- 積立型生命保険とは保険料としてお金を支払って資金をためつつ、契約期間中に保障がついている死亡保険のこと。
- 積立型の生命保険には、終身死亡保険、学資保険、個人年金保険、養老保険の4種類がある。
- 銀行預金には、普通預金、定期預金など7種類がある。
- 積立型生命保険は死亡保障がセットになっており、貯まった資金をすぐに下ろすことはできない。
- 積立生命保険では、満期以前に解約する場合払い込んだ保険料よりも戻ってくるお金が少ない場合があることに注意が必要。
公開日:2019年10月6日
いつまでにいくらの資金が必要かわかっている場合は、それに向けて資金をためる必要があります。代表的な資金は、学資・住宅資金・老後の資金です。これらの資金をためる方法はいくつかありますが、将来必要になる資金は貯蓄や定期預金、生命保険などで用意することが多くあります。
今回は生命保険の積立と、積立型生命保険と銀行預金の比較をご紹介します。
目次
積立型生命保険とは、保険料としてお金を支払い資金をためつつ、契約期間中に保障がついている死亡保険のことです。積立型生命保険の代表的な商品には学資保険があります。
学資保険は銀行に預けるよりも利率がいい場合があり、かつ、保険期間中は死亡保険がついているので、万一の場合は学資金が満額支払われます。このように、資金の積立を生命保険で行うと銀行に預けるよりもメリットがある場合があります。
ここでは積立型の生命保険の種類をご紹介します。資金の積立は目的と用途によっては銀行へ貯蓄するよりも生命保険で積立を行ったほうがいい場合があるので、ご自身がどういう目的で積立をされるのか考えながら読み進めてください。
以下にこれらの積立型の生命保険をご紹介します。
終身死亡保険は保障が一生続く死亡保険で、一定年数経過後は解約時に返ってくるお金が支払った保険料よりも多くなります。
学資保険は子どもの教育資金を準備するための保険です。
毎月一定額の保険料を支払いながら、お子さまの入学や卒業に合わせてお祝い金や学資金を受け取れます。被保険者である親に万一のことがあった場合は、以後保険料を支払うことなくお祝い金や学資金を受け取れます。
保険料の一括払いや、年払いを選択することで、月払いに比べて支払った保険料より多くの学資金を受け取れます。
個人年金保険は、契約時に定めた年齢になると年金を受け取れる保険です。
年金の原資を保険料として支払っていき、年金開始前に死亡した場合は死亡給付金が支払われます。個人年金保険への加入は銀行預金と違い、使いたいときにすぐおろせるわけではありません。満期以前に解約する場合は支払った保険料よりも少ないお金しか戻ってきません。
養老保険は一定期間保険料を払込み、満期時に死亡保険と同額の満期保険金が支払われる保険です。満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れます。現在、養老保険よりも返戻率の高い終身死亡保険が販売されているので、そちらに加入される方が多いです。
積立型の生命保険の対義語として掛け捨て型の生命保険があります。掛け捨て型ですので保険期間が終わると保障がなくなり戻ってくるお金がありませんが、保険料は積立型に比べると安いです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
積立型生命保険 | 保険料を支払えば一定期間で必要な資金をためることができる。
契約期間は死亡保障ついている。 |
積立てる資金が保険料に含まれるため保険料が割高。
満期以前に解約すると支払った保険料よりも受け取るお金が少なくなる。 たまったお金はすぐにはおろせない。
|
掛け捨て型生命保険 | 保険料が安い。
|
保険期間が終わると保障がなくなり、戻ってくるお金がない。 |
前項までで生命保険で行う資金の積立をみてきました。ここからは積立型の生命保険と銀行預金の違いをご紹介します。
銀行で預金する場合、7つの預金があります。
普通預金はみなさんが普段お使いの銀行口座のことで、預け入れや払い戻しが自由にできます。また、自動支払いや自動受け取りが可能です。
定期預金ではあらかじめ預入期間を決めてお金を預け、原則満期日まで引き出しができません。一定期間預けるので金利が高いです。
総合口座は普通預金と定期預金などを組み合わせた口座です。ためる、増やす、受け取る、支払う、借りるといった機能があります。
当座口座は手形や小切手の支払いに使われる預金です。利息は付きません。
貯蓄預金は残高が一定以上あると普通預金より金利が高くなることが多い預金です。出し入れ自由ですが、自動支払い、自動受け取りができません。
大口定期預金は1,000万円以上の一括預け入れで利用可能な定期預金です。金額と期間に応じた金利が設定されます。
積立定期預金は、毎月決まった日に預金の積み立てを行う定期預金です。使用目的が決まっている資金の準備に利用されます。
積立型生命保険と銀行預金の共通点は「資金がたまる」点ですが、主な違いは3つあります。
積立型生命保険と銀行預金の大きな違いは、積立型生命保険は死亡保障がセットになっている点です。これは最大のメリットと言ってもいいです。
学資保険を例にすると、満期学資金が300万円だった時、契約直後に被保険者である親に万一のことがあった場合その後も保障は続き、満期時には学資金が満額支払われます。
一方で300万円銀行預金でためようとした場合、初回の入金後に親に万一のことがあったら口座に残っているお金しか残りません。
たまったお金を自由に使えるかどうかという点も積立型生命保険と銀行預金の違いとしてあげられます。
銀行預金は普通預金の場合、いつでも口座のお金を出し入れできますが、積立型生命保険は銀行預金のようにたまった資金をすぐにおろすことはできません。
積立型生命保険にもたまった資金を一定の利率で借りる契約者貸付という制度があります。ですが、契約者貸付はご自身がためた資金を保険会社に利子を払いながら借りることになります。そして請求をしてから口座へ振り込まれるまでに数日必要です(保険会社により異なります)。
万一の場合の受取人を指定できる点も積立型生命保険と銀行預金の違いとしてあげられます。
万一の場合に遺言などがないと預金口座は相続の対象としてみなされます。相続の対象になると相続権がある親族間で相続トラブルが起こる可能性があります。そうなってしまうと資金を残したい家族に全額渡せない場合が生じます。
その場合、積立型生命保険で受取人を指定していれば相続トラブルを回避でき、資金を残したい家族にスムーズにお金を残すことができます。
積立型の生命保険と銀行預金を比較しましたが、ここからは積立型生命保険の利点と注意点をあらためてご紹介します。
積立型生命保険のメリットは3つあります。
積立型生命保険のメリットは保険商品であることを最大限に活用している点です。万一の場合は必要な資金を指定した受取人に残すことができ、保険料を支払えば確実に資金をためることができます。
積立型生命保険の注意点は2つあります。
積立型生命保険の注意点は、満期以前に解約すると払い込んだ保険料よりも戻ってくるお金が少なく、たまったお金はすぐおろせない点です。
緊急にお金が必要になった場合、期待していた解約返戻金(解約した時に戻ってくるお金)を受け取れないかもしれません。積立型の生命保険で資金を積み立てられる場合はこれらのことにご注意ください。
これまで「生命保険でできる資金の積立」「生命保険の積立と銀行預金はどう違うの?」「積立型生命保険のメリットと注意点」を見てきました。
目的がしっかりしていて保険料を支払っていける場合は、生命保険で資金の積立をおすすめします。保障と貯蓄の2本立てができる積立型の生命保険で資金の積立という目標を達成してください。
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