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奨学金が返せない…滞納するリスク&返還の対処法をFPが徹底解説!

奨学金が返せない…滞納するリスク&返還の対処法をFPが徹底解説!

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田中 英哉

田中 英哉

2級ファイナンシャルプランニング技能士、上級心理カウンセラー

2級ファイナンシャルプランニング技能士の有資格者。長年のライター経験の中で、お金に関する記事を執筆。日本最大級のソーシャルワークサイトにてプロクラウドワーカー TOPclass認定。ライター部門契約ランキング最高6位。難しいお金の話しを分かりやすく伝える記事は、読者から読みやすいと好評。

この記事のポイント

  • 奨学金を返済できない人は30万人以上います。
  • 滞納すると遅延金の支払いや一括返済、信用情報にキズがつくなどのリスクがあります。
  • 返還できない場合は、減額返還制度や返還期限猶予制度の利用などの対処法があります。

親の経済事情で学費が工面できない場合、奨学金を利用するケースがあります。奨学金により安心して学業に専念できる反面、延滞してしまうと信用情報にキズが付くなどのリスクがあります。この記事では返還できない場合のリスクや対処法をお伝えいたします。

 

奨学金を返済できない人は多い

奨学金を返済できない人は多い

奨学金は教育を受ける権利を守るために有効な制度ではありますが、学生のうちから大きな借金を背負うこともあり、返せなくなってしまう人もいらっしゃいます。

日本学生支援機構のIR情報(2016年)を踏まえ、以下内容について紹介します。

  • 日本学生支援機構のIR情報で分かる利用者数
  • 30万人以上が期限超え
  • 返済できない理由

 

日本学生支援機構のIR情報で分かる利用者数

日本学生支援機構の奨学金利用者は131万人で、その数は学生全体37.8%にものぼります。2007年の利用者割合は29.2%で、そこから右肩上がりに利用者数は伸びています。

奨学金は他の借金よりも借りやすいため、多くの学生が教育の機会を得るために利用しているのです。

 

30万人以上が期限超え

3カ月以上滞納している人はおよそ16万1,000人です。つまり、利用者の12%以上の人が遅延や延滞した計算となります。1日以上の延滞者で見れば327,512人(2015年)となっており、30万人以上が遅延や滞納をしています。

会社に入る段階から借金返済をしていかなくてはならないため、社会人生活がマイナスからスタートする苦しい経済状況が見て取れます。

 

返済できない理由

日本学生支援機構は2013年に延滞者に関する属性調査を行っています。その結果、延滞のきっかけで最も多かったのが「家計収入が減った(72.9%)」、延滞が続いている理由で最も多かったのが「本人の低所得(51.1%)」となっています。

一般的に、借金は返済能力を査定して融資されますが、奨学金は返済能力が分からない学生の間から融資されますので、厳しい状況に陥っている人も多いようです。

 

奨学金未納時の督促とは

奨学金未納時の督促とは

奨学金未納の場合には、電話や郵便など督促が行われます。借金の督促と聞くと不安を感じる人もいらっしゃるかも知れません。そこで、どのような督促が行われるのか、以下の順に解説します。

  • 契約者に連絡
  • 連帯保証人宛に連絡
  • 保証人以外には連絡しない

 

契約者に連絡

まずは日本学生支援機構から契約者に電話連絡が入ります。延滞状況や引き落とし日などについて説明がありますので、できる限り迅速な返済が必要です。厳密にいうと、日本学生支援機構が委託している回収会社から連絡が入ります。

そのまま返済しなければ、自宅に督促状が届いたり、支払督促申立が行われ、最悪の場合は後述の強制執行によって財産を差し押さえられてしまいます。そうなるまでに対処しなければなりません。

 

連帯保証人宛に連絡

もしも契約者が返済できない場合には、保証人や連帯保証人に連絡が入ります。保証人は滞納額の半分、連帯保証人は全額を払わなければなりません。

保証人や連帯保証人には、「奨学金の返還について」という郵便が届きますが、契約者と連絡が取れなかったり、返済意志がない場合には、電話で連絡が入るケースもあります。

 

保証人以外には連絡しない

返済遅延や滞納が第三者に分かってしまうことを心配する人もいるかと思いますが、第三者にリークされることはありません。督促は契約者本人や保証人、連帯保証人以外に行うことはありませんので、不安になる必要はありません。

ただし、契約者の携帯電話や自宅に連絡が付かない場合には、勤務先に連絡が入ることがあります。同僚に感づかれる可能性はゼロとは言えません。

 

長期間未払いなら大きなリスク

長期間未払いなら大きなリスク

奨学金の返済を長期間放置してしまうとどうなるのでしょうか?実は今後の人生に影を落とすようなさまざまなリスクが生じます。ここでは奨学金延滞のリスクとして、以下の内容を紹介します。

  • 延滞金として余分な利子が付く
  • 一括返済を求められる
  • 信用情報にキズが付く
  • 差し押さえの可能性がある

 

 

延滞金として余分な利子が付く

2カ月以上滞納すると、遅延金として余分な利息の支払いが必要です。遅延金の計算式は「滞納額×延滞金の金利÷365日×滞納日数」で算出可能です。

遅延金の金利は奨学金の種類や時期によって異なりますので、あなたの情報を元に計算してみましょう。

 

一括返済を求められる

奨学金を返済せずに放置していると、一括返済を求められる可能性があります。滞納分だけではなく借入れ金額全額分の返済を求められるため、大きな負担となるでしょう。

契約者が返済できなければ、保証人や連帯保証人に一括返済が求められます。一括返済が求められるケースは、9カ月以上の滞納が目安です。

 

信用情報にキズが付く

個人の金融取引は、個人信用情報機関に記録されています。もしも延滞をしてしまうと俗にいうブラックリストとなります。実際にそのようなリストがある訳でなく、信用情報に事故情報の履歴が残ってしまいます。

信用情報に事故記録が載せられると、他のローンを組めなくなったり、クレジットカードが作れなくなるなど、今後のライフプランに悪影響となります。

 

他のローンを組めなくなる

信用情報ブラックになると、住宅ローンや自動車ローンなどのほか、カードローンの審査でも不利となります。これらのローンが組めなくなると、現金一括払いでしか購入できなくなるため、大きな買い物ができなくなります。

特に住宅ローンが組めないとなると、人生設計が立て辛くなります。ライフプランでは、住宅購入資金、子どもの教育資金、老後資金を早めに準備するほど有利となりますので、ローンが組めないのは手痛いことなのです。

 

クレジットカードが作れなくなる

信用情報にキズが付くと、クレジットカード審査でも不利となります。クレジットカードの審査も信用情報の照会がなされますので、金融取引が不健全だと審査落ちの原因となります。

クレジットカードが作れなければ、ポイントプログラムによる恩恵も受けられませんし、各種カードごとの優待も受けられません。また、分割払いやリボ払いなど、キャッシュフローに合わせた支払いもできなくなりますので、ライフスタイルに制限が生じます。

 

差し押さえの可能性がある

最終的には財産を差し押さえられる可能性があります。差し押さえは裁判所を通して行われるため、拒否することはできません。

財産を没収されたり、給料を差し押さえられる場合もありますので、生活が破綻する可能性もあります。

 

奨学金の返済が厳しい時の対処法

奨学金の返済が厳しい時の対処法

どうしても奨学金の返済が厳しい場合にはどうすれば良いのでしょうか?ここでは具体的な対処法として以下を紹介します。

  • 減額返還制度を利用する
  • 返還期限猶予制度を利用する
  • 債務整理をする

 

減額返還制度を利用する

日本学生支援機構のケースでは、減額返済制度というものがあります。カンタンにいうと毎回の返済金額を半分に減らしてもらう制度です。もちろん、そんなにうまい話がある訳ではないので、その代わり返済期間が延長となります。

そのため、借金総額が半分に減るというわけではなく、総額を変えずに返済のペースを変える方法だと考えましょう。

1回の申請で適用されるのは1年となっていますが、繰り返し申請することによって、最長10年まで延長が可能です。完済までの期間が延びるのは大きなデメリットではありますが、現在の経済状況を好転させることは可能です。

 

返還期限猶予制度を利用する

返還期限猶予制度とは、一定期間返済を待ってもらう制度です。待ってもらっている間にお金を貯めたり、収入を増やすことができれば、その後はきっちりと返しやすくなるでしょう。

各奨学金窓口に相談し、猶予が認められれば、承認期間は返済しなくても良くなります。返済猶予期間分は1回の返済金額に積み上げるのではなく、完済終了機関が伸びる形となります。延滞金も課されませんので、返済再開後に負担が増えることもありません。

返還期限猶予制度が認めらえるケースは以下のとおりです。

理由 概要
留学 海外留学にて大学に入る場合に猶予可能
国内の大学や大学院などに進学 進学の場合、卒業後1年以内は入学準備中にて猶予可能。防衛大学校、気象大学校、国立看護大学校などに在籍中も猶予可能
国内外で研究員として勤務 研究員勤務で低収入の場合は猶予可能
新卒後低収入 低収入や未就職の場合に猶予可能。ただし、直近3カ月分の給与明細や求職中の証明書類が必要
その他 事故などのアクシデントや被災、産休や育休、経済困難な場合猶予可能。ただし、経済困難な場合は所得証明書の提出が必要

 

債務整理をする

上記の制度を利用しても成り立たない場合には、債務整理を検討しましょう。債務整理とは法的に借金を整理する方法で、弁護士や司法書士に相談することでスムーズに手続きが可能です。

債務整理をしてしまうと、5年~10年の間はローンを組むことやクレジットカードの発行ができなくなりますが、借金の負担は一気に軽くなります。今後の長い人生を考え、早めに借金をリセットしたい場合に検討しましょう。

債務整理にはいくつかの種類があります。以下にて簡単にまとめます。

債務整理の種類 概要
任意整理 長期分割や将来利息軽減など、借金の負担を軽くする方法
個人再生 住宅や車などの財産処分なく、借金を5分の1程度に減額してもらう方法
自己破産 財産を全て処分する代わりに借金を帳消しにする方法

 

奨学金が返せない場合の対処法&滞納リスクに関するまとめ

奨学金利用者は130万人以上で、そのうち遅延を起こした人は30万人以上となっています。多くの人が奨学金の返済を潤沢にできていないことが見て取れます。

しかし、奨学金を滞納すると、遅延金の支払いや一括返済、信用情報にキズがつくなどのリスクがあります。

どうしても返還できない場合は、減額返還制度や返還期限猶予制度のほか、債務整理をするなど、早めの対策を取りましょう。対策が早ければ早いほど、その後のライフプランを立てやすくなります。

 

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