- 40代貯金額の中央値は既婚で550万円、独身で25万円。
- 既婚、子アリなら子一人700万円貯金が必要。
- 本人達とともに「親の介護」に強い警戒を。
公開日:2019年9月8日
こんにちは、婚活FP山本です。一般的な40代といえば、教育費や住宅ローンがかさみ、思うように貯金ができない一方で、少しずつ老後が視野に入って焦り始める頃合いといえます。事情は周囲の皆も似たようなものの、お金の話は友人ともしにくいですから、つい「皆の貯金事情」って気になるものですよね。
そこで今回は、40代の平均貯金額とともに、今後の起こりうる支出イベントをお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。
目次
まずは統計を元に、40代の平均貯金額を確認しましょう。知るぽると(金融広報中央委員会)の平成30年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40代の既婚世帯の貯金額は以下のとおりです。
また、同調査の40代の独身世帯を対象にした調査では、以下の結果になっています。
昨今では共働きが一般的になりつつありますから、単純な貯金額では既婚世帯のほうが「貯めている」と言えそうです。しかし既婚世帯では約5人に1人、独身世帯なら5人に2人が無貯金ですから、中央値を見ても「皆さほど貯められていない」と言えるでしょうね。
例えば家を買えば貯金できていても負債を抱える事になり、子沢山なら将来的に教育費が沢山必要になります。一方、現代でも夫親と同居する夫婦もいれば子ナシ夫婦もいますし、何より「結婚しない人」も増加中です。本当に、人生も色々といったところでしょうか。
このため、一概に周囲と貯金額を比べてどうこう言えなくなってきたのが現代です。とはいえ、貯金は大切なものですから、貯めてる人はさらに貯め、できてない人はできるよう努めていきましょう。
次は40代の貯金の必要額についてです。最近では一概に言えないものの、それでも一般的な40代なら「結婚の有無」と「子供の数」が確定している頃合いになります。そして、結婚して子供を授かった場合は、子供が大学生になるまでに「一人700万円」が必要です。
この700万円とは、子供一人が私立文系大学に通う場合の4年総額の学費になります。国公立に通ったり理系に進んだり、留年や留学、下宿などで相応に上下しますが、ひとまずこのくらい必要です。他にも色々とお金は必要ですが、最優先で必要なのは学費でしょうね。
なお、どうしても700万円が貯められない場合は「奨学金や教育ローン」を使えますが、これらは結局、返済しなければなりません。その分だけ、さらに先の老後資金を圧迫しますから、できる限り使わないで済むよう貯金に励みましょう。
一方のシングルのままという方なら、特に目先で必要になるお金は無いものの、老後を見据えれば既婚者以上に貯金が必要になります。「何にいくら必要か」は、シングルか既婚かで大きく変わるものの、結局、最終的に大金が必要になる点は変わらないので注意が必要です。
なお、老後に必要な貯金額や老後対策が気になる方は以下記事も参考にどうぞ。
中には、その状況に陥らないと必要性が理解できない方がいますが、その状況に陥ってから準備を始めても手遅れと言えます。先人の経験と知識を得て、未来を考えて動きましょう。
今度は40代に必要な年収についてです。まず国税庁の平成28年「民間給与実態調査」によると、40代の年収は以下の通りとなっています。
最近では年功序列による年収アップが見込みにくく、非正規労働の台頭による格差も広がっています。その一方、まだまだ女性は結婚したら扶養の範囲で働くかたも多いです。このため、この統計を「平均」と読み解くには危険ですが、ひとまずの参考にしましょう。
同時に、この年収を上回っていれば、少なくとも「貯金できる土台」だけは出来ているともいえます。この年収を下回っている方は、まずはこれらを上回れるよう努めましょう。
プロとしてお伝えすると、ハッキリ言って年収に大きな意味はありません。意味がないというより、「年間いくら貯められたか」が重要です。仮に年収1000万円であっても、支出も1000万円で貯金がゼロなら、むしろ年収500万円の方より将来が危険といえます。
しかし0円では生活できず、子供がいるなら教育費も必要なので、最低限の年収も必要です。支出は上げず、その上で上げられた年収を貯金に回せるよう家計を管理しましょう。
今度は40代の婚活についてです。独身のまま40代ともなると、結婚を諦める方も多い一方で、色んな思惑から結婚を諦めきれない方も多いといえます。特に貯金やお金が気になる女性なら尚更でしょう。しかし、結婚は「した方が良い」とも言えないので注意が必要です。
そもそも、昨今の結婚には「離婚の可能性」が高めにあります。おそらく、あなたの周囲にも一人くらいいるのではないでしょうか。仮に夫婦仲は良好であっても、先ほどの統計でも5人に1人は既婚者でも無貯金です。お金で夫婦関係がこじれる事も多々あります。
何より、一般的には40歳を過ぎると途端に「リストラの可能性」が高まる訳です。相応に高年収な男性と結婚できても、その先に幸せがあるとは限りませんから、しっかり考えましょう。
先ほども触れた通り、子供は一人違うだけで700万円、教育費総額でいえば約1240万円違ってきます。しかも、将来的な子供の支援など期待できません。子沢山の世帯が輝かしく見える方も多いですが、お金に焦点を当てれば逆の見方すらできてしまうのが実情です。
それに40代ともなれば、男性は「年収が低いから」残っている事も多いので、余計に結婚した方が良いとは言えません。まずはしっかりあなた自身が自立していきましょう。
最後に40代が警戒すべきポイントについてです。結婚の有無に関わらず、40代が警戒すべきは「介護」になります。特に、未婚なら独居老人、既婚なら老老介護という本人達の介護も重要ですが、それ以上に「親の介護」を警戒しましょう。親はおおよそ70歳前後でしょうからね。
「介護離職」も一つの社会問題ですが、仮に離職しなくて良くても、親の経済事情によっては多額の援助が必要になります。運よく特養(特別養護老人ホーム)に入れればラッキーですが、入るには原則「要介護度4以上」が必要ですし、受入数にも限度があるため、入れない可能性も高いです。
なお、介護は「介護保険」の適用の範囲なら、負担は1割で済みます。しかしそれでも平均すると月3~4万円は必要になりますし、親がそれ以上を望むことも多いです。早めに親と話し合いながら、対策を取り始めましょう。
日本には様々なサポート制度がありますが、所詮はサポートであり、土台になる原資は本人達が用意しなければなりません。そして教育費にせよ介護費用にせよ、原資を用意する方法は、サラリーマンなら「コツコツ月額貯金」を重ねるのが一番の基本になります。
突然に誰かが大金を援助してくれる訳もなく、お金を借りれば利息を付けて返さなければなりません。このため、金銭的な困窮は更なる貧困を招くだけですから、そうなる前に少しずつ積み立てていきましょう。
40代といえば、60歳までの現役で考えれば後半に突入していますが、人生100年で考えれば半分にも到達していない年齢です。このため人生はまだまだ続き、様々なことにお金が必要になります。入ってくるお金には相応に限りがありますから、計画的に貯めて使っていきましょう。
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