
投資信託の手数料の計算式のイメージは次のようなものです。
ちなみに、上記計算式の運用成果は、投資の世界では誰かが頑張っても意図的に上げることはできません。それは、投資信託を運用する専門家が優れていないのではなく、世界中の専門家が優れているからこそ、差が出せないと考えられます。
一例を挙げましょう。
このように、手数料が高いだけで運用成果が押し下げられます。
投資信託の手数料で得するたった1つのポイント、それは手数料が低いものを選ぶこと。
なぜ専門家の誰にも「何を買えばいいのかわからないのか」「なぜ専門家が優れているほど、差が出せないのか?」については、以下記事にてやさしく解説してあります。ご興味のある方はご覧いただければ幸いです。
先ほども少し触れましたが、投資信託の各種手数料は、銀行・郵便局・楽天証券やSBI証券などの売る場所で異なることがあります。同様の投資信託であっても、異なることがあります。
ただ、投資信託という「入れ物」の中身が同様であれば、どこで購入しても運用成績は基本的に同じようなものです。
中身が同様:例えば、国内の株式が入っている投資信託なら、基本的に同じように値動きが推移します。手数料分だけ運用成績は押し下げられます。
そのため、あくまでも理論上のお話ではありますが、投資の効率を突き詰めると、手数料の比較的高い銀行や郵便局は選択肢から外れます。手数料の安さを考えるなら、オンラインで売買ができるものが有利になると考えられます。
では、投資信託の手数料の目安をもう一度おさらいします。
目安 | 理由 | |
---|---|---|
買う時 | 0 | ゼロの投資信託がある。買う場所で手数料が異なるだけで、運用成績に寄与しないのでゼロが望ましい。 |
持っている間 | 0.3%以下 | ここが高いと、持っている間、常に大きく運用成績が押し下げられる。また、不況時にはよりマイナス幅が大きくなる。高いよりは低い方が「お得」になるだけの存在。 |
売る時 | 0 | ゼロの投資信託がある。こちらも運用成績に寄与しないのでゼロが望ましい。 |
本記事では投資信託の3種類の手数料と、それに対する得するための初心者の方でもできる1ポイントについて解説しました。
おさらいをしますと、まず投資信託の手数料には「買う時・持っている間・売る時」の3種類がありました。そして投資信託の手数料の目安はたった一つ、低い方が良い、ということでした。
初心者の方でも手数料を「0・0.3%・0」から選ぶと、高いものを選ぶよりは得をしやすくなりますので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
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