- 30代の平均貯金額は独身世帯と既婚世帯で異なり、独身が359万円、既婚が529万円。
- 年間計画を立てるなどの準備が30代の貯金の第一歩。
- 30代でお金を貯めるには、支出を減らすことと収入を増やすことの両輪が大切。
公開日:2020年7月26日
30代は働き盛りといわれる一方、思うように貯金ができていないと焦っている人もいるでしょう。では、周りの30代はどれぐらい貯金しているのでしょうか?
この記事では30代の平均貯金額と、それにまつわるデータを紹介いたします。ぜひ参考にしていただき、しっかりお金を貯めていきましょう。
目次
30代は人生の道筋が定まりつつある年代だとされています。もちろん個人差はあるものの、一般的に30歳くらいまでに結婚して子どもができ、35歳前後でそろそろマイホームの購入を検討する時期といわれています。
40代になると子持ちの場合は教育費の工面が必要で、それが終わったら老後資金の検討など、より定まった人生設計となります。40代に楽ができるかどうかは30代にかかっているといえるでしょう。
では、そんな30代はどれぐらい貯金をしているのでしょうか?30代の貯金にまつわる以下内容を紹介します。
金融広報中央委員会の「家計と金融行動に関する世論調査(2019年)」によると、30代の貯金額(金融資産)は独身の場合が359万円、既婚の場合が529万円となっています。
ただし、平均値は高めに数値が出やすいという特徴があります。なぜなら、極端に多くの貯金を持っている人がいると、平均値を上げてしまうからです。そこで中央値というデータが参考になります。
中央値とは最も少ない値(または最も大きな値)から数えて、ちょうど真ん中に来る値のことです。30代貯金額の中央値は独身が77万円、既婚が240万円ですので、この値が実態をあらわす数値となります。
別の調査では単身世帯男性の貯金額が公表されています。総務省統計局が5年に1回行う「全国消費実態調査(2014年)」によると、30代単身世帯男性の平均貯金額は616万円です。この金額は株や保険など金融資産すべてであり、このうち貯金は360万円とのことです。
同じく総務省統計局の「全国消費実態調査(2014年)」では、単身世帯女性の貯金額も公表されています。30代単身世帯女性の平均貯金額は397万円(金融資産すべて)で、そのうち貯金は237万円とのことです。
同世代の男性のほうが金融資産200万円、貯金が100万円強多いことになります。私の知り合いもOLとして一生懸命働くものの、男性のように貯金が貯まらないと話しておりました。
転職サービスで知られるdodaが調査した統計(2020年)によると、30代の平均年収は442万円とのことです。
国税庁の「民間給与実態統計調査」(2018年最新)によると、日本の平均年収は441万円ですので、30代はほぼ日本の平均値に等しいこととなります。ただ、平均年収も男女で格差があります。
先述のdodaの統計によると、30代男性の平均年収は481万円、30代女性の平均年収は375万円となっており、およそ100万円ほど開きがあります。平均年収の違いからも、女性が貯金に不利となっている可能性が考えられます。
ここまで紹介すると、平均値を見て「みんなこんなに貯金しているの?」と驚いたあと、中央値を見て「こんなもんだろう」と感じた方が多いかも知れません。しかし、中には「私は貯金がゼロだから不安」と焦った人もいらっしゃるかも知れません。
実はこんなデータがあります。金融広報中央委員会運営の「知るぽると(2016年)」によると、30代のうち約31%が貯金ゼロなのです。3人に1人というかなり多くの割合で貯金がない人がいるということです。だからといって安心せず、これからはしっかり貯金を作っていきましょう。
これまでお金を貯めるのが苦手だった人が、急にお金を貯めようとしても、なかなかそういう習慣になり得ません。そのようなケースでは概してやみくもな貯金となりがちですが、無計画に貯金しようとするとすぐに挫折するでしょう。
そこで貯金の増やし方の準備編として以下内容を紹介します。
まずはお金を貯める目的から考えましょう。目的から逆算することで手段が明確になりやすいため、目的設定はとても大切です。ファイナンシャルプランとしては、人生で必要なお金が目的となり得ます。
30代の場合、たとえば住宅ローンの頭金にいくら、子どもを大学に行かせるのにいくら、40代からの老後資金構築にいくらなどと計算していきましょう。この目的を満たすためにお金を貯めていくことになります。
目的設定が終われば、今度は目標設定です。人生で必要なお金を洗い出しても、金額が大きくて抽象的だったり、必要なのが先の話だったりすると実感が沸きにくいです。そこで、目的から落とし込んだ目標設定が大切なのです。具体的には目的から逆算した年間計画を立てましょう。
たとえば、ローンの頭金と学費を合わせ、あと5年で250万円不足しているとしましょう。そうすると年間50万円の貯金が必要となるわけです。この50万円を1カ月で割り振ると、毎月4万円ちょっとの貯金が必要だと分かります。家計はこの4万円強の貯金を前提として管理すればよいのです。
実際に貯金額が洗い出せても、家計収支や、家計項目に対する収支の比率が分からなければ、行動指針が見えません。節約するにしても収入を増やすにしても、どのタイミングでどれだけの金額を設定すればよいのか分からないのです。
結果的に使ってはいけないお金を浪費するなど、予定どおりに貯まらない可能性があります。そこで家計簿をつけることをおすすめします。
家計簿はPCソフトやスマホアプリが便利ですが、エクセルや手書きでも構いません。あなたが継続しやすいやり方で管理していきましょう。毎日数分の時間でつけることができますので、それほど負担にはならないはずです。
お金を貯めるには節約が前提となります。よくお金はお風呂にたとえられますが、蛇口から風呂桶に水が入っても栓が抜けていれば水は貯まりません。
お金もこれと同じで、浪費ばかりしていてはお金は貯まりません。ちゃんと支出に栓をすることで貯まっていくのです。では、どうすれば支出に栓をすることができるのでしょうか?数ある節約方法の中から効果的な方法として以下を紹介します。
節約方法のうち、今すぐできるのが食費の節約です。食費の節約ポイントは予算組みと賢い買い物の2つです。予算組みはあらかじめ使ってもよい金額を設定し、それを買い物単位で分ける方法です。
たとえば、今月8万円を食費とした場合、1週間に2万円まで使えることになります。細分化することによって1回の買い物の予算も分かりやすいので、買いすぎを防ぐことができます。
もう1つの食費節約ポイントはスーパー通になることです。近所のスーパーの特性を把握し、どこで何が安く売られているか把握しておきましょう。特売日やポイントアップデー、割引デーまで知っておくと、よりお得にお買い物ができます。
必ずやっていただきたいことが固定費の見直しです。固定費とは光熱費や保険料、スマホ代など毎月かかるものです。他社への切り替えや支払い方法の変更により、少しでも安くなるのであればしめたものです。
固定費は1回見直すとその後毎月節約の恩恵が受けられますので、半自動的な効果をもたらします。面倒に思えるかもしれませんが、面倒なのは1回だけだと割り切って支出削減に努めましょう。
家計簿をつけていても貯金ができないという人もいらっしゃいます。たとえば今月10万円黒字だったとします。そのまま貯金すれば10万円増えるにもかかわらず、「今月は頑張ったから少しぐらい使ってもいいか」といって、気がつけば貯金に回すお金が減ってしまうのです。
貯金を意志力に任せてしまうと貯めにくい人が多いため、半強制的に貯金する仕組みを作りましょう。具体的には定期預金や財形貯蓄などがおすすめです。定期預金は銀行で申し込めますし、財形貯蓄は制度のある会社で利用できます。
クレジットカードの有効活用も節約のコツです。クレジットカードを使うと利用ポイントが貯まり、商品や現金などに交換可能であるほか、発行会社のサービスをお得に受けられるものが多いです。
ポイントアップや割引、優待、付帯保険など、カードごとにさまざまなサービスがついています。どうせ同じ買い物をするのであれば、クレジットカードを利用したほうがお得な場合が多いです。クレジットカード以外にも電子マネーで割引となるケースもあるため、支払い方法の検討は大切です。
風呂桶の栓を止めるように支出を抑えられれば、今度は収入の蛇口を増やすことを考えましょう。蛇口が増えるほど貯まりやすくなるのは、お金もお風呂の水も同じです。 ここでは数ある収入アップの方法の中から、おすすめの方法を紹介します。
金融商品への投資と聞くとハードルが高いように思うかもしれません。しかし、低金利時代の日本では預貯金で金利を得られにくいです。仮に物価が2%上昇した場合、それ以下の金利で貯金していればお金が減ることに等しいです。そのため貯金よりも投資でお金を増やす方法が効果的です。
ただし、初心者がいきなり株式投資やFX、先物取引にチャレンジするのは危険です。余裕資金の範囲で積立NISAやiDeCoにチャレンジしてみましょう。これらは節税効果もある上、積立NISAは100円から、iDeCoは5,000円からチャレンジできます。
ハードルもリスクも低いため、チャレンジする価値はあるでしょう。ただし、投資である以上元本割れのリスクはありますので、余裕資金での運用が前提です。
自分に投資することも大切です。たとえば読書やセミナーへの参加、資格取得、情報商材での勉強など、自分を成長させることにお金を使うのはよいことです。
自己投資は稼ぐことではなく、支出ではないかと思う人もいらっしゃるでしょうが、自分に投資したお金は将来回収できます。結果的にお金を増やす方法となりますので、可能な限り自己投資を行いましょう。
もしもお勤めの会社が副業を認めてくれるのであれば、大きな収入アップが見込めるでしょう。副業と一口にいってもさまざまですが、ここではおすすめの方法として 「クラウドソーシング」「アフィリエイト」「ネット転売」の3つを紹介します。
クラウドソーシングとは仕事を発注する側と受注する側のマッチングサイトです。データ入力などのカンタン作業からライティングなどの着実なもの、サイト作成やシステム開発などの本格的なものまで、あらゆるIT系案件がマッチングされています。
月数万円のプチ稼ぎから月100万円以上の本業まで、受注すればしっかりと稼ぐことが可能です。
クラウドソーシングにはさまざまなサイトがありますが、クラウドワークスが特に有名です。
アフィリエイトとはWEB記事を投稿し、そこに広告を貼り付ける手法です。自分のブログやサイトにコンテンツを充実させてアクセスが増えれば、広告のクリックや商品サービス購入も増えていきます。
その成果報酬として収入が定期的に得られるため、不労所得となるのです。もちろん、たくさんのアクセスを集める必要がありますので、安定収入が得られるまでは地道なコンテンツ作りが必要となります。
あなたの得意分野の記事を投稿するなど、モチベーションが維持できそうなテーマでコンテンツを作りましょう。
ネット転売もおすすめです。ヤフオクやメルカリ、amazonや楽天ショップなど、ネットにはさまざまな商品が販売されています。それらの差額で稼ぐのがネット転売です。
たとえばヤフオクで仕入れた商品をamazonで販売し、その差額を得るのです。売れ筋商品のリサーチと価格差のチェックに慣れれば、売上が少しずつ積み上がっていくでしょう。
また、中国のオークションサイトから仕入れて日本のamazonで売ったり、日本のamazonで仕入れて海外のオークションサイトで販売するなど、その方法はさまざまです。毎月数万円だけ稼ぐ人や、月収100万円超えの人までさまざまなセラーが活躍しています。
30代の平均貯金額は独身世帯と既婚世帯で異なり、独身が359万円、既婚が529万円です。ただし、貯金ゼロが3割ほどいるという実態もあります。30代でお金を貯めるには目的から逆算した目標設定や、家計簿による行動指針が第一歩となります。
そこまでできればあとは実践で、支出を減らすことと収入を増やすことの両輪を意識することが大切です。30代でしっかりお金を貯め、ゆとりある40代を目指しましょう。
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