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【初心者向け】不動産投資の始め方と仕組みを解説!メリット&落とし穴を理解しよう

【初心者向け】不動産投資の始め方と仕組みを解説!メリット&落とし穴を理解しよう

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著者名

棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士、国土交通大臣指定 マンション管理士、ファイナンシャルプランナー

大手人材派遣会社に正社員として入社。 主要取引先であったJASDAQ上場(当時)の株式会社エイブルへ出向。 その後ヘッドハンティングされ、完全に移籍。およそ3,000人の社員の中で、トップセールスを記録するなどして活躍。 その後管理職として複数年勤務後、独立。 行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

この記事のポイント

  • 購入する不動産を担保にして高額な融資を受けられるので、少ない自己資金で大きな利益を出す「レバレッジ効果」が期待できる。
  • 不動産所得は不動産所得と給与所得を損益通算できることから、所得税や住民税を節税できる。
  • 自己資金ゼロのフルローンで不動産投資を始めると、家賃収入に対する毎月の返済比率が高くなって返済が苦しくなるという落とし穴がある。

不動産投資というと、ひと昔前までは地主や資産家がすることというイメージがありましたが、最近では、年収400万円前後の一般的なサラリーマンの方でも、大家さんとなって家賃収入を得る人が増えています。

そこで本記事では、これから不動産投資を始めてみようと検討中の初心者の方向けに、不動産投資の基本的な仕組みやメリット、始める際のポイントや注意すべき落とし穴などについて解説していきたいと思います。

 

不動産投資で利益が出る仕組みとは?

不動産投資で利益が出る仕組みとは?

不動産投資を始める前に、まずは利益が出る仕組みについて理解しておく必要があります。ここでは、不動産投資によって得られる2つの利益の仕組みについて解説していきます。

 

買値よりも高く売って利益を出す「キャピタルゲイン」

買った時よりも高く売ることで生じる売却益のことを、キャピタルゲイン」と言います。

昭和のバブル全盛期の頃は、今日買った物件が明日には値上がりしているような状況でしたが、近年は東京都心や開発が進んでいる北海道、沖縄などを除くと、キャピタルゲイン狙いだけで利益を出すことは難しいのが現状です。

 

家賃収入による「インカムゲイン」

投資によって購入した物件を他人に賃貸することで得られる家賃収入のことを、「インカムゲイン」と言います。キャピタルゲインに比べると、一度に得られる利益は少ないですが、長期的に持ち続けることでより多くの利益を生み出すことが可能です。

最近は、インカムゲインを老後の年金代わりに活用しようと考えて不動産投資を始める人が非常に増えています。

このように、売却益による「キャピタルゲイン」と家賃収入による「インカムゲイン」が、不動産投資の利益となる2本柱で、近年の傾向としては、インカムゲインの方が重要視されていることをまずは覚えておきましょう。

 

不動産投資の4つのメリット

不動産投資の4つのメリット

不動産投資は他の投資とは違い、次のような4つのメリットがあることから、富裕層だけではなく、一般的なサラリーマンからも多くの注目を集めています。

 

 

メリット1:少額の自己資金から始められる

投資をするためには、原則として投資をするための「自己資金」が必要になりますが、不動産投資の場合は、全額を自己資金で準備する必要はなく、物件価格の2割程度の自己資金があれば、あとは銀行から融資を受けて始めることができます。

つまり、少額の自己資金だけですぐに投資を始めることができるのです。

そして、毎月入ってくる家賃収入でローンを返済できるので、手出しによる出費というものはほとんどありません。

株式投資やFXなどについては、投資をするにあたって銀行に融資を相談しても、お金を貸してくれるところはまずないでしょう。

 

Qなぜ不動産投資は融資を受けられるの?

不動産投資で融資を受けられるのは、投資する物件自体を「担保」にできるからです。

通常、ローンを組む場合は本人の年収などの属性で審査されますが、不動産投資ローンの場合は、購入する物件自宅の評価額も審査に大きな影響を与えます。

一般的な収入のサラリーマンでも多額のローンが組めるのは、投資する物件自体の担保評価を利用できるからなのです。

 

Qレバレッジ効果とは?

ローンを組んで投資ができるということは、自己資金の何倍もの投資ができることになるため、収益についても何倍にも大きくなります。

このように少額の自己資金でより大きな利益をもたらす効果のことを、投資用語で「レバレッジ効果」(テコの原理)と言い、不動産投資の魅力の1つです。

 

メリット2:初めての人でもプロに任せられる

不動産投資は物件を購入するまでが投資家の主な仕事で、その後の賃貸運営については、ほとんどの部分についてプロである管理会社に委託することができます。

具体的に次のような業務については、すべて管理会社に委託することが可能です。

  • 入居者募集
  • 賃貸借契約の締結
  • 入居者管理
  • 家賃の集金代行
  • 入居中の諸修繕
  • 契約更新手続き
  • 退去立会い
  • 敷金精算
  • 原状回復工事

投資家自身がやらなければならないことはほとんどないため、専業投資家だけでなく、本業があるサラリーマンの方などの兼業投資家でも、本業に支障をきたすことなく不動産投資できる点がメリットです。

また、プロに任せられるため、不動産投資初心者の方でも安心して始められます。

 

メリット3:節税対策としてもおすすめ

不動産投資によって生じる家賃収入などの所得のことを「不動産所得」といい、確定申告においては他の所得と赤字を相殺する「損益通算」ができるという特徴があります。

例えばサラリーマンの場合、不動産所得において50万円の赤字が出た場合、その50万円をサラリーマンの給与所得から差し引くことができるので、確定申告をすることで一定の税金が還付されるのです。

 

ポイント:出費を伴わない魔法の経費「減価償却費」とは?

不動産投資が節税となるポイントは、減価償却費という魔法の経費に秘密があります。

不動産のうち建物部分については償却資産のため、購入価格を一括で経費として計上するのではなく、耐用年数に分けて毎年経費化していく減価償却という手法が採られています。

減価償却によって生じる減価償却費は、毎年経費として家賃収入などから控除できますが、実際に減価償却費という費用が生じているわけではありません。

つまり、キャッシュアウトしないのに経費になることから、魔法の経費というわけです。

減価償却費を活用することで、キャッシュフロー上はプラスなのに、不動産所得上はマイナス計上になり、結果として損益通算によって所得税や住民税が節税できます。

また、減価償却費以外にも、物件自体にかける火災保険や地震保険についても不動産投資の経費として計上できますので、節税に効果的です。

 

メリット4:乱高下が少ない

株式投資やFXといった投資については、1日の中でも値動きが非常に激しく乱高下するため、初心者の方については値下がりによる目減りという大きなリスクを負うこととなります。

一方、不動産投資の場合は一夜にして価格が暴落することはほとんどなく、比較的価値が安定しているというメリットがあります。

そのため、不動産投資初心者の方でも短期間で大損するようなリスクを負うことなく、長期安定的に投資することができるのです。

 

失敗しない不動産投資の始め方と落とし穴とは

失敗しない不動産投資の始め方と落とし穴とは

不動産投資の仕組みやメリットについてわかってきたところで、ここからは実際に不動産投資を始める際のポイントと、潜んでいる落とし穴について解説していきたいと思います。

 

始め方のポイント1:少額でも自己資金を準備する

不動産投資は自己資金ゼロからでも始められるとも言われていますが、失敗しないためには少額でもいいので、自己資金を準備することをおすすめします。

 

フルローン・オーバーローンの落とし穴

自己資金ゼロで物件価格の100%をローンで組むやり方であるフルローンや、その他の諸経費まですべて含めてローンにしてしまうオーバーローンといったやり方もあるにはあります。

ただ、ローンを組む金額が大きくなればなるほど、家賃収入に対する返済額の占める比率が高くなってしまい、キャッシュフローが厳しくなってきますので、失敗しないためにも物件価格の2割程度の自己資金はあらかじめ準備しましょう。

 

始め方のポイント2:初めての不動産投資は騙されやすいことに注意

不動産投資をするためには、まず不動産会社を介して物件を購入する必要がありますが、初心者投資家の場合は経験が浅いことから営業マンにいいように騙されてしまう傾向があるため、注意が必要です。

営業マンの中には、初心者投資家をターゲットにして、売れ残っている人気のない物件を買わせようとするケースも少なくありません。

 

営業マンを言い訳にする人は落とし穴にはまる

不動産投資に失敗した方と話をすると「営業マンの〇〇さんを信用したのに」というフレーズを必ずと言っていいほど耳にします。

初心者については物件の良し悪しを判断することが簡単ではないため、その部分を営業マンに丸投げしてしまう傾向があるのです。

営業マンを信用することは決して悪いことではありませんが、必ず物件自体の詳細を自分自身で見極めた上で、自分自身の意思で判断する意識を持ちましょう。

 

物件の選定方法のポイント

物件の選定方法のポイント

不動産投資で成功するために最も重要なことは、投資する物件の選定にあります。
ここでは、物件選定の2つのポイントとして、おすすめの物件の特徴と、物件の選定をする際の重要な指標となる利回りについて詳しく解説します。

 

 

ポイント1:おすすめの物件とは

次のような物件については比較的リスクが少なく、安定的に利益を出しやすいため初心者投資家におすすめです。

 

少額で始めるならワンルーム投資

不動産投資の王道と言えば、やはりワンルーム投資です。

日本は人口減少が続いているものの、単独世帯については増加しているため、ワンルームの賃貸需要は安定しています。

総務省の下記統計データによると、2040年には単独世帯の割合が全体の約40%にまで増加するとの予想がされているのです。

【総務省】第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長

ワンルームの区分マンションの場合、都内でも中古物件であれば1,000万円程度でも購入できるので、初心者の方が不動産投資の経験を積むには最適と言えます。

 

駅から徒歩10分圏内の住宅街の物件

物件を選定する上で非常に重要なポイントとなるのが「立地」です。
特に電車移動が生活の基本となる都心部の場合、最寄駅からの徒歩分数が賃貸募集した際の入居者の付き具合に大きな影響を及ぼします。

具体的に言うと、最寄駅から徒歩10分圏内の物件であれば、比較的安定的に入居者が決まるため、失敗する確率は低いでしょう。

徒歩10分以上の物件については、入居者が決まりにくくなるだけでなく、金融機関から見た物件の担保評価も低くなるため、希望する額の融資が受けられない可能性も出てきますので覚えておきましょう。

 

出費が少ない新築

不動産投資で失敗しないためには、できる限り予期せぬ出費を発生させないことが大切です。

ただ、不動産という物的資産に投資する以上は、保有している間にエアコンや給湯器、ガスコンロなどといった設備について修理や交換が必要になります。

中古物件に投資すると、設備についても古い状態からスタートするため、購入後の比較的早い段階で修理や交換が必要になるリスクがありますが、新築であればしばらくの間はそういった出費のリスクは回避することが可能です。

 

ポイント2:初心者投資家が必ず覚えておくべき用語「利回り」とは?

不動産投資で物件選定をする際に、絶対に知っておかなければならない指標が「利回り」です。

利回りとは、配当の元金に対する割合のことで、不動産投資に置き換えると、年間家賃収入の物件価格に対する割合となります。

例えば以下の2つの物件を比較する場合、利回り計算をすることで収益率のよい物件を見分けることが可能です。

  • 物件価格1,000万円で、年間家賃収入合計が60万円のマンションX
  • 物件価格1,600万円で、年間家賃収入が80万円のマンションY

利回り計算をすると次のようになります。

  • マンションX=6%
  • マンションY=5%

よって、マンションXの方が収益率のよい物件と判断することができるのです。

利回りは物件選定をする際の重要な指標となりますので、意味と計算方法について覚えておきましょう。

 

利回りを勘違いすると落とし穴にはまる

利回りには次の2つの種類があり、どちらの利回りを指しているのかによって、大きく意味が変わってきます。

  • 表面利回り(グロス利回り):年間家賃収入を物件価格で割った利回り。
  • 実質利回り(ネット利回り):年間家賃収入から必要経費を差し引いた実質的な収入を物件価格で割った利回り。

表面利回りについては、不動産投資で発生する経費である管理費や修繕積立金といった出費を一切考慮していない大まかな指標にすぎないため、実際の利回りを知るためには実質利回りで計算する必要があります。

ところが、募集広告や募集図面に表示されている利回り、さらには営業マンの口から発せられる利回りのほとんどは表面利回りであるため、初心者投資家がその利回りを見て、実質利回りと勘違いしてしまうケースがあるのです。

利回りという表記を見つけたら、実際の利回りと勘違いしないよう注意しましょう。

 

初心者向けの不動産投資に関するまとめ

不動産投資は様々な投資の中でも、銀行から融資を受けて投資ができるなど、他の投資にはないメリットがある点に大きな魅力があります。

初心者の方でも管理会社の力を借りることで、サラリーマンを兼業しながらでも問題なく投資することが可能です。

まずは、今回ご紹介した物件選定のポイントを参考に、物件選びから始めてみてはいかがでしょうか。

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