公開日:2018年12月16日
終身保険は、死亡や保険会社が約款で定めている所定の高度障害となった場合に保険金が支払われる生命保険ですが、保険契約をする際は、保険契約者・被保険者・保険金受取人の三者を決める必要があります。
その中でも、保険金受取人は、その名の通り、保険会社から支払われた保険金を受け取る人のことを指しますが、終身保険の保険金受取人を決める場合は、時として、ライフプランや税金のことを考えて決めることも大切です。
そこで本記事では、終身保険の保険金受取人の選定ポイントについて、ライフイベントと税金のことを考えながら、要点をまとめて紹介していきます。
なお、終身保険のポイントや気になる注意点については以下の記事をご覧ください。
目次
終身保険は、ご自身や家族に万が一のことがあった場合に加入している方が多いと思いますが、多くの世帯では、保険金受取人を配偶者に指定しているのが一般的です。
これは、至ってシンプルな考え方であり、ライフイベントや税金を考えた上においても、合理的な設定であるとも思われます。
仮に、資産家で相続税の対策やその他の事情が特別に無いのであれば、終身保険の保険金受取人を配偶者にしておくことが手続きや先のことを考えますと、最も望ましい方法であるとも考えられます。
終身保険の保険金受取人は、ご自身のライフプランや大きなライフイベントが発生した時は、一度確認しておくことが大切になります。典型的な例としては、結婚・離婚・再婚があげられますが、以下、それぞれのライフイベントと保険金受取人について考えていきます。
終身保険に加入するタイミングは、人それぞれ異なりますが、中には、社会人になったことをきっかけに、ご自身が保険契約者で被保険者の終身保険に加入される方もおられると思います。
この場合、保険金受取人を両親のいずれかに設定している場合が多く見受けられますが、結婚というライフイベントを迎えた場合は、保険金の受取人を両親から配偶者へ変更する手続きを忘れないようにしたいものです。
筆者が実際に相談に応じた事例として、結婚前に終身保険に加入していたのにも関わらず、なぜか、終身保険に加入していることを覚えておらず、二重に終身保険に加入している事例がありました。
1つは、保険金受取人が配偶者、もう1つの終身保険は、母親が保険金受取人となっており、筆者自身もなぜこのような事態になったのか驚きを隠すことができない非常に衝撃を受けた思い出でした。
終身保険の保険金受取人を配偶者にしている場合で、仮に、離婚をしてしまった場合は、速やかに保険金受取人の変更手続きを保険会社にすることをおすすめします。
離婚の原因はさまざまではありますが、言うまでもなく保険金受取人を変更しない場合は、万が一、死亡や高度障害になってしまった場合の保険金は前の配偶者に支払われることになります。
また、こちらは余談となりますが、結婚・離婚・再婚などがきっかけで住所が変更になった場合や苗字が変わった場合なども保険会社に対して変更手続きをしなければ、保険金請求をする際に面倒になりますので、こちらも忘れずに行っておきたいものです。
離婚や再婚をした場合で、前の配偶者との間に子供がいる場合、その子供たちには、財産を相続する権利が発生します。
たとえば、前の配偶者との間に2人の子供がいたと仮定し、再婚した後、現在の配偶者との間に1人の子供がいたとします。
この時、死亡したことによって遺産相続できる法定相続人は、現在の配偶者と3人の子供の合計4人となり、現在の配偶者やその間に生まれた子供からしますと、相続できる財産が減ることになります。
終身保険の保険金も相続財産に含まれますので、このような特殊な場合は、保険金受取人の設定はもちろん、保険金の受取割合を変更するなど、揉めない相続対策があらかじめ必要な場合もあります。
本記事の冒頭では、終身保険を含め、保険契約をする際は、保険契約者・被保険者・保険金受取人の三者を決める必要があることをお伝えしました。
この時、保険契約者・被保険者・保険金受取人の三者が誰なのかによって、保険金を受け取った時の税金の種類が異なる点には注意が必要です。
以下、ここでは、家族構成が本人・配偶者・子供といった3人家族であるものと仮定し、終身保険の契約と保険金にかかる税金の種類について表にまとめて紹介します。
保険契約者(保険金を支払う人) | 被保険者(保険の対象となる人) | 保険金受取人 | 受け取った保険金に対してかかる税金 |
---|---|---|---|
本人 | 本人 | 配偶者など | 相続税 |
本人 | 配偶者または子 | 本人 | 所得税および住民税 |
本人 | 配偶者または子 | 配偶者または子 | 贈与税 |
終身保険の契約の仕方によって、それぞれ受け取った保険金に対してかかる税金が異なっていることが確認できます。
ただし、これらの税金は、必ず納めなければならないといったものなのではなく、あくまでも税金の対象になるといった点に留意して下さい。
つまり、受け取った保険金の金額・家族構成・これまで支払った保険料の総額・非課税制度の適用・相続時精算課税制度の適用など、さまざまなケースを総合的に判断して、税金がかかる、税金がかからないといったものが判定されます。
そのため、保険金受取人を含め、ライフプランや税金関係を考慮した三者間の関係と選定が大切になってくるわけであり、時には、税理士や独立系FPなどといった専門家の判断が重要になる場合もあることを念頭に入れておきたいものです。
終身保険に関わらず、基本的に生命保険の保険金受取人は、契約している保険会社に対して連絡をすることによって、簡単に変更をすることができます。
以下、保険金受取人の手続きの流れについて紹介しておきます。
保険金受取人の変更手続きは、契約している保険会社に連絡さえしてしまえば、後は、流れに沿って行えば済むため、極めて簡単な手続きです。
なお、こちらは余談となりますが、引っ越しなどによる住所変更手続きにつきましても、基本的には、契約している保険会社に連絡をするところから始まりますが、電話による口頭で簡単に手続きが終了する場合もあります。(筆者自ら体験)
また、ご自身と配偶者が同じ保険会社の保険契約をしている場合は、併せて、配偶者の住所変更手続きも電話一本で解決する場合がありますので、特殊な事情があった時は、何かしらの変更手続きが必要になると頭の片隅に押さえておけば足りると思われます。
終身保険の保険金受取人は、配偶者に設定しておく基本的な考え方で問題がありません。
ただし、相続や贈与といった問題や対策で終身保険を活用する場合は、専門的な解釈や判断をしながら保険金受取人を配偶者以外に設定する必要性も生じてきます。
そのため、このような特殊な事情が生じた場合や生じることが予測される場合は、民法に定められている相続関係や相続税法に定められている相続税の関係などを考慮した対策が必要であり、一筋縄では解決できません。
また、保険金受取人を変更することは、かかる税金も変わることになりますので、この辺もあらかじめ注意をしながら手続きを行うようにしておきたいものです。
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