- 投資信託の仕組みは「食品の詰め合わせ」と同じ仕組み。
- 投資信託の特徴は、少額で大きな分散効果が得られること。
- 投資信託の委託会社が破綻しても、投資家のお金は信託銀行に保管してある。
公開日:2019年7月26日
本記事では、初心者の方が最初に疑問に思う「投資信託の仕組みと特徴」について丁寧に解説します。全体を通して質問形式で進みますので、楽しくお読みいただければ幸いです。
目次
投資信託とはファンドとも呼ばれます。
投資信託を使えば、次の二つを誰でも容易に行うことができます。
投資信託の特徴は少額で分散投資ができること
それでは、より丁寧に中身を見ていきましょう。
投資信託の仕組みは実際は複雑ですが、私たち投資家は以下の点を理解していれば基本的に問題ありません。
まず下の図表をご覧ください。(※図表は筆者作成)
下の図表は食品の詰め合わせのイメージ図です。
普段私たちはスーパーなどで食品を買います。それはその方が便利だからです。直接農家から買い付けたりしていては手間とコストがかかってしまいます。
もっと便利にするには、欲しい食品が詰め合わせになっていれば良いわけです。そして、それを金融商品にしたものが投資信託です。
下の図表が投資信託の基本的な仕組みのイメージ図です。
私たち投資家は、小さなお金を出す(投資信託を購入する)ことで、国内外の株式や債券などに手軽に分散投資をすることができます。
つまり投資信託とは、大変乱暴に言いますと金融商品の詰め合わせなのです。
上記で説明しましたように投資信託を使えば、多くの株式や債券に投資をすることが容易にできます。
株式:代表的なハイリスク・ハイリターンの金融商品 債券:一般的には株式よりはローリスク・ローリターン
通常の個別の株式投資で、分散投資を行おうとすると大変に高額な資金が必要になってきます。
個別株式による分散投資:仮に50社に分散投資を行おうとすると、やはり仮に一社が10万円の場合500万円もの大金が必要になる
ところが投資信託であれば、少額の資金で分散投資を行うことができます。極端に言えば『先進国株式』にも100円程度から分散投資をすることができます。
先進国株式:アメリカ・イギリス・フランスなどの世界20数か国程度の先進国株式千数百社などを指すことが一般的
投資信託の仕組みでよく出てくる言葉に委託会社(委託者)というものがあります。
これは、ざっくり言うと投資信託を運用する会社のことです。上の図では投資信託の袋の下にいる運用する人が委託会社にあたります。
委託者=運用会社
運用会社は投資家から集めたお金をどのように運用するかを指図する役割です。
途中で投資信託の運用が中止になることがあります。
これは運用成績が悪かったり、投資家の資金が集まらなかった場合に起こることがあります。
この場合はその時の基準価格で償還されます。簡単に言うと、その時の値段で売られて現金化されるということです。繰り上げ償還といいます。
※基準価格:正確には基準価額ですが、直感的にわかりやすくするために価格と表記しています。
もちろん買った時よりも値上がりしていれば利益になりますし、値下がりしていれば損失が確定します。
繰り上げ償還はあまり望ましい事態ではありません。これを避けるために、投資信託を選ぶ際はある程度規模が大きい投資信託(ファンド)を選ぶことも重要である、という意見もあります。
投資信託が途中で運用中止になると、その時の時価で売却される。
基準価格に関する詳しい記事はこちらです。
それでは、もし証券会社などが破綻したら、私たちが保有している投資信託はどうなるのでしょうか。
もう一度図表を見てみましょう。
上の図の黄色い袋が投資信託ですが、その上に「証券会社や銀行など」という部分があります。それがいわゆる販売窓口です。ここを介して私たち投資家は投資信託を買うことができます。
つまり、極端に言えばそれらは販売窓口であり、私たちの投資信託の財産を管理してはいません。
そのため、基本的に販売会社や委託会社(運用会社)が破綻しても、私たちのお金(信託財産)は別の信託銀行というところで管理されているので安全である、と言われています。
ちなみに信託銀行の人は上の図では、黄色い投資信託の袋の下の「管理する人」です。
販売会社や委託会社(運用会社)が破綻しても、投資家のお金は別の信託銀行に管理・保管してある。
基本的に資産運用における運用益の出し方はシンプルです。ざっくり二つあります。
これは個別の株式・債券・不動産などの資産運用でも基本的に同様です。
例えば不動産です。マンションを一棟買った人がいるとします。
株式・債券の場合は、
ということになります。
そのため、それらの金融商品の詰め合わせである投資信託でも同様に、売却差益と保有利益が発生することがあります。
どんな場合に得られるのか見てみましょう。
売却差益のことをキャピタルゲインとも言います。
売却差益=キャピタルゲイン
これはとてもシンプルなものです。
例えば投資信託を1万円で買って、1万1,000円で売れば1,000円が売却差益(キャピタルゲイン)となります(税・手数料無視)。
図にすると下のようなイメージです。これは積立投資でも、一括投資でも同じです。
積立投資:毎月定期的に金融商品を買う投資方法、最終的に平均購入単価より高く売れば差額が利益となる
投資信託を安く買って、高く売ることで利益が出る。これが投資の基本。ただし値動きは市場次第。
そして投資信託を保有することで、利益を受け取ることができるものもあります。こちらはインカムゲインとも呼ばれます。
保有利益=インカムゲイン
図にすると次のようなイメージです。
ただし、筆者は分配金の出る投資信託は合理的な資産形成において不向きである、と考えています。結論から申し上げますと、分配金の無い投資信託(分配金利回りゼロ)であることこそが重要であると考えています。
その理由は大きく二つあります。
投資信託を保有することで、普通分配金という利益を受け取れる。
分配金利回りについては、下記関連記事に詳しく記しています。「なぜ分配金がない方が良いのか?」という疑問やご興味のある方はご一読いただければ幸いです。
今回は投資信託の基本的な仕組みと特徴について考察しました。
分散の仕組みと効果、そして利益の上げ方の基本は、どこまで投資家のレベルや投資額が上がっても不変です。
基本を押さえて、基本通りに行うことが(本当に)資産形成では重要だと思います。本記事が読者の皆様の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。
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