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終身保険は、安い保険料で安心できる?高ければ良い?契約加入前にチェックしておくべきポイントを紹介

終身保険は安い保険料で安心できる?高ければ良い?契約加入前にチェックしておくべきポイントを紹介

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佐藤 元宣

佐藤 元宣

佐藤元宣FP事務所代表、日本FP協会CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士。 税理士や社会保険労務士といった士業事務所経験と保険代理店を行った経験などを活かし、生活する上で避けて通れない「お金」の相談に幅広く応じている独立系FP。家計の収支状況と専門性を融合したプランニングを提供しています。

この記事のポイント

  • 終身保険の支払保険料を安く抑えるために必要なことを紹介しています
  • 終身保険の支払保険料が割安になる仕組みを紹介しています
  • 終身保険は、安い保険料で安心できるのか?高ければ良いのか?について1つの考え方を紹介しています

終身保険は、保険の保障対象になる被保険者が、死亡や高度障害になった場合に保険金が支払われる生命保険ですが、定期保険や収入保障保険などといった基本的に掛け捨ての生命保険に比べて保険料が割高な特徴があります。

ただし、終身保険は、物やサービスなどとは異なり、保険料が高ければ高い程、良い生命保険とは言い切れず、逆に保険料が低ければ低い程、悪い生命保険とも言い切ることはできません。

このようなことを踏まえまして本記事では、これから終身保険の加入や見直しを検討している方を対象に、保険契約の前にチェックしておくべきポイントを幅広く紹介していきたいと思います。

 

終身保険の支払保険料を安く抑えるために必要なこと

終身保険に加入するのであれば、できる限り安い保険料で、しっかりとした保障を準備しておきたいと思うのが、これから終身保険の加入を検討している方や見直しを検討している方に共通した考え方だと思います。

実際のところ、このような考え方を満たすことができる終身保険に加入することは可能なのですが、具体的には、以下のようなポイントをチェックしておくことが大切です。

 

①無駄な特約を付けない

保険契約をすることによって、無事、保険会社からの契約の引き受けが完了しますと、解約や告知義務違反をしない限り、そこから一生涯に渡って死亡や高度障害の保障が確保されることになります。

この時、一生涯に渡って死亡や高度障害の保障がされる部分を主契約と言いますが、保険契約の際に、医療特約や災害特約などのように、本来の加入目的とは別の保障も得られる特約を付ける方も多く見られます。

特約という名の保障がたくさん付加された終身保険は、別に抱き合わせ保険とも呼ばれ、何から何まで保障されるような完璧な生命保険に見えてしまう一方、特約のほとんどが保険料の掛け捨てであるため、無駄な保険料を長期間に渡って支払い続けてしまう大きな原因となります。

そのため、保険加入の目的を明確にし、無駄な特約を付けないことによって、支払保険料の安い終身保険に加入することができるようになるわけです。

 

②保険金額を低く設定する

終身保険の保険料を少しでも抑えたい目的や、保障よりも保険料を優先した生命保険への加入を検討している方であれば、保険金額を低く設定することによって、安い保険料で終身保険に加入することができます。

ただし、生命保険に加入する本来の目的を考えますと、何かあった時の経済的な損失を補てんする目的や生活保障といったこともあるため、これらの目的がはたせないような生命保険に加入することは絶対に避けておきたいものです。

なお、終身保険で死亡保障を考える上では、現在加入している国民年金や厚生年金保険といった公的年金から遺族年金が支給される場合があるため、遺族年金も考慮して終身保険に加入することによって、安い保険料負担で死亡保障が得られるメリットもあります。

 

③年齢が若い内から終身保険に加入する

こちらは終身保険に限ったことではありませんが、年齢が若い内から終身保険に加入することによって、支払保険料が安くて済むことにつながります。

終身保険は、契約加入することで保障が一生涯に渡って続くことから、保険金額の大きな終身保険に若い内から加入することができれば、安い支払保険料で一生涯の資産を準備できるメリットは極めて大きいと考えられます。

 

④保険料払込期間を長くする

保険料払込期間とは、保険料を支払い続けていく期間のことを言い、たとえば、保険料払込期間が10年であれば、10年間に渡って保険料を支払うといったイメージになります。

保険料払込期間は、終身保険を販売している生命保険会社によって選ぶことができる期間が異なっておりますが、保険契約から保険料払込期間までが長ければ長い程、支払保険料が安い特徴があります。

ただし、長期的な総支払保険料といった面から見ますと、保険料払込期間までが長ければ長い程、負担する支払保険料は多くなりますので、目先の安い保険料だけではなく、先を見据えて契約方法を検討するのが大切です。

 

⑤低解約返戻型の終身保険や変額終身保険に加入する

終身保険には、さまざまな種類の終身保険が販売されており、具体的には、低解約返礼型終身保険、積立利率変動型終身保険、変額終身保険、外貨建て終身保険などがあります。

これらの終身保険は、実際に販売している保険会社によって取り扱いの有無がわかれていることから、すべての保険会社がすべての種類の終身保険を販売しているわけではありません。

仮に、安い保険料で終身保険に加入したいのであれば、加入目的をあらかじめ明確にしておくといった前提で、低解約返戻型の終身保険や変額終身保険に加入することで支払保険料が安く抑えられます。

 

支払保険料が割安になる仕組みも知っておこう

終身保険に加入する上で、すべての保険会社に共通していることではありませんが、支払保険料が割安になる仕組みがありますので、終身保険の加入や見直しを検討されている方は、以下の内容を併せてチェックしておきたいものです。

 

優良体(健康体)の場合に安い保険料率が適用される

終身保険に申し込んだ時の身長・体重・血圧・尿検査等について、保険会社が設定している一定の基準を満たしている場合は、通常より安い保険料率が適用される場合があります。

これによって、支払保険料を安く抑えることができますが、おもに大きな死亡保障を準備するために加入される定期保険や収入保障保険などで取り扱われています。

 

たばこを吸わない方に安い保険料率が適用される

過去1年間や2年間といった期間に煙草を吸っていない場合、通常より安い保険料率が適用されるため、支払保険料が安くなりますが、こちらもおもに大きな死亡保障を準備するために加入される定期保険や収入保障保険などで取り扱われています。

なお、先に紹介した優良体(健康体)でたばこを吸わない場合は、支払保険料がかなり安くなることも期待できます。

 

解約返戻金に縛りを設けた無解約返戻金型や低解約返戻金型を選ぶ

低解約返戻型の終身保険や変額終身保険に加入することは、すでに紹介した通りですが、解約返戻金がまったくないタイプの無解約返戻金型の終身保険に加入すると安い保険料で終身保険に加入することも可能です。

 

通販やインターネット専用の終身保険に加入する

私たちが負担する生命保険料の中には、保険会社の店舗や人件費にかかるものや保険代理店に対する代理店手数料も含まれることになりますので、通信販売やインターネット専用の終身保険は、コストが抑えられている分、安い保険料負担で済むことになります。

ただし、通販やインターネット専用は、加入がすべて自己責任となりますので、終身保険をはじめとした生命保険について詳しくない方や自信のない方にはあまりおすすめできる方法とは言えません。

ご自身が思い描いていた内容と異なっていたとしても後悔は先に立ちませんので、この辺のリスクをよく理解した上で活用するように心掛けておきたいものです。

 

終身保険は、安い保険料で安心できる?高ければ良い?

これまでのポイントをまとめますと、終身保険は、高ければ高い程、良い生命保険とは言えず、安い保険料であったとしても、無駄な特約を付けないことや公的年金制度にある遺族年金も考慮することによって、足りない保障部分に絞って効率の良い死亡保障が準備できます。

ただし、終身保険を活用した将来の資産形成を目的としているのであれば、考え方を変えていく必要性もあるため、ご自身が、なぜ、終身保険に加入するのか?といった加入目的を明確にした上で保険契約をしていかなくてはなりません。

こちらはあくまでも筆者個人の経験則となってしまいますが、終身保険に加入している場合で、粗悪な終身保険に加入している典型は、やはり抱き合わせ保険です。

抱き合わせ保険は、終身保険に医療特約や災害特約、介護特約などなど、さまざまな特約が付加されている保険のことを言い、さらに、主契約がほんのわずかといったケースが非常に多く見受けられています。

これでは、資産として残らない掛け捨て部分が多くなっており、いわゆる保険貧乏になる原因や何よりも支払保険料をただ捨てているといった負の連鎖を引き起こす大きな原因になっていることも実務経験を通じて率直に感じています。

 

まとめ

終身保険に加入する目的によって、保障の考え方は異なりますので、ただ契約加入すれば良いといったものではないと筆者は考えています。

個々によって、保障を優先する方、支払保険料を優先する方、将来の資産形成のために活用したい方など、さまざまな加入目的があるため、すべてをまとめて同じ契約にすることは適切な契約とは言えません。

そのため、終身保険の加入目的をまずは明確にし、目的を達成するためには、本記事で紹介したどのような部分を意識して考える必要があるのか、再度ご確認いただきまして、今後の参考にしていただければと思います。

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