- お金を増やすには「資産運用」が必要
- 資産運用はリスクとリターンを考える
- 初心者におすすめの金融商品(制度)は以下の3つ「投資信託・つみたてNISA・ロボアドバイザー」
公開日:2019年4月4日
将来に備えて資産運用を始めたいけど、種類が多くて迷っている初心者の方も多いと思います。そこで、
「なるべくリスクをおさえたい」
「少額から始めたい」
「簡単にはじめられる」
といったニーズに答えられるようなおすすめの資産運用方法を3つご案内します。
目次
資産形成には「貯蓄」と「投資」の2種類があります。貯蓄とはお金を貯めることで、銀行の預金などのことです。一方、投資とは利益を得ることが目的で、株や債券などを買うことです。大きく増える可能性がある代わりに、元本が減ってしまうこともあります。
一般に、資産運用とは「投資」のことを指します。銀行の預金などは、元本保証なのでお金が減ってしまうリスクはないものの、資産はほとんど増えません。資産運用(投資)をしてお金を増やしていく必要があるのです。
これまでは、株や投資信託など運用方法が限られていました。しかし、最近ではフィンテック(金融+IT)の発達によって、新しい運用手法が広がっています。そこで、初心者でも少額(1~10万円)から始められる金融商品をご紹介します。
まずは、資産運用における「リターン」と「リスク」の関係について確認しておきましょう。
リターンとは、収益のことです。そして、投資におけるリスクとは「結果の不確性」のことです。具体的には、リターンの振れ幅のことをいいます。以下の図をご覧ください。
有価証券Aと有価証券Bの価格の変動を示しています。有価証券Aに比べると、有価証券Bの方の価格の変動の幅が大きくなっています。この場合、有価証券Bの方が「リスクが高い」と判断します。
リスクの中でも代表的なのが、この「価格変動リスク」です。ただ、リスク(価格変動)が高いと損失をだす可能性もありますが、大きなリターンを狙うことができます。例えば、預貯金や、債券、投資信託、株式を比較してみると次のようになります。
この4つの金融商品の中では、株式が最も「ハイリスク・ハイリターン」になります。そして、預貯金が最も「ローリスク・ローリターン」となります。
初心者の方には、「ミドルリスク・ミドルリターン」である投資信託から資産運用を始めることをおすすめします。
投資信託とは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロに資産運用を任せることができる金融商品です。主に次の3つのメリットがあります。
株式や債券ではまとまった資金が必要になります。銘柄によって異なりますが、数十万~数百万円必要な場合もあります。しかし、投資信託なら1万円や1000円程度で始めることができ、100円から買えるネット証券もあります。初心者でも気軽にチャレンジできる金融商品です。
投資信託は、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が株式や債券に投資する商品です。
集めた資金をどのような銘柄で運用するのかを決めるのはファンドマネージャーです。
投資家は詳しい投資の知識やテクニックは必要ありません。誰でも簡単に始めることができます。
投資信託は、多いものだと数百~数千銘柄に「分散投資」されています。分散投資をすると、大きな値下がりで損失をだすリスクを軽減させることができます。「大きな損失が怖い」という初心者の方でも、投資信託なら始めやすいといえます。
投資信託のデメリットについても確認しておきましょう。
分散投資でリスクを軽減できる投資信託ですが、元本保証ではありません。プロに任せるとはいえ、運用がうまくいかなければ、値下がりして元本が減ることもあります。
株や債券は、売買手数料がかかるだけですが、投資信託は保有している時にも手数料がかかります。その手数料を「信託報酬」といいます。信託報酬は、投資信託を管理・運用してもらうコストで、保有している間支払い続けるコストです。銘柄にもよりますが、一般的に年間0.5~2%程度かかります。プロのファンドマネージャーに運用を任せることができる反面、その分費用がかかるのです。
投資信託を始める場合、非課税枠がある「つみたてNISA」を利用することをおすすめします。つみたてNISAの最大のメリットは、運用で得られた利益(値上がり益+分配金)に対して、通常20.315%(所得税+住民税+復興特別所得税)がかかりますが、これがゼロになることです。
例えば、投資信託を運用して20万円の利益が出た場合、40,630円(20万×20.315%)の税金がかかりますが、つみたてNISAならこの税金を支払う必要がありません。
つみたてNISAの投資対象は、金融庁の基準を満たした投資信託です。例えば、販売手数料がかからない(ノーロード)、信託報酬が一定水準以下(0.5%など)といった決まりがあります。
現在、販売されている投資信託は6,000本以上。この中から初心者の方が銘柄を選ぶのは大変です。つみたてNISAでは、160本程度に限定されているので、初心者も選びやすくなっています。年間投資上限は40万円、非課税期間は20年なので、最大800万円まで非課税枠を使うことができます。
出典:金融庁
なお、金融庁が厳選した投資信託とはいえ、元本が保証されているわけではありません。その点は注意しておきましょう。
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最低投資金額は10万円と、通常の投資信託と比べると少し多めですが、世界中の金融商品に分散投資することができます。ただ、ロボアドバイザーも分散投資でリスクを軽減させることができますが、元本保証ではないので気をつけましょう。短期的な値動きではなく、長期的な視点で考えることが大切です。
この記事では、初心者におすすめの資産運用について説明してきました。今回ご案内した金融商品(制度)の比較表は以下のようになります。
投資信託 | つみたてNISA | ロボアド | |
---|---|---|---|
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 10万円 |
期待利回り | 2~5% | 2~5% | 2~10% |
購入手数料 | 0~3% | ノーロード(なし) | なし |
運用手数料(信託報酬) | 0.2~2% | 0.2~1% | 1% |
銘柄数 | 約6,000銘柄 | 約160銘柄 | 10~30銘柄 |
税金 | 課税 | 非課税(上限年間40万円) | 課税 |
初心者の方には「投資信託」での運用がおすすめですが、まずは非課税枠が使える「つみたてNISA」から始めるようにしましょう。
非課税枠は使えませんが、運用の手間を省きたい方には「ロボアドバイザー」に全ておまかせするのもいいでしょう。
難しいイメージのある資産運用ですが、簡単に始められるサービスが増えています。まずは少額からでいいので、資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。