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当て逃げされた場合の保険はどうなる?自動車事故・駐車中の被害で対応すべきこと

当て逃げされた場合の保険はどうなる?自動車事故・駐車中の被害で対応すべきこと

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佐藤 元宣

佐藤 元宣

佐藤元宣FP事務所代表CFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士、経理実務士

税理士や社会保険労務士といった士業事務所経験と保険代理店を行った経験などを活かし、生活する上で避けて通れない「お金」の相談に幅広く応じている独立系FP。家計の収支状況と専門性を融合したプランニングを提供しています。

この記事のポイント

  • 自動車の当て逃げ事故は、任意加入の自動車保険から保険金が支払われる対象になります。
  • 当て逃げによる損害の内、身体にかかるものは人身傷害保険、自動車にかかるものは車両保険から補償されます。
  • 当て逃げがあった場合、保険会社と警察へ必ず連絡することが重要です。

この記事は約7分で読めます。

自動車を駐車中や停車中などをはじめ、何らかの理由で他の自動車から当て逃げされてしまうことは、長い自動車運転歴の中で複数回あるかもしれません。

通常、このような場合、自動車に損害を与えた相手方に賠償責任が生じますが、場合によっては、犯人を特定できず、結果として自分の自動車保険を使って直すことになる場合もあります。

そこで本記事では、自動車を当て逃げされた場合の保険や対応について幅広く解説を進めます。

 

自動車を当て逃げされた場合と自動車保険の関係について

自動車を当て逃げされた場合と自動車保険の関係について

自動車が何かしらの理由で当て逃げされた場合の損害は、ご自身が加入している任意加入の自動車保険から補償してもらうことができます。

ただし、当て逃げの補償を受けるためには、任意加入の自動車保険に加入しているだけでは足りず、これに加えて、当て逃げが補償される範囲の車両保険に加入していなければなりません。

  • 任意加入の自動車保険に加入していること(自賠責保険では補償対象にならない)
  • 当て逃げが補償される範囲の車両保険に加入していること(当て逃げが補償対象外の車両保険に加入している場合は、補償対象にならない)

上記2つの条件をいずれも満たしていなければ、自動車の当て逃げを保険で補填できませんので注意が必要です。

 

自動車事故で当て逃げが補償される車両保険の種類

自動車保険に別途、任意で加入することができる車両保険は、保険会社によって名称や補償範囲が異なっておりますが、ここでは一例として、ソニー損保と三井ダイレクト損保の車両保険を例に、自動車事故で当て逃げが補償される保険の種類を紹介します。

 

ソニー損保の場合

ソニー損保が取り扱っている車両保険は、大きく一般型とエコノミー型の2つがあり、一般型の方がエコノミー型に比べて保険料は高くなりますが、その分車両保険で補償される範囲も広くなります。

ソニー損保 車両保険

ちなみに、車両保険を付加している自動車が当て逃げによる損害を受けた場合、上記図からも確認できますように、一般型は補償対象、エコノミー型は補償対象外です。

そのため、当て逃げによる補償も準備したい場合は、エコノミー型ではなく一般型を選んで車両保険に加入しなければなりません。

 

三井ダイレクト損保の場合

三井ダイレクト損保が取り扱っている車両保険は、大きく一般タイプと限定タイプの2つがあり、先に紹介したソニー損保の一般型が一般タイプ、エコノミー型が限定タイプに該当すると考えて差し支えありません。

三井ダイレクト損保 車両保険

三井ダイレクト損保の場合も、車両保険で当て逃げの補償を準備するためには、限定タイプではなく、一般タイプを選んで車両保険に加入する必要があることが確認できます。

 

 

自動車を当て逃げされてしまった場合の主な対応

自動車を当て逃げされてしまった場合の主な対応

自動車を当て逃げされてしまった場合の主な対応は2つあり、1つ目は自動車保険を契約している保険会社へ連絡する、2つ目は警察に連絡することが挙げられます。

保険会社と警察に対する当て逃げの連絡は、ご自身が加入している当て逃げが補償対象になっている車両保険から保険金が支払われるために必要な手続きにもなっているため、いずれも必ず行うことが大切です。

 

【自動車を当て逃げされてしまった場合の対応①】自動車保険を契約している保険会社へ連絡する

自動車を当て逃げされてしまった場合、保険会社に対して連絡をしなければ事故の受付がなされず、車両保険から当て逃げで生じた損害について保険金が支払われることはありません。

実際に、当て逃げによって生じた損害の程度にもよりますが、車両保険を使って保険金を請求するかしないかの判断は、翌年度から負担する自動車保険料に大きな影響を与えることになります。

なお、保険金請求の判断については、後程後述します。

 

【自動車を当て逃げされてしまった場合の対応②】警察に連絡する

自動車を当て逃げされた場合、警察に連絡して事故の届出をしなければ、こちらも車両保険から当て逃げで生じた損害について保険金が支払われることはありません。

これは、警察を通じて、本当に保険金の支払事由(今回は当て逃げ)にあたる事故があったかどうかを保険会社が確認するためであり、事故の証明を警察からしてもらわなければならないためです。

なお、当て逃げに関わらず、交通事故が起きた場合の流れも同様となります。

 

当て逃げの相手を特定できた場合は、ナンバーなどを控える

自動車を当て逃げされた場合と自動車保険の関係について

自動車の当て逃げは、駐車中や停車中など、様々なケースで発生することが考えられますが、仮に当て逃げをした相手を特定できた場合は、加害者である相手側の車種やナンバーなどを控えておくことが極めて重要です。

また、保険会社や警察に届け出ることはもちろんのこと、被害者の立場でありますから、自分の自動車と相手側の自動車の損傷部分の写真も撮って保存しておき、有利な立場を維持することに努めるように心がけましょう。

 

当て逃げの相手を特定できた場合であっても、損害賠償されない恐れもある

通常、当て逃げの相手を特定できた場合、その相手に対して損害賠償請求をすることが可能ですが、たとえば、相手方が損害賠償請求に応じない場合をはじめ、当て逃げの相手が自動車保険に未加入、低収入であることを理由に賠償責任を負えないケースもあります。

また、当て逃げによって生じた損害について、すでに車両保険を使って修理した後に相手が特定できたとしても、別途、加害者に対して損害賠償を請求することもできません。

 

当て逃げ事故に遭遇した場合は、弁護士などの専門家に相談することも検討

先に解説しましたように、当て逃げによって生じた損害について、相手方が特定できたとしても損害賠償してもらうことができない場合があります。

そのため、いわば泣き寝入りしなければならないことも十分考えられることから、場合によっては弁護士などの専門家に対して相談し、どのように対応するのが得策なのかを尋ねてみることをおすすめします。

 

自動車保険の弁護士費用特約を上手に活用する

自動車保険の弁護士費用特約を付加している場合は、相手方に対して損害賠償請求を行う際に生じる弁護士費用や法律相談をする場合の費用が支払われます。

弁護士費用特約は、保険契約している自動車で人身事故や物損事故にあった場合に活用することができるため、当て逃げによる損害も対象になります。

 

弁護士費用特約を活用する際の注意点

仮に、当て逃げによって弁護士費用特約を活用する場合、あらかじめ保険契約をしている保険会社に対して弁護士費用特約を使う旨を連絡しなければなりません。

保険会社へ連絡する前に弁護士へ相談や当て逃げに対する損害賠償の依頼を行った場合、弁護士費用特約から保険金が支払われない場合がありますので、この点には細心の注意が必要です。

なお、弁護士費用特約の詳細は、同サイト内の以下記事から詳しく確認できます。

 

防犯カメラ・スマホ・ドライブレコーダーを活かす

当て逃げをした加害者は、少なくとも被害者に対する誠意や謝罪の気持ちがあるとは考えにくく、仮に当て逃げした相手を特定できた場合でも、気づかなかったことをはじめとした虚偽や、いわゆる逆ギレによる身の危険も感じるかもしれません。

このような場合に備えて、事故現場近くの防犯カメラやスマホの利用をはじめ、自身を守るためのドライブレコーダーを新たに取付する予防策も効果的です。

 

自動車保険のドライブレコーダー特約について

昨今、大手損害保険会社では、ドライブレコーダーを活用したサービスを展開しており、これによって安心をサポートする動きがみられるようになりました。

当て逃げにつきましても、ドライブレコーダー特約を付加することで安心を得られる可能性も高く、その必要性は個々の考え方が大きく影響するものと思われます。

なお、ドライブレコーダー特約につきましては、同サイト内の以下記事から詳しく内容を知ることができます。

 

 

当て逃げで車両保険を使った場合、自動車保険等級が大きく下がる

当て逃げで車両保険を使った場合、自動車保険等級が大きく下がる

仮に当て逃げで車両保険を使った場合、翌年度の自動車保険等級が3等級ダウンすることになっているため、実際に負担しなければならない自動車保険料は、これまでよりも増加してしまうデメリットが生じます。

ちなみに、自動車保険の等級制度は、1年間を通じて保険事故が発生しなかった場合は1等級アップする仕組みになっているため、当て逃げで車両保険を使った等級が元に戻るまでは、早くても3年の年月が必要になります。

 

サイドミラーが損壊するなど、当て逃げによる物損事故に程度は問われない

当て逃げで車両保険を使う場合、物損事故の取り扱いになりますが、この物損事故において、たとえば、当て逃げによってサイドミラーが損壊した場合や自動車のドアに傷やへこみが生じたなど、損害の大きさによる程度が問われることはありません。

そのため、当て逃げによって受けた損害が自動車の運転や走行に支障が出るかどうかをはじめ、後述する当て逃げによる修理費用と保険料の増加分を比較して考えることが大切になります。

 

当て逃げによる修理費用と保険料の増加分を比較して考える

当て逃げによって生じた損害の程度にもよりますが、車両保険を使って保険金を請求するか、しないかの判断は、翌年度から負担する自動車保険料に大きな影響を与えます。

そのため、仮に車両保険を使って当て逃げによる修理をする場合は、実際に修理にかかる費用と保険料の増加分を比較して、車両保険を使うことが得策なのかどうかを考えることがとても大切です。

この比較判断は、お金の支出に直接影響を与えることに繋がります。

 

車両保険を使う場合は、免責金額にも注意

当て逃げによって車両保険を使う場合、ご自身の自己負担金額にあたる免責金額がどのようになっているのかあらかじめ確認しておくことが大切です。

たとえば、車両保険の免責金額が0-10万円となっていた場合、最初の修理費用は生じませんが、仮に、5-10万円となっていた場合、最低でも5万円の自己負担が強いられます(1回目の事故の場合)。

 

当て逃げによって身体に損害が生じた場合の取り扱い

当て逃げによって身体に損害が生じた場合の取り扱い

仮に、加害者からの当て逃げが大きいことによって、自動車だけではなく搭乗者の身体に損害が生じた場合は、必ず病院へ行って診察をしてもらい、合わせて医師から診断書を発行してもらうようにして下さい。

これは、後述する人身傷害保険など、ご自身が加入している自動車保険の内、身体の損害に対して支払われる保険金を請求する上で必要な書類となり、事故による傷害であることを証明する書類となるためです。

 

人身傷害保険とは

人身傷害保険とは、保険契約をしている自動車に乗っている人が、交通事故などで死亡や後遺障害、傷害を被った場合に保険金が支払われる補償のことを言い、自動車保険の多くは、基本補償として自動付帯されている場合が一般的です。

仮に、当て逃げによって自動車へ搭乗中に傷害などを負った場合は、人身傷害保険が大きな保障になるため、人身傷害保険について以下の記事も合わせて読み進めてみることをおすすめします。

 

人身傷害保険の保険金請求は、等級ダウンの対象外

仮に、当て逃げによってご自身の自動車と身体に損害を受けた場合、自動車の補償は車両保険から行われ、身体の保障は人身傷害保険から行われることになります。

この時、車両保険を使ったことによって翌年度の自動車保険等級はダウンすることになりますが、人身傷害保険の保険金請求を保険会社に対して行ったとしても、車両保険のように、自動車保険等級が二重にダウンするようなことはありません。

なお、補足となりますが、先に紹介した弁護士費用特約を使った場合も自動車保険等級がダウンになることはありません。

 

当て逃げと保険の関係性に関するまとめ

自動車が当て逃げされた場合、ご自身が加入している車両保険で当て逃げが補償される契約を締結していれば、所定の手続きを行うことで保険金が支払われます。

一般に、当て逃げは加害者を特定することが難しいほか、特定できた場合でも、自動車保険に未加入の場合や損害賠償できるだけの資力がない場合も十分考えられます。

そのため、泣き寝入りはどうしても避けたい一方で、新車など大切な自動車には、当て逃げ補償の車両保険に必ず加入しておきたいものです。

 

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