公開日:2019年10月11日
上手にお金を使いたいと感じている方は多いと思いますが、気がついたらお金を浪費してしまっているとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
上手にお金を使うためにまず必要なのが、浪費癖を治すことです。浪費癖を治すには「今すぐできる対症療法」「浪費癖そのものを治す根本治療」「その対策の効果を検証するための家計の把握」の3つが必要になります。以下それぞれの項目について記載します。
目次
浪費癖への対処は、以下の通り二段構えでアプローチすることが大切になります。
浪費癖は「気がついたらついしてしまう」という、ある意味で習慣だからです。そこでまずは、浪費癖の弊害を軽減する「今すぐできる対症療法」としての仕組みについて以下に記載します。
浪費癖のある方は「今すぐできる対症療法」として、まず第一に借金を作らない仕組みを作ることが重要です。浪費することで一番怖いのは借金を作ってしまうことです。一度借金をしてしまうと、手元にお金がなくてもすぐにお金を使ってしまう癖がつくおそれがあります。
さらには、金利負担により借金額が増大していくおそれもあります。そうならないように、まずは今よりお金を浪費しないための方策を取りましょう。
具体的には、先取り貯金をまず行います。浪費癖のある方は手元に現金があると使いがちなので、手元に現金を置かないようにするアプローチが必要です。先取り貯金とは、毎月のお給料から各種税金や社会保険料等を差し引いた手取り金額に手をつける前に、あらかじめ決めた金額を貯金する貯金法です。
ネット銀行の定期預金の詳細は下記記事もご参照下さい。
合わせてクレジットカードは原則として持ち歩かず、海外旅行に行くときなど必要最低限のときのみ持ち歩くようにしましょう。クレジットカードは、利用の仕方次第ではとても便利です。ポイントも貯まるのでうまく使いこなせば、節約にもつながります。
しかし浪費癖のある方にとっては、手持ちの資金がない場合、クレジットカードの利用でかえって借金をしてしまうおそれがあるため、できるだけ持たない方がよいでしょう。
浪費の弊害を軽減する対策ができたら、第二に「浪費癖そのものを治す根本治療」を行います。つまり、浪費の原因を突き止め対処する行動に移っていきます。
お金を散財する原因の根っこにあるものは心身の健康です。この心身の健康を保つために手段を講じるのが、浪費癖を治すために必要な視点です。以下、身体の健康という観点と心理的な健康の2つに分けて記載します。
まず行うのが病気にならない身体作りです。病気になり病院に通った場合や入院した場合には、治療費や薬代がかかります。これは本来であれば必要のなかったお金です。病気にならない身体を作ることは、結果として支出を抑えることにつながるのです。
睡眠、食事、運動の三点が思うようにいかないと、健康状態が崩れ病気につながります。当たり前のことかもしれませんが、だからこそ疎かになりがちな部分でもあるので日々意識していくことが大事です。
この三点でポイントになる点については以下の通りです。これが全てではありませんが、一つの参考にしてみて下さい。
睡眠 | 就寝時間と起床時間を一定にする |
---|---|
食事 | 野菜をとるなどビタミンを意識的に取る
植物性タンパク質をたくさん取る |
運動 | 毎日1万歩歩くなど、意識的に歩くことを心掛ける
自宅やジムでトレーニングする |
次に行うのは、心理的なストレスの軽減です。浪費で散財してしまうときの心理は、主にストレスに支配されているもの。心理的なストレスを抱えていなければ必要としない支出は浪費です。
心理的なストレスは目に見えません。人間は生きていく上でストレスを感じても頑張ることができます。それゆえに、心理的なストレスを抱えていても本人の自覚がないケースも多々あります。そのため、心理的なストレスを日々意識し軽減することもとても大事です。
おおまかな傾向ですが、女性は自分へのご褒美として買い物をする傾向があります。それがときには浪費になってしまうケースが見受けられます。
男性はお酒でストレスを解消する傾向にあります。ストレスを抱えていないときだったら飲まないようなお酒であれば、それは浪費である可能性があります。また、ギャンブルにのめり込み過ぎる方もいらっしゃるので注意が必要です。
人の心理は、人それぞれです、心理的なストレスを解消する方法は人によっていろんな方法があります。ただ、その中でも比較的どの人にも当てはまる内容が以下の3つです。できるだけ簡単にできて時間もお金もかけずに心理的なストレスを軽減する方法を選ぶのがポイントです。
自分の思っていることを気兼ねなく話せる同僚や友人と意識的に雑談してみましょう。リラックスして会話するだけでも、心理的なストレスが軽減されます。
また、会話の中で相手からの反応により自分が心理的にストレスを抱えていることがわかる場合があり、今の心理状態を客観的に気がつくきっかけにもなり得ます。意識してみると、こういった雑談を1日に1回もしていないことに気がつくかもしれません。
趣味は自分自身を心身ともに回復させてくれます。この趣味の時間を意識的に取るのも、心理的なストレスを軽減するために有効な方法です。この趣味の時間を毎日決められた時間に行うようにするとよいでしょう。
ポイントは、毎日できるように短時間であまりお金がかからない趣味を選ぶことです。
今思っていることを紙にただ書き出してみる「モーニングページ」という方法もあります。心理的なストレスを抱えているときは、そのときに紙に書き出された言葉にそれが如実に表れます。
特に朝起きたばかりのときは頭の中がクリアになって余計なことを考えていない状態なので、タイミングとしてはおすすめです。最初はあまり書けないかもしれません。ただ継続してやっていくうちに、だんだんと書けるようになっていきます。
浪費癖への対処方法を講じたら、第三に「その対策の効果を検証するための家計の把握」を行います。つまり、対処方法が実際に実行され改善されているかチェックします。そのチェック方法も仕組みを整え、確実にお金の使い方を改善していくことができるようにするのが大切です。
毎月の手取り金額のうち、何にどれくらいお金を使うかあらかじめ予算を決めます。予算を決めることで、自分が実際にどの部分にお金を使っているか傾向が見えてきます。そこからさらに、無駄な支出を洗い出すことが可能です。具体的には、支出を以下の通り大きく三種類に分けます。
項目 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
消費 | 生きていく上で必要な支出 | 水道光熱費、通信費、家賃、食料費等 |
投資 | 自分自身の成長や将来のために必要な支出 | 書籍代 スポーツジム会費 趣味に使う費用等 |
貯蓄 | 将来に備えるためあえて使わないお金 | 貯金、投資 |
手取り金額のうちいくらを「消費」「投資」「貯蓄」のそれぞれに充てるかの目安は以下の通りです。これはあくまで目安ですので、一度この内訳でやってみた後、ご自身のライフプランに応じて修正していくのもいいでしょう。
消費 | 60% |
---|---|
投資 | 20% |
貯蓄 | 20% |
「消費」「投資」「貯蓄」の具体例で挙げたもののうち、「投資」に該当する費用は特に注意が必要です。本を買っても読まなければ「浪費」になりますし、スポーツジムに通わなくなればその会費も「浪費」になります。趣味に使うお金も過度に使えば、もちろん「浪費」になります。
実際に、決めた各費用の内訳を意識してお金を使っていきます。この点、浪費癖を治したい方にとっては毎日のお金の使い方を振り返るお金ノートをつけるとよいでしょう。ノートの片方のページに、毎日お金を使ったときにもらうレシートを貼りつけます。
ネットショッピングなどレシートをもらえない支出に関しては、手書きで結構です。そして、もう片方にその各支出について振り返りのメモをします。
振り返りを行うときのルールはありません。気になる点があれば、まずは書いてみましょう。ただどういう点について気をつけて振り返りをしてよいか、難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、いくつかご参考に質問例を以下書いてみます。
振り返りを行うときには、問題点だけでなくお金の使い方でよかった点や以前よりも改善できた点についても、合わせて記載してみましょう。よい点を継続することも大事です。また、よかった点もしっかり認識して認めることがお金の使い方を改善し続けていくモチベーションにもつながります。
浪費癖はすぐに治らないからこそ、日々の振り返りで成長を実感することも非常に重要なポイントです。
これをやってみると、お金を使うときには必要だと思ったものの、後から振り返ると必要がなかったとわかる場合があります。また、むしゃくしゃしてストレス解消のため思わぬ出費をしてしまったことに気がつく場合もあります。
継続する中で、お金を浪費するご自身の傾向が見えてきます。傾向が見えてきたらどのように対策したらよいかわかってくるので、お金を上手に使いこなす実践的なトレーニングになります。
一か月に一回、毎月の支出をまとめてみます。食費〇〇円、通信費〇〇円…といった要領です。これらの経費を前述した「消費」「投資」「貯蓄」に振り分けてみて、自ら決めた割合になっているか確認します。
もし超える金額だった場合は、どこか支出を絞ることができないかを考えてみます。以下、具体的に各項目について記載します。
ここで、お金ノートをつけたときには気がつかなかった浪費に気がつくかもしれません。後から浪費だったと気がつく支出があれば、来月以降は気をつけましょう。意外と多いのがコーヒーなど一回の購入金額は小さいものの、一ヵ月にしたら大きい金額になる支出です。
支出の見直しについては、下記記事の「苦にならない家計管理の方法」という部分も参考になりますので、ぜひご覧下さい。
自分の将来のためと考え使っていても本当にそうなっているのか、後から振り返ると疑問に感じる支出もあるかもしれません。どれが将来役に立つ支出かどうか判断するのは難しいので、ここは金額の大小で見るといいです。
考えようによっては将来に役に立つ支出でも、金額が大きくなり過ぎればかえって日々の生活を圧迫してしまうので、むしろ浪費と考えることができます。
手取り金額の20%が貯金の目安の金額です。しかし、その金額が厳しいと感じる場合は一時的に金額を減らすのもありです。結婚、出産、お子さんの進学等、大きなライフイベントがある時期に貯金額が少なくなることはやむを得ないからです。
反対に、そういう時期があることを想定し、お金を貯めやすい時期に20%以上の手取り金額を貯金に回す時期があってもいいでしょう。
浪費癖は習慣ですので、すぐに変えるのは難しいです。また、浪費癖は心理と結びついているので、目に見えない部分も意識する必要もあります。だからこそ浪費癖を治すには仕組みが必要です。また、日々実践していく中で自分の成長を確認してモチベーションを保ち続けることも大切なポイントになります。
上記に記載したお金の使い方の見直し手順や各方法も参考にして、浪費癖に対し各方面でアプローチしていってみて下さいね。
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