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一人暮らしの水道光熱費はどれくらい?料金相場&節約術を解説!

一人暮らしの水道光熱費はどれくらい?料金相場&節約術を解説!

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著者名

竹国 弘城

竹国 弘城

RAPPORT Consulting Office 代表、1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)、証券外務員一種

証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、お金に関するコンサルティング業務や執筆業務などを行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。RAPPORT Consulting Office 代表。1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)。

この記事のポイント

  • 一人暮らしの1カ月の水道光熱費の相場(平均額)は約1万2,000円。
  • 収入による水道光熱費の差は小さい。
  • 水道光熱費の節約には契約・設定の見直しと無駄使いをしない日頃からの行動が大切。

一人暮らしの水道光熱費の相場はどれくらいなのか。水道光熱費を抑えるにはどうすればいいのか。一人暮らしの水道光熱費の相場や節約術について解説します。

 

一人暮らしの水道光熱費の相場(平均額)は約1万2,000円

一人暮らしの水道光熱費の相場(平均額)は約1万2,000円

一人暮らし世帯における水道光熱費の相場は1カ月あたり約1万2,000円です

総務省の家計調査によると、一人暮らし世帯の水道光熱費の全国平均額は月1万1,849円(年間142,183円・2018年)。内訳は電気代が月5,852円、ガス代が月3,103円、上下水道料が月2,142円、その他光熱費(灯油代など)が月751円となっています(年間の平均額であり季節による変動もあります)。

一人暮らし世帯の水道光熱費 月平均額(2018年・全国)
単身世帯 (内 勤労世帯)
水道光熱費 1万1,849円 1万0,419円
(内訳) 電気代 5,852円 4,859円
ガス代 3,104円 3,162円
上下水道料 2,142円 1,973円
その他光熱費 751円 424円

 

居住形態による違い

居住形態別の水道光熱費の平均額は以下の通り。

居住形態別では「持家」世帯の水道光熱費が最も高く、特に電気代の高さが目立ちます。借家(賃貸住宅)に比べて部屋数が多い傾向があり、照明や冷暖房などにより多くの電気が必要になると考えられます。

給与住宅(社宅等)は水道光熱費が会社負担となるケースも多く、平均額は全体平均の半分以下となっています。

一人暮らし世帯の水道光熱費 月平均額(居住形態別・2018年・全国)
居住形態 水道光熱費 (内訳)
電気代 ガス代 上下水道料 その他光熱費
全体平均 1万1,847円 5,852円 3,104円 2,142円 749円
持家 1万3,702円 7,175円 3,073円 2,398円 1,056円
民間借家 1万0,273円 4,390円 3,612円 1,895円 377円
公営借家 1万0,382円 4,442円 3,179円 2,232円 528円
給与住宅
(社宅等)
4,802円 2,384円 1,277円 1,104円 37円
内 寮・寄宿舎 2,777円 1,449円 513円 799円 16円

 

性別・年齢による違い

性別、年齢階級別の水道光熱費の平均額は以下の通り。

女性のほうがやや高い傾向はありますが、性別による水道光熱費の差はあまり見られません。

年齢別では34歳以下の世帯の男女とも安くなっています。これは若年層は家を留守にする時間が比較的長いことなどが要因として考えられます。

一人暮らし世帯の水道光熱費 月平均額(性別/年齢別・2018年・全国)
性別 年齢階級 水道光熱費 (内訳)
電気代 ガス代 上下水道料 その他光熱費
男性 全体平均 1万1,121円 5,564円 2,989円 1,940円 628円
〜34歳 7,727円 3,395円 2,743円 1,484円 105円
35〜59歳 1万1,956円 6,038円 3,328円 2,083円 507円
60歳〜 1万2,306円 6,375円 2,826円 2,073円 1,031円
女性 全体平均 1万2,490円 6,106円 3,205円 2,320円 859円
〜34歳 7,698円 3,315円 2,515円 1,799円 68円
35〜59歳 1万2,351円 5,879円 3,725円 2,308円 438円
60歳〜 1万3,480円 6,721円 3,199円 2,429円 1,132円

 

収入による違い

収入階級別の水道光熱費の平均額は以下の通り。

収入による水道光熱費の金額差は見られず、消費支出に占める水道光熱費の割合は年収が低いほど高くなっています。

一人暮らし世帯の水道光熱費 月平均額(年間収入別・2018年・全国)
年間収入階級 消費支出 水道光熱費 消費支出に占める水道光熱費の割合 (内訳)
電気代 ガス代 上下水道料 その他光熱費
全体平均 17万4,682円 1万1,849円 6.8% 5,852円 3,104円 2,142円 751円
100万円未満 11万0,971円 1万1,487円 10.4% 5,529円 2,843円 2,078円 1,036円
100万円
〜200万円
12万5,050円 1万1,928円 9.5% 5,744円 3,062円 2,066円 1,057円
200万円
〜300万円
14万9,078円 1万2,174円 8.2% 6,009円 3,037円 2,332円 795円
300万円
〜400万円
17万3,183円 1万2,002円 6.9% 5,871円 3,215円 2,242円 674円
400万円
〜500万円
19万7,106円 1万1,576円 5.9% 5,641円 3,410円 2,009円 516円
500万円
〜600万円
21万8,022円 1万0,821円 5.0% 5,551円 2,943円 2,049円 278円
600万円以上 27万4,125円 1万1,419円 4.2% 6,276円 3,119円 1,745円 279円

 

都市規模・地域による違い

都市規模別、地域別の水道光熱費の平均額は以下の通り。

水道光熱費は都市規模が大きくなるほど安くなる傾向が見られます。これは一人あたりの供給コストが人口の多い地域ほど下がることなどが要因です。また北海道・東北地方では暖房用に使う灯油などの影響で、その他光熱費が多くなっています。

一人暮らし世帯の水道光熱費 月平均額(都市階級別/地方別・2018年)
水道光熱費 (内訳)
電気代 ガス代 上下水道料 その他光熱費
全国平均 1万1,847円 5,852円 3,104円 2,142円 749円
都市規模別
大都市 1万0,411円 5,137円 2,866円 1,932円 476円
中小都市 1万2,719円 6,460円 3,195円 2,346円 718円
小郡市・町村 1万3,004円 6,271円 3,330円 2,242円 1,161円
地方別
北海道・東北 1万4,771円 5,918円 3,357円 2,328円 3,168円
関東 1万1,234円 5,669円 3,098円 2,145円 322円
北陸・東海 1万2,193円 6,209円 3,166円 2,082円 736円
近畿 1万1,353円 5,897円 3,156円 2,057円 244円
中国・四国 1万1,755円 6,121円 2,857円 2,136円 641円
九州・沖縄 1万1,232円 5,673円 2,919円 2,144円 496円

 

電気料金とガス料金は利用する会社を選んで下げられる

電気料金とガス料金は利用する会社を選んで下げられる

今は利用者が電力会社、ガス会社を自由に選べるようになっており、より料金の安い会社を選べば電気代・ガス代を下げることができます。

従来の電力会社、ガス会社も相互に電力・ガス販売に参入しており、ひとつの会社で電気とガスをまとめて契約した場合に割引が受けられる特典などがあります。

 

 

電力会社は申し込みと契約だけで変更可能

2016年4月以降、利用者は電力会社を自由に選択できるようになり、選択次第で電気代を下げられるようになっています。

 

電力会社変更による電気代節約例

試算条件:東京電力管内・従量電灯B・30A・月間電気使用量170kWh(2019年9月1日時点)

電力会社 電気料金(月額・概算) 節約額
東京電エナジーパートナー 4,485円
ガスとのセット契約特典
・電気料金が月100円割引
・ガス料金が東京ガス一般料金より約3%割引(当初12カ月は+5%割引)
下町でんき 4,260円 225円
楽天エナジー
(楽天でんき)
4,420円 65円
+楽天ポイント付与

電力会社の変更では電気代が劇的に下がるわけではありませんが、一度変更すれば同じように電気を使っていても節約効果が持続するメリットがあります。今より料金が下がる電力会社があれば乗り換えを検討する価値はあると言えます。

 

電力会社との契約名義が本人であれば賃貸でも変更可能

電力会社の変更は、現在利用している電力会社の契約名義が本人であれば、賃貸住宅であっても居住者の判断で原則自由に変更できます。

 

必要な工事はスマートメーターの設置のみ

電力会社の変更に必要な工事はスマートメーターの設置のみ。送電線などはこれまでと同ものを使用するため、新たに電線を引くなどの大掛かりな工事は必要ありません。変更後の保守点検などは地域の電力会社(東京電力など)により引き続き行われます。

スマートメーター
通信機能を備え、電気使用量の遠隔検針、30分ごとの使用量計測などができるメーター。

スマートメーター

スマートメーターの設置は現在契約している電力会社が行い、原則無料です(交換工事費用が別途発生する場合もあります)。

 

ガスは大きく2種類

ガスは大きく都市ガスとLPガス(プロパンガス)の2種類に分けられます。

ガス料金は都市ガスよりもLPガスのほうが割高な傾向があり、利用条件が同じでも料金に2倍近い差がつくケースもあります。

都市ガス
・液化天然ガス(LNG)が原料
・ガス管を通じて供給されるため、ガス管が敷設されていない地域では利用できない
・1㎥あたりの熱量は約11,000kcal

LPガス(プロパンガス)
・液化石油ガス(LPG)が原料
・事業者がガスボンベを各家庭に配送して供給される
・1㎥あたりの熱量は約24,000kcal(都市ガスの約2.2倍*)

*LPガスの1㎥あたりの熱量(エネルギー量)は都市ガスの2倍以上あるため、同じように使えば都市ガスのほうが「使用量」は多くなります(ガスコンロなどの機器はガスの種類に応じて作られており、ガスの種類で火力が違うわけではありません)。

 

LPガスは競争が少なく料金が高止まりしている

LPガスの料金はガス会社(販売店)が自由に設定でき、消費者は本来利用するガス会社を自由に選べます。しかし競争が少なく料金が高止まりしていたり、利用者自身がガス会社を選べることを知らず割高なガス会社で契約していたりすることも少なくありません。

他に利用できるガス会社あるなら、まずは料金の見積もりを依頼して現在の料金と比較してみましょう。

 

賃貸住宅ではガス会社の変更は難しい

ただし賃貸住宅では大家さん(または管理会社)がガス会社と契約していることが多く、入居者の判断によるガス会社の変更は原則できません。大家さんの承諾が得られれば変更できますが、難しいケースが多いと言えます。

入居者自身が契約者となっており、ガス料金が明らかに相場(平均価格)よりも高いケースでは、ガス会社と個別に交渉して料金を下げてもらえる可能性はあります。

 

都市ガスであれば自由にガス会社を選べる

2017年4月以降、住んでいる地域でガスの提供・販売を行う事業者から利用者が料金プランやサービスを自由に選択できるようになっています。これにより選択次第でガス代を下げられるようになりました。

都市ガスであれば自由にガス会社を選べる

 

ガス会社変更によるガス代節約例

試算条件:東京ガス管内・月間使用量15㎥(2019年9月1日時点)

電力会社 電気料金(月額・概算) 節約額
東京ガス 2,887円
電気とのセット契約特典
・電気料金の0.5%相当額または基本料金から月270円(税込)割引
レモンガス 2,778円 109円
JXTGエネルギー
(ENEOS都市ガス)
2,770円 117円

 

ガス会社の変更は申し込みと契約だけ。工事などは不要

ガス会社の変更は乗換先のガス会社に連絡して申込・登録をするだけで完了します。

新規参入会社は従来の都市ガス会社に利用料を払い、既存のガス管などの設備をそのまま使ってガスを提供するため、変更に伴う工事などは必要ありません

変更後もガスの品質は全く変わらず、ガス設備の点検や緊急時の対応は従来の都市ガス会社によってこれまで通り行われます。

 

賃貸住宅でも戸別にガスメーターが設置されていれば変更可能

都市ガスの場合、賃貸住宅であっても戸別にガスメーターが設置されていればガス会社の変更が可能です。大家さんや管理会社の承諾は原則不要ですが、気になる場合には事前に連絡しておくとよいでしょう。

 

料金プランを比較して選択を

従来の都市ガス会社もさまざまな料金プランを設定しています。自由化後も従来の契約のままという人は、より有利な条件で契約できないかプラン変更や他社へ乗り換えた場合の料金を比較してみましょう。

 

一人暮らしの水道光熱費節約術

一人暮らしの水道光熱費節約術

水道光熱費の節約するには日頃から電気・ガス・水を無駄に使わないことも重要です。ここではすぐにできる節約方法をご紹介します。

 

 

【電気代】の節約術

  1. 適正なアンペア数で契約する
  2. エアコンの設定温度を上げる(下げる)
  3. エアコンのフィルターを月1〜2回掃除する
  4. 電気カーペットのサイズ・温度
  5. 電球をLEDランプに取り替える
  6. テレビの明るさを調整する
  7. 冷蔵庫にものを詰め込みすぎないようにする
  8. 冷蔵庫の設定温度を上げる
  9. 洗濯物をまとめ洗いする(電気代・水道代)
  10. 自然にある程度乾燥させてから衣類乾燥機を利用する
  11. 温水洗浄便座の設定温度を下げる

 

①適正なアンペア数で契約する

電気料金における基本料金は契約アンペア数が高いほど高くなります。同時に使用する電気量(アンペア数)よりも大きな容量で契約している場合、適正なアンペア数まで下げることで基本料金を抑えることができます。アンペア契約は1年契約が多く、頻繁に変更はできないため、1年で最も電気を使う時期を基準に設定する必要があります。

契約アンペアを下げる変更はブレーカー容量の変更だけで済み、賃貸住宅の場合も基本的に入居者の判断で変更できます。退去時に元に戻す必要があるかは、大家さんや管理会社に確認しておきましょう。

東京電力 従量電灯B 基本料金
(1契約あたり・2019年10月まで)
契約アンペア数 基本料金(税込)
10A 280円80銭
15A 421円20銭
20A 561円60銭
30A 842円40銭
40A 1,123円20銭
50A 1,404円00銭
60A 1,684円80銭

 

②エアコンの設定温度を上げる(下げる)

◎エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から28℃にした場合(使用時間:9時間/日・外気温31℃)

  • 年間約670円の電気代節約効果

◎エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日・外気温6℃)

  • 年間約1,170円の電気代節約効果

 

③エアコンのフィルターを月1〜2回掃除する

◎フィルターが目詰まりしていない状態を保った場合(目詰まりした場合との差額)

  • 年間約700円の電気代節約効果

 

④電気カーペットのサイズ・温度

◎必要以上に大きなサイズを使わない(3畳用→2畳用へ変更)

  • 年間約1,980円の電気代節約効果

◎設定温度を【強→中】に下げた場合(3畳用・使用時間:5時間/日)

  • 年間約4,090円の電気代節約効果

 

⑤電球をLEDランプに取り替える

◎54Wの白熱電球から9Wの電球形LEDランプに交換した場合

  • 年間約1,980円の電気代節約効果

 

⑥テレビの明るさを調整する

◎プラズマテレビ(42V型)の画面の輝度を【最大→中央】に調節した場合

  • 年間約3,340円の電気代節約効果

◎液晶テレビ(32V型)の画面の輝度を【最大→中央】に調節した場合

  • 年間約600円の電気代節約効果

 

⑦冷蔵庫にものを詰め込みすぎないようにする

◎詰め込んだ場合と容量の半分に抑えた場合の差

  • 年間約960円の電気代節約効果

 

⑧冷蔵庫の設定温度を上げる

◎設定温度を【強→中】にした場合(周囲温度22℃)

  • 年間約1,360円の電気代節約効果

◎冷蔵庫を壁から離す

上と両側が壁に接している場合と片側が壁に接している場合との比較

  • 年間約990円の電気代節約効果

 

⑨洗濯物をまとめ洗いする(電気代・水道代)

◎容量の4割を入れて洗う場合と、容量の8割を入れて洗う回数を半分にした場合との比較(洗濯・脱水容量6kg)

  • 年間約130の電気代節約効果
  • 年間約3,820円の水道代節約効果

 

⑩自然にある程度乾燥させてから衣類乾燥機を利用する

◎自然乾燥8時間後に乾燥機を補助的に使う場合と乾燥機のみで乾燥させる場合の比較(2日に1回使用)

  • 年間約8,680円の電気代節約効果

 

⑪温水洗浄便座の設定温度を下げる

◎便座暖房の温度を【中→弱】へ下げた場合(冷房期間はOFF)

  • 年間約580円の電気代節約効果

◎洗浄水の温度を【中→弱】へ下げた場合

  • 年間約300円の電気代節約効果

 

【ガス代】の節約術

ガスファンヒーターをつける時間を短縮する

◎1日1時間運転を短縮した場合(設定温度:20℃)

  • 年間約2,170円のガス代節約効果(+年間約80円の電気代節約効果)

 

シャワーの時間を短縮する(ガス代・水道代)

◎シャワー(45℃)の時間を1分間短縮した場合

  • 年間2,190円のガス代節約効果
  • 年間約1,000円の水道代節約効果

 

日頃の積み重ねが、一人暮らしの水道光熱費の金額に差を生む

水道光熱費は生活に欠かせない支出であり、明らかに無駄使いしているようなケースを除けば短期間で劇的に下げることは難しい支出と言えます。しかし、日頃の積み重ねが長い目で見れば大きな差を生みます。

水道光熱費を節約するには、ベースとなる電力会社やガス会社、契約内容などを見直すこと、電気・ガス・水を無駄使いしないような行動(生活)を心がけることがポイントです。

まずは一度行えば節約効果が持続する、契約や家電類の設定を見直すことから始めてみましょう。

光熱費を含めた生活費の見直しについては、以下の記事をご覧ください。

 

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