- 教育ローンを目に見える金利だけで選んではいけないことがわかります。
- 教育ローンについて、3つのリスクを想定した考え方と対策方法を紹介しています。
- 教育ローンのリスク対策に必要なことを再確認できます。
公開日:2018年11月8日
教育ローンの借入を検討しているすべての方は、教育ローンの借入に伴う金利が高いのか低いのかを確認することと思います。
実際のところ、教育ローンの金利の高低は、完済まで負担しなければならない支払利息に大きな影響を及ぼすことになるため、誰でも当然に確認する事項となりますが、本記事では、あえて金利以外の部分について着目した教育ローン選びと対策を紹介していきます。
具体的には、リスクの想定と事前対策となりますが、金利以外の部分に着目する教育ローンの考え方として参考にしていただければ幸いです。
教育ローンについての基礎知識はこちらの記事をご覧ください。
目次
本題に入る前に、教育ローンの金利状況について、ざっくり紹介しておきたいと思いますが、教育ローンには、大きく国の教育ローンと民間の教育ローンの2つにわけられる特徴があります。
実際のところ、国の教育ローンの方が、民間の教育ローンに比べて低金利で、かつ、固定金利であるため返済負担が重くならないことは確かですが、国の教育ローンを借入するには世帯状況が大きく関係します。
出典:日本政策金融公庫 ご利用条件 ご利用いただける方(世帯年収(所得)の上限額について)
また、国の教育ローンは、借入することができる金額が民間の教育ローンに比べて少ないデメリットがありますので、必要としている教育資金をすべて借入できるとは限らない点に注意が必要です。
なお、民間の教育ローンは、金利は高めに設定されておりますが、世帯状況が問われることはなく、かつ、借入金額が多めに設定されているものの、それぞれの金融機関によって融資条件がまったく異なるため、比較検討をすることが必須となります。
教育ローンを金利以外の項目で検討する際には、リスクを想定した教育ローンの借入を検討することがとても重要になってきます。
ここで言うリスクの想定とは、病気・事故・倒産・解雇・死亡などがあげられ、これらの偶発的なリスクが生じた場合にどのように対応をする準備ができているのかといったことを指します。
また、前述したリスクが、教育ローンを借入する前、教育ローンを借入している在学中、卒業した後の返済途中など、それぞれのケースによって生じた場合の考え方や対策方法も異なると考えられます。
このような理由から、これらのリスクも想定した教育ローンの借入について考えることも大切であり、以下、参考となりますが、考え方や対策方法を紹介しておきます。
教育ローンを借入する前に、病気・事故・倒産・解雇・死亡などといったリスクが生じてしまった場合、何よりも考えられる一番の懸念は、教育ローンの審査に通過せず、借入ができなくなってしまう危険性が高くなってしまうことがあげられます。
教育ローンは、国の教育ローンや民間の教育ローンを問わず、安定した収入が得られている方に対して融資されるものであることを考えますと、少なくとも、病気・事故・倒産・解雇といったリスクが教育ローンを借入する前に生じた場合は、安定した収入が期待できず、教育ローンの借入ができなくなってしまう危険性が高まります。
また、教育ローンの審査項目の中には、勤続年数も問われるため、特に、教育ローンを借入する直近で倒産・解雇・転職といった事情が発生した場合は、教育ローンの借入が相当難しくなってしまう可能性も否めません。
教育ローンを借入する前のリスク対策として、最も効果的なのは、夫婦共働きであることだと筆者は考えています。
この理由として、仮に、夫婦のいずれかが病気・事故・倒産・解雇・死亡などのリスクに直面してしまったとしても、もう一方に安定した収入や教育ローンを借入できる信用があれば、少なくともリスク回避が可能になると考えられるからです。
ちなみに、病気・事故・死亡といったリスクに対応するには、現在加入している生命保険や損害保険などを見直して保障内容を確認することで足りると考えられます。
なお、こちらは筆者が実務経験を通じて感じていることとなりますが、仮に、夫婦共働きであったとしても、いずれも多重債務に陥っている場合は、早急な対策が必要です。
言うまでもなく、多重債務に陥っている場合は、安定した収入や勤務実績があったとしても教育ローンの借入が難しくなりますので、この部分は特に注意が必要であり、直ちに改善するのが難しい場合がほとんどとなります。
教育ローンを借入している在学中に、病気・事故・倒産・解雇・死亡などといったリスクが生じてしまった場合は、やはり、借入している教育ローンの返済が滞ってしまうリスクが考えられます。
教育ローンを借入している在学中にリスクが生じた場合の対策としては、教育ローンの支払利息のみの返済にすることが最も効果的だと筆者は考えています。
実際のところ、教育ローンを取り扱っているほとんどの金融機関では、在学中の教育ローンの返済について、支払利息のみを返済する方法を認めており、この方法を選択することによって、家計の支出負担は相当軽減されることは確かです。
ただし、完済までの総返済金額は、毎月返済していく場合に比べて多くなること、リスク発生によって新たな教育ローンの借入が難しくなってしまう懸念が生じることは押さえておきたいポイントです。
なお、想定したリスクが生じなくとも、当初から教育ローンの返済を支配利息のみにすることも可能となっていますので、教育ローンを借入する前に返済シミュレーションと家計確認をしておくことが重要であることは言うまでもありません。
卒業した後の返済途中にリスクが生じた場合は、教育ローンの返済元金と支払利息をいずれも返済しなければなりませんので、こちらも借入している教育ローンの返済が滞ってしまうリスクが考えられます。
卒業した後の返済途中にリスクが生じた場合の対策として、最も手っ取り早いと思われるのは、家族全員で協力して教育ローンの返済を行っていくことだと筆者は感じています。
一時的に社会人になった子供にも協力してもらったり、周りの親族から一時的な資金の借入や援助なども検討した対策を取られることをおすすめします。
なお、周りの方の協力を得ずに自分たちで解決する考え方を持つことはとても素晴らしいことですが、消費者金融からの借入や銀行系カードローンを借入してその場しのぎをすることだけは絶対に避けるようにして下さい。
現時点で、教育ローンの返済に対応できていないということは、これらを利用したお金の借入は、多重債務や最悪、自己破産への第一歩であり、目先のことだけを考えるのではなく先を見据えた対策を取ることが極めて重要なのです。
これまで、教育ローンを借入する前、教育ローンを借入している在学中、卒業した後の返済途中にリスクが生じた場合の対策方法などを紹介しましたが、これらすべてのリスクに対応した対策は、やはり計画的な教育資金準備が効果的です。
積立預金、学資保険、積立投資など、長い時間をかけて少しずつ計画的に教育資金準備をすることによって、多額な教育ローンを借入する必要も無くなり、返済が滞るリスクも減少することにつながります。
教育ローンの借入は、金利を重視することは決して間違ってはおりませんが、これまでのリスクを踏まえますと、金利だけではなく万が一のリスクに対応できる教育ローンを選ぶことが大切だと言えます。
以下、教育ローンを選ぶ上で確認しておきたい事項を箇条書きで紹介しておきますので、教育ローンを比較検討する際の参考にされてみることをおすすめします。
教育ローンの借入を検討する上で、金利以外に着目する必要性が高いことについて本記事を通じて再確認することができたと思います。
本記事で紹介したリスクは偶発的なものである一方、絶対に避けられるリスクではないことから、万が一の事態に備えた事前対策がどうしても必要になってくることは言うまでもありません。
備えあれば憂いなしとは、よく言ったもので、教育ローンや教育資金を準備する考え方として、ぴったりとあてはまることは確かだと筆者はいつも感じています。
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