- 老後を脅かす原因はお金にある。
- 今から始められる事を早く実践する。
- 今は自助努力が必要な時代。自分の身は自分で守る事が必要。
公開日:2020年1月17日
今回は老後に関する解説になります。漠然としていますが、何歳から老後と言うのか、自分は老後どんな生活を送っているのか、お金は足りているのかなど様々なお声を聞きます。今回のテーマは老後に対する不安を解消する解説になりますので、最後までお付き合い下さい。
最近TVや雑誌でも老後に関する話題は至る所で見たり、聞いたりする事が増えてきました。確かに社会問題を取り上げる事がマスコミの仕事ではありますが、なぜこの様に大きく取り上げられる様になったのでしょう。私が考える一つの要因として時代の変化があると考えています。
これまた漠然としたタイトルになりましたが、具体的に解説すると、自助努力をしなければならなくなったという事が一つの答えです。かつて日本は高度経済成長に伴い、仕事やお金が溢れバブルというものも経験した事がある方もいらっしゃるかと思います。
しかしそのバブルは弾け、不景気に突入しました。今でこそ経済を立て直すべく様々な金融緩和や政策を打ち出していますが、景気が良くなったと実感するまでには至っていない様に思います。ではなぜ自助努力が必要になったのでしょう?
以下にバブル期と、バブル以降の違いを箇条書きにしてみたいと思います。
この様に対照的な変化になっていると思います。また、かつては国や会社が最後まで面倒を見てくれる時代でしたが、今では国や会社をアテにする事は出来ない時代になりました。定年後の不安が大きくなるのはお金が必要だからです。
ではお金の不安を解消するためにはどうしたらいいのでしょう?自助努力と言っても何から手を付けたらいいのか?何を始めればいいのか?分からない事が多いと思います。ここからは解消する為の4つのポイントを挙げていきますので参考にしてみて下さい。
2019年に厚生労働省が発表した老後資金は2,000万円必要だというコメントを皆さんも聞いた事はあるかと思います。聞いただけでストレスが溜まったという方も少なくありません。この金額は正しいのかどうかですが、私はあながち間違いでは無いと思っています。
理由を補足すると、一つは健康面が大幅に改善され長生きをするからです。例えば65歳で定年退職をし、以後働かないという前提で話を進めます。現在日本人の平均寿命は男性が81歳、女性は87歳と毎年のように伸びています。あくまで平均ですので、平均以上に長生きする方もいらっしゃる訳です。
では寿命を90歳までと仮定した場合、25年間に渡って生活をする事になりますよね。この時に毎月の生活費と年金受給額を計算してみたいと思います。
始めにアンケートを基に、おおよその生活資金をここで解説しておきます。ゆとりある老後生活資金はいくらあれば良いでしょう?という質問に対し、回答が1ヶ月約35万円であることが生命保険文化センターのアンケートで判明しています。(ご夫婦での生活費です)
この「ゆとり」とは何かを我慢せずに好きなものを買ったり、食べたりとできる事を指します。では次に年金がどれ位受給できるかという事ですが、憶えておいて欲しいキーワードがありますので、解説を挟んでおきます。
所得代替率とは、簡潔に言うと、今受け取っている給料の何%が年金として受給できるようになりますという、厚生労働省が発表している数値の事です。厚生労働省の発表では50%となっており、月給30万円であれば単純に計算しても月15万円の年金であるという事です。
簡単な計算で上記の結果を試算すると、次の様になります。(入ってくるお金に関してはご夫婦2人とも共働きであるという事で計算してみます)
差額は1,500万円となります。上記の試算はご夫婦共に月給30万円のお給料を貰っている場合で計算していますので、ご主人が正社員、奥様がパート等であれば差は開く事になります。
この試算結果はざっくりとしたものですが、今受け取っているお給料や生活環境は各ご家庭で異なりますので、一概には言えませんが、老後に対する資金の必要性はご理解頂けたかと思います。
まずやっておきたい事は、今の生活費を洗い出してみましょう。手っ取り早いのは家計簿です。というのも、生活費に関してはあまりブレる事が少なく、今の生活水準が老後に移行する事が殆どです。お子様の教育費等は省いておいて下さい。必要生活資金が大きくなりすぎてしまいますので。
この現状把握を行う事で、メリットとして老後の生活資金のイメージが持てる事、把握する過程で無駄かな?と思える所が浮き彫りになるという事です。その項目が食費なのか光熱費なのか、携帯代なのか、保険料なのかは各ご家庭で違いますが、一番早く見直せる箇所は保険と携帯です。
安くする事で機能や保証を損なっては意味がありませんが、今では比較する事もできますので、一度確認しておきましょう。
私もFPとして長い事やっていますが、お金の管理をご夫婦のいずれかに任せているといったご家庭が圧倒的に多く、支払いの事等、ご存知無いご主人、奥様を沢山見てきました。
これはこれで上手くいっているのだと思いますが、老後資金を確保する為には、ご夫婦での協力無くしては上手くいきません。金銭的な事に関してはご夫婦で共有しておきべきであるというのが私の見解です。
中にはご主人や奥様に言えない内緒の借金などあるかもしれません。しかし、借金も必ず返さなければなりませんし、2人3脚で老後まで、そしてその先へ向かっていかなければなりません。しっかりと将来の事について話合う機会を設けておきましょう。
このライフプランのメリットは多くあり、先々のご家族の進学等のイベントが一目で分かる事や、資金計画をシミュレーションできる点は大きなメリットです。この資金計画が分かると、対策も立てやすいですし、使える時間からお金を増やすための効果的な金融商品も絞る事ができます。
誰がやってくれるのかという事ですが、FP事務所の方や、保険会社の方、銀行、不動産と多岐に渡ります。ひょっとすると受けた所でセールスされる可能性もありますので、少し心構えだけしておいて下さい。
老後に必要な資金がある程度明確になったら、次にする事は金融商品を選択する事になります。預貯金なのか、保険なのか、投資信託なのか、株や不動産投資なのか様々あり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
特に日本人に馴染み深いのは預貯金、保険でしょう。これまで元本保証という事が日本人の性格にピッタリとハマっていたからです。
しかし、ご存知の様に預貯金の金利はほぼ無いに等しいですし、保険に関しても、最近の保険では依然と比べると格段にパフォーマンスが低下しています。投信や株に関しては、未だ手を付ける事が少なく、まだまだ未開拓ではないでしょうか。
金融商品を選ぶとき、何を意識しますか?メリットやデメリットもそうですが、将来どれ位の金額に増やせるかという点は外す事はできません。
老後に2,000万円不足しますと分かっていて金利の低い商品のみで積立する場合、かなりの金額を積み立てなければなりません。この場合分散してリスクを小分けにする事が最も効果的です。
一つの金融商品に絞らず、預貯金、保険、投信と分けておきましょう。当然利率、リスクも異なりますが、リスクばかり怖がっても仕方ありません。またリスクを分かった上で、受け入れる事が出来るのか、出来ないのかという点が非常に重要です。
預貯金以外の金融商品は必ず担当者の説明やネット上での解説を確認しますが、話を聞いた・確認した上で、自分なら続けられるものを選択すべきです。
選択する事に満足した商品であれば長続きはするでしょう。しかし、担当者の話を聞いてもイマイチ…どうしてもリスクが気になって仕方ないという事もあるかもしれません。そんな心境で始めると、結果途中で止めてしまう事が起きてしまいます。
金融商品の特性は金利が高いものであればあるほど、複利効果が望めますので、少なくとも15年以上はコツコツ続けていくしかありませんし、15年を超えると予想以上のパフォーマンスを発揮する事が一般的です。
続けられる金融商品に出会う為、しっかりとメリット、デメリット、リスクやリターンを考えバランスよく分散させる事が必須です。
お金の勉強と言っても、専門性の高い知識から、生活の節約術まで幅広い意味で考えて下さい。例えばモノを買う時には還元性の高いクレジットカードを使いポイントを貯める事も一つでしょう。
また節約術でも携帯や保険見直しなどは少し地道かもしれませんが、店舗や保険代理店を2、3軒回ってみて確かめる事も良いかもしれません。
少しの知識を知っておく事で担当者の言いなりにならなくて済むようにするのも自助努力の一つだと思います。ほんの少しでもいいので毎日すこしずつ金融に触れるだけでもいいですから、情報収集して有益な情報かどうか判断しましょう。
今回は老後不安を解消するための4つのポイントを解説しましたが、将来を支えるのは自分だと思って老後に備えて頂ければと思います。決して楽ではないですが、自分の身は自分で守る時代の中で生きていますので、その点を踏まえて出来る事から実践して一歩を踏み出して下さいね。
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