- 1万円以内の少額で始められる金融商品はたくさんある。
- ポイント投資ならお金を使う必要もない。
- 少額から投資を始め、運用に慣れたら投資金額を増やしていくのがおすすめ。
公開日:2019年10月4日
投資には多くのお金が必要だと考えている人もいるでしょうが、1万円程度で始められる少額投資はたくさんあります。少額から投資を始めれば、失敗しても少ない損失で済みます。
「大きなお金を投資するのは怖い」、「まとまった資金が用意できない」という人は、少額投資から始めるようにしましょう。この記事では、おすすめの少額投資の種類や始め方について解説します。
少額投資とは、少ないお金で始められる投資のことです。5万円・10万円などいろいろな定義がありますが、1万円程度から投資できる金融商品をメドにすればいいでしょう。「低賃金でお金がなかなか貯まらない」という人でも無理なく始められる金額ではないでしょうか。
預貯金でお金貯めていくことも大切ですが、そこから投資へ一歩踏み出すかどうかで、最終的に貯まる金額は大きく変わってきます。
預貯金は元本保証でリスクが低く、お金を預けるには安全です。しかし、超低金利時代の今は、大手銀行の金利が普通預金だと0.001%、定期預金でも0.01%前後とお金を増やすのには向いていません。それどころか、インフレになるとお金の価値が下がってしまい、実質的には損失をだすことになってしまいます。
一方、投資の場合は元本が減るリスクはあるものの、長期間時間をかけて運用することで、資産を大きく増やせる可能性があります。
ただし、投資は余裕資金で行うようにし、生活費を投資に回すのは止めましょう。最低でも半年分の生活費を貯め、余ったお金を投資に回すようにします。
投資は知識だけ学んでも実際に経験を積まなければ上達しません。しかし、最初から大きな金額を投資すると、儲かることもありますが、損失も大きくなり投資を続けることが困難になる可能性もあります。少額投資であれば、万が一の場合でも損失額を抑えられます。
少額投資は、リスクを抑えて運用したい人や勉強を兼ねて投資を始めたい人に向いている投資手法なのです。
少額投資なら分散投資しやすいというメリットもあります。10万円で1つの金融商品を購入するより、1万円ずつ10の金融商品に分散投資する方がリスクを抑えた運用が可能です。
少額投資は損失額が少なく済むことはメリットですが、元本保証ではありません。マーケットの状況によっては、投資した金額よりも受取金額が減ってしまうリスクがあるという点には注意が必要です。
少額投資では大きなリターンを望めません。将来どの程度のお金を貯めたいのかを考え、最初は低額でも投資に慣れてきたら少しずつ金額を増やしていくようにしましょう。
1万円以内の少額で始められる金融商品には、以下のような種類があります。
最低投資金額 | |
---|---|
ミニ株 | 数百円 |
ワンタップバイ | 1000円 |
投資信託(インデックスファンド) | 100円 |
つみたてNISA | 100円 |
ロボアドバイザー | 1万円 |
ソーシャルレンディング | 1万円 |
ポイント投資 | ゼロ |
トラノコ | 5円 |
それぞれ詳しく解説します。
株の売買は、基本的に100株(単元株)単位で行います。株価が1,000円の株式を購入しようとすると、
の資金が必要になるのです。これでは、株式投資を始めようと思っても「ハードルが高い」と感じる人もいるでしょう。そんな人にはミニ株(単元未満株)がおすすめです。
単元未満株は一株単位で売買できるので、数百円から取引が可能です、株価1,000円の株を買う場合、一株1,000円で購入できるのです。通常の株式と同じように配当金も受け取ることができます。ただし、株主位優待を受け取るには、単元株に達する必要があります。
出典:SBI証券
SBI証券はネット証券最大手で、口座開設数や個人の株式売買代金シェアトップの証券会社です。単元未満株も業界最低水準の手数料で取引できます。
SBI証券の口座開設の方法は、以下の記事をご覧ください。
出典:ワンタップバイ
ワンタップバイは、日本初のスマホ証券として誕生。サービス開始から約3年で120万ダウンロードを突破しています。わずか1,000円からトヨタ自動車や任天堂、アマゾンやアップルなど日米の有名企業の株式を買えるのが魅力です。
日本株の取扱いは130銘柄、米国株40銘柄(ETF含む)です。
ワンタップバイの詳細は以下の記事を参考にしてください。
初心者は「投資信託」で少額投資を始めるのがおすすめです。それは、以下の3つのメリットがあるからです。
投資信託は、投資家から預かったお金を運用のプロであるファンドマネージャーが運用します。銘柄や投資判断をすべて任せることができるので、株式やFXのように常に相場をチェックする必要はありません。
投資信託は株式や債券、先進国や新興国など幅広い銘柄や地域に分散投資できます。
SBI証券などのネット証券なら100円から積立投資できます。気軽に投資を始められるというが投資信託の大きなメリットです。
しかし、投資信託の数は6,000本以上も種類があるので、選ぶのが大変だという人もいるでしょう。そこで、投資信託を選ぶポイントについて解説します。
インデックスファンドとは、指数に連動することを目指す投資信託です。インデックスファンドには、以下の3つのメリットがあります。
日本株の場合は日経平均株やTOPIX(東証株価指数)、米国株ならNYダウやS&P500などがベンチマーク(運用するための指標)になるので、ニュースなどで目にする機会も多く、値動きがわかりやすいという特徴があります。
指数がベンチマークなので、幅広い銘柄に分散投資できます。たとえば、TOPIXをベンチマークにしたインデックスファンドなら、東証1部全銘柄(約2,000)に分散投資しているのと同じ効果があるのです。
幅広い銘柄に分散投資しているので、値動きが比較的安定しているのが特徴です。ただし、元本が保証されているわけではないので注意しましょう。
インデックスファンドは、コストも安い傾向にあります。指数に連動する仕組みのため、個別銘柄を選択する手間がかからないので、運用コストを低く抑えることができるからです。
投資信託の運用を始めるときは、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税精度)を利用しましょう。
つみたてNISAとは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度。通常、投資信託の売却益(譲渡益)や分配金には、20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)の税金がかかりますが、これがゼロになります。
つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準であることや分配金が頻繁に支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した投資信託とETF(上場投資信託)162本に限定されていて、投資初心者が利用しやすい仕組みになっています。
メインはインデックスファンドなので、つみたてNISAの対象となっているインデックスファンドの中から商品を選ぶのもおすすめです。
なお、つみたてNISAを始める際におすすめなのは、業界屈指の格安手数料・豊富なサービス・商品ラインナップを誇るネット証券業界最大手のSBI証券か楽天証券です。
ロボアドバイザーを利用すれば、買付から運用・メンテナンスまですべて任せることができます。ロボアドバイザーとは、人工知能(AI)が人間の代わりに投資の提案や運用を行ってくれるサービス。年齢や年収などいくつかの質問に答えるだけで、最適なポートフォリオ(銘柄の組み合わせ)を決定してくれます。
ロボアドバイザーには様々なサービスがありますが、少額から始めるなら「THEO(テオ)」がオススメです。
出典:テオ
テオは「お金のデザイン」が運営するロボアドバイザー。ポートフォリオは最大30種類以上のETFから構成されています。投資先は世界86の国や地域におよび、最終的な投資対象は11,000銘柄以上です。徹底的な分散投資を行うことで、リスクを軽減しているのです。
最低投資金額は1万円。手数料は預かり資産の1%(3,000万円を超える部分は0.5%)ですが、利用状況に応じて最大0.65%に割引されるサービスもあります。
詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
ソーシャルレンディングとは、お金を借りたい会社(借り手)とお金を運用したい人(貸し手)をマッチングするサービス。ソーシャルレンディング事業者はインターネットを活用し、資産運用したい個人投資家から小口のお金を集め、企業に融資します。
サービスによるものの、最低投資金額は1万円で、5~10%程度と高い利回りが期待できるのが魅力です。おすすめのソーシャルレンディング事業者は、「SBIソーシャルレンディング」です。
SBIソーシャルレンディングは、融資残高355億円を突破しているソーシャルレンディング大手です。次の3つの特徴があります。
SBIソーシャルレンディングは1万円から投資できます。少額から気軽に投資できるのは大きなメリットです。
借り手は少ない金利負担でお金を借りる場所を求めていますし、投資家は利回りのよい金融商品を求めています。ソーシャルレンディングでは、銀行などから融資を受けづらいベンチャー企業などに資金を融資するので、通常よりも利回りが高い傾向にあります。
SBIソーシャルレンディングの名目利回りは3~10%と銀行預金に比べて高い利回りが期待できます。
利益は毎月分配されます。SBIソーシャルレンディングが運用するので、値動きのチェックをする必要はありません。一度始めたら手間がかからないというのもソーシャルレンディングのメリットです。
ただし、ソーシャルレンディングも元本保証の金融商品ではないので、損失がでるリスクがあります。
SBIソーシャルレンディングの詳細は、以下の記事をご覧ください。
ポイント投資なら、買い物などで貯まったポイントを使って株式投資や投資信託を購入できます。ポイントを使えば、お金を使うことなく投資を始められるのです。
仮に運用がうまくいかずにポイント減ってしまったとしても、自分のお金が減るわけではないので、リスクもありません。投資を始めるキッカケとしてポイント投資もおすすめです。
出典:SBI証券
SBI証券では、Tポイントを利用して投資信託を購入できます。Tポイントの1ポイント=1円分として計算し、100円分から投資信託を買付できます。ポイントを利用して投資できるので、実質的な負担はゼロ円です。
Tポイント投資の詳細は、以下の記事をご覧ください。
出典:トラノコ
トラノコとは、毎日の買い物のおつりで、自動的に世界中の資産に分散投資できるアプリです。
トラノコが提携している家計簿アプリに登録した電子マネーやクレジットカードで買い物すると、買い物データに連動したおつりがトラノコアプリに表示されます。おつりは5円から1円刻みで投資可能。おつりは買い物金額の端数で、投資するかどうかは買い物ごとに選べます。毎月の投資金額の上限を設定することも可能です。
毎日のおつりで自動的に投資信託を買い付けてくれるので、後はアプリで運用状況を確認するだけです。月額利用料が300円かかりますが、運用報酬は年率0.30%なので、長期で運用を続けて資産が貯まれば、コスト負担は小さくなります。
トラノコの詳細は、以下の記事を参考にしてください
今回は、おすすめの少額投資として以下の金融商品を紹介しました。
投資は数十~数百万円などまとまった資金が必要と考えている人もいるかもしれませんが、1万円程度あれば投資を始められます。
ポイント投資を利用すれば、お金を使う必要もありません。ただ、ポイント投資では大きくお金を増やすことが難しいので、将来のためにお金を貯めるには、つみたてNISAを利用しインデックスファンドから始めるのがおすすめです。
少額の資金でも長期で運用を続ければ大きな金額になる可能性があります。低金利で預貯金ではお金が増えない時代なので、少額から投資を始めてみてはいかがでしょうか。