- 20代の平均貯蓄額は106万円ですが、平均値よりも中央値が重要です。
- 貯金は期間が長いほど有利であるため、20代から貯金するのはおすすめです。
- 20代が賢く貯金する方法には、財形貯蓄などいくつかの方法があります。
公開日:2020年8月1日
20代の平均貯蓄額はいくらなのでしょうか?自分の貯金額が人より多いのか少ないのか気になる人のために、この記事では20代の貯金事情を詳しく解説いたします。また、賢いお金の貯め方についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
前半は学生、後半は既婚社会人など、20代はさまざまな立場が混在する年代です。そのため、人生設計の土台作りをする年代ともいえます。そんな20代は一体どれぐらいの貯えがあるのでしょうか?20代の貯金事情として以下内容を紹介します。
20代の平均貯蓄額は106万円(2019年 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯])です。預貯金だけでなく保険や投資商品も含めた資産での金額です。
この額を見てどのように思われたでしょうか?ひょっとしたら「自分の貯金よりも随分額が大きい」と思われたかも知れません。実は平均値というのは極端な高収入者が増えることで、実態より高めとなる傾向があります。実態に見合った値としては中央値を見るべきです。
中央値とはデータを小さい順に並べたとき中央に位置する値です。たとえば、Aさんの貯金額が1億円、Bさんが200万円、Cさんが50万円、Dさんが40万円、Eさんが0円だった場合、真ん中のCさんの値が中央値です。
20代の中央値は5万円ですので、平均値とは大きな差があります。ちなみに、20代の貯蓄額は年収によって大きく異なりますので、中央値とともに以下表(同調査)を参考としてください。
年収 | 平均貯金額 | 中央値 |
---|---|---|
300万円未満 | 54万円 | 1万円 |
300万円以上500万円未満 | 167万円 | 50万円 |
500万円以上750万円未満 | 498万円 | 145万円 |
750万円以上1000万円未満 | 1,280万円 | 1,280万円 |
1,000万円以上1,200万円未満 | 不明(データなし) | |
1,200万円以上 | 1,024万円 | 500万円 |
SMBCコンシューマーファイナンス「20代の金銭感覚についての意識調査(2017年)」によると、20代の平均貯蓄は男性が163万円、女性が104万円という結果が出ていました。
公的機関が出しているデータでは男女比が分かりませんので、SMBCコンシューマーファイナンスのデータを目安にすると、男性のほうが女性よりもおよそ1.5倍貯えていることが分かります。
求人情報dodaの調査(2018年)によると20代男性の平均年収が369万円、20代女性の平均年収が319万円となっており、男性のほうが収入が多いことが要因と考えられます。
20代の社会人には貯金ゼロの人もいます。「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2019年)」によると、「金融資産を保有していない」と回答した20代は45.2%にのぼります。実は半数近くが貯金ゼロというのが実態なのです。
「20代のような若いときからお金を貯めなくても大丈夫」という声を耳にすることがあります。確かに貯金ゼロの20代が多いことからも、そのような意識が伺えます。しかし、できることなら早めにお金を貯めていただきたいです。その理由として以下を紹介します。
貯金は期間が長いほど有利です。たとえば120万円貯めるのに1年の期間だと、毎月10万円貯めなければなりません。もし10年で貯めるのであれば、毎月1万円の貯金でよいことになります。
つまり、期間が長ければ長いほど月々の貯金額は少なくて済むのです。もしも毎月の貯金額が一定であれば、期間が長いほどたくさん貯まることになります。そのため、20代から貯金をしたほうがよいのです。
貯金があると将来を楽にしてくれます。結婚資金が貯まっていればすぐに結婚式を挙げられますし、マイホームの頭金が貯まっていればスムーズに購入が可能です。子供の教育資金や老後資金で慌てることもありません。それぞれのタイミングで経済的ゆとりを与えてくれるでしょう。
貯金は選択肢を増やしてくれます。取りたい資格の取得費用や高額な情報商材費用、ビジネスの立ち上げ費用など、チャンスを手繰り寄せる資本となります。
これら自己投資によってその後の人生の選択肢が増えますので、若いうちから貯金があるほど人生が有利に働きやすいのです。
若いうちから貯金したほうがよいと気付いたとしても、具体的にどうすればお金が貯まりやすいのでしょうか?ここでは20代が賢く貯金する方法として以下内容を紹介します。
貯金をするには家計簿をつけましょう。家計簿をつけないまま貯金をしようとしても支出の目安がないため、浪費や過剰な節約につながりやすいです。
また、支出の多い家計項目が浮き彫りになりピンポイントでの節約をしやすくなりますので、家計簿によって戦略的な貯金が可能となります。家計簿をつけるだけで貯金が増えたという人もいます。早速今日から実践しましょう。
ちなみに家計簿はまとめてつけるよりも、毎日コツコツつけたほうが負担が軽く継続しやすいです。
家計簿的には「支出」とひとくくりにする項目でも、実は3つの属性があります。それは「消費」と「浪費」と「投資」です。
消費は必要なものを買う行動で、ムダもなければ利益もありません。浪費はひとことで言うと無駄遣いのことです。不必要なものを買った場合や衝動買いで失敗した場合がこれにあたります。
投資は支出が将来の利益をもたらすものです。購入したことで知識やノウハウが増えたり、健康が得られたり、生活のクオリティが上がるものなどです。
何かを買うときにはこの3つのうちのどれかを意識すると、浪費が減りやすくなり投資が増えやすくなるでしょう。その結果貯金も増えやすくなります。
貯金を増やすためには節約だけでなく、収入を増やすことも考えましょう。ポイントサイトなどでプチ稼ぎをしたり、アルバイトやソーシャルワークで副業したりすることなどが挙げられます。
収入が増えた分家計が楽になり、貯金に回せるお金も増えるでしょう。ただし、せっかく稼いだものを使ってしまうと意味がありませんので、生活水準を上げないように気をつけましょう。
着実にお金を貯めるためには定期預金を行いましょう。定期預金は毎月決まった額を預金することになるので、計画的にお金を貯めやすい方法です。毎月余った分だけ貯金するという無計画な方法だと使いすぎを誘発してしまいますので、定期預金によって半強制的な貯蓄を行いましょう。
会社に財形貯蓄制度がある場合、ぜひ手続きを行いましょう。財形貯蓄とは会社が給料から天引きで貯蓄してくれる制度で、金利が非課税であるためお得にお金を貯められます。
使い道が自由な「一般財形貯蓄」、年金目的の「財形年金貯蓄」、住宅購入が前提の「財形住宅貯蓄」と3つの種類があります。
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は、目的以外の利用をすると利息が課税対象となりますが、一般財形貯蓄は使い道自由ですので気軽な利用が可能です。ただし、1年間は払い出し不可ですので気を付けましょう。
人付き合いが増えるほどお金の減り方も増えます。そのため、ある程度人付き合いを限定することも重要です。刺激を与えてくれる人やともに成長できる人など、将来の自分にプラスになる人と付き合いましょう。
一方、愚痴や悪口ばかりいう人、自分のことしか考えていない人とは距離を置いたほうがよいでしょう。このような人との付き合いは時間とお金の浪費につながります。
お金を計画的に貯めるには目標設定が重要です。人間心理として、目指すところがあるほうが励みになるからです。ここでは目標設定から逆算した貯金プランの立て方について、以下内容を具体的に紹介します。
いくら貯金が必要なのかは逆算思考が重要です。現在の積み上げで考えると余った分を使ってしまいやすくなるため、ライフプランから必要なお金を洗い出すことがおすすめです。
結婚、出産、マイホーム購入、教育費用、老後資金など、人生で起きるであろうイベント(ライフイベント)を想定し、それぞれいつ・いくら必要なのか計算しましょう。
必要な金額と必要なタイミングが分かれば、毎年いくら貯金が必要かの逆算ができます。将来の年収アップを見越して20代の貯金は少な目、30代から増やして40代50代は多めにすることが一般的です。
また、2%程度の物価上昇率により支出の増加を見込んでおく必要もあります。無理な計画になりそうであれば、もう一度ライフプランを見直すなど、人生設計の指針にもなるでしょう。
毎年いくら貯金が必要か計算ができれば、そこから毎月の計画に落とし込みましょう。このときに考慮すべきことは、たとえばボーナスやボーナスローンなどの臨時収支を踏まえることです。
ほかにも固定資産税、自動車税など税金が多いシーズンなどの考慮も必要です。支出が多い月の貯金は軽く、支出が少ない月の貯金は多くするなどで全体のバランスを取りましょう。
20代の平均貯蓄額は106万円で中央値は5万円です。そして半数近くが貯金ゼロとなっているというのが20代の貯金事情です。ただ、貯金は期間が長いほど有利であるため、20代から貯金したほうがよいでしょう。
20代が賢く貯金する方法には、定期預金や財形貯蓄などいくつかの方法がありますので、ぜひ実践しましょう。まずは家計簿をつけ、家計管理するところからスタートです。
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