- 40代の平均貯金額は694万円、中央値は365万円ですが、年収ごとに貯蓄額は異なります。
- 40代で考えるべき貯金は、教育費用として約1000万円、マイホーム購入費用に約3000万円、老後資金に約2000万円です。
- 貯金するためには、家計簿をつけて戦略的な貯金をするなどさまざまなコツがあります。
公開日:2020年8月26日
あなたは今どれくらい貯金があるでしょうか?ひょっとしたら、貯金が少ないと不安になっている人もいらっしゃるかも知れません。この記事では、特に40代の貯金事情について紹介します。
ぜひ参考にしていただき、これからしっかりと蓄えていきましょう。
40代での貯金額の目安を知りたいものの、お金のことは周りの人に聞きづらいものだと思います。そこで、40代の貯金事情について以下内容を紹介します。
40代の貯金事情を理解する上で、平均値と中央値の違いを知っておきましょう。
ここでいう平均値とは、合計金額を人数で割り算したものです。
たとえばAさんの貯金が1億円、Bさんの貯金が1000万円、Cさんの貯金が300万円、Dさんの貯金が100万円、Eさんの貯金が0円だったとします。すると「(1億円+1000万円+300万円+100万円+0円)÷5」となり、2,280万円が平均値となります。
中央値とは、多い順もしくは少ない順に並べた中央の数値のことで、この場合は300万円となります。平均値は参考になるものの極端な高収入者が引き上げてしまうため、中央値が実態に近い数値だといわれています。
では、40代の貯金額をズバリ紹介しましょう。「家計の金融行動に関する世論調査」(2019年)によると、40代の貯金額は平均値が694万円、中央値が365万円となっています。
平均値だけ見ると「皆たくさん貯金しているんだなあ」と思えるかも知れませんが、中央値で見ると300万円以上低くなります。
貯金事情は年収によっても異なります。収入が低ければなかなか貯金しにくいですし、収入が高いほど貯金しやすくなるでしょう。ここでは年収別の平均貯金額と中央値を紹介します。
年収 | 平均貯金額 | 中央値 |
---|---|---|
300万円未満 | 196万円 | 65万円 |
300万~500万円未満 | 365万円 | 200万円 |
500万~750万円未満 | 760万円 | 500万円 |
750万~1000万円未満 | 921万円 | 635万円 |
1000万~1200万円未満 | 1,278万円 | 860万円 |
1200万円以上 | 1,771万円 | 1,560万円 |
実は40代で貯金がない世帯も多く、貯蓄ゼロ世帯は18.7%もいます。貯金ゼロ世帯も低収入であるほど割合が多く、高収入ほど割合が少なくなりますので、年収ごとの割合を紹介します。
年収 | 貯金ゼロ世帯の割合 |
---|---|
300万円未満 | 35.7% |
300万~500万円未満 | 22.8% |
500万~750万円未満 | 11.7% |
750万~1000万円未満 | 7.1% |
1000万~1200万円未満 | 2.8% |
1200万円以上 | 5.3% |
一般的に40代に必要な資金は子どもの教育費用、マイホーム購入費用、老後資金といわれています。これらライフイベントごとに大きな支出が発生するため、それに備えた貯金が必要となります。では、それぞれいくら必要となるのか、以下にて紹介します。
文部科学省の「家計負担の現状と教育投資の水準」によると、子どもの教育費用の目安は、1人あたり約950万円必要とされています。この金額は大学まで公立の場合ですので、私立に進学すればより多くのお金がかかります。
また、1人あたりですから子どもが2人3人いる場合は掛け算となります。学資保険に加入するなど早い段階から教育費の準備をすることが望ましいのですが、40代で準備をしていなければ貯金で賄うか、奨学金制度を利用するなどの対応が必要です。
2018年度フラット35利用者調査によると、マイホームの購入費用の目安は約3340万円です。ただし、マイホームを一括払いする人は少ないため、準備しなければならないのは頭金です。
頭金の目安はマイホーム購入費用の1割~2割が妥当といわれていますので、300万円~700万円ほどの資金が必要となります。
老後資金は2000万円必要と考えられています。2019年6月に金融庁が報告した内容によると、平均収支から年代別金融資産を推計すると、年金だけに頼った生活では毎月約5万円赤字となり、老後生活が20年の場合は1300万円、30年の場合は2000万円が不足するとしています。
現在60歳の人のうち4人に1人が95歳まで生きるという推計もあるため、老後の備えは早めに行う必要があります。
上記にて、貯金額の多さは年収の高さに比例するデータを紹介しましたが、そもそも40代はどれくらい稼いでいるのでしょうか?ここでは40代の収入事情として以下を紹介します。
国税庁「平成29年分民間給与実態統計調査」によると、サラリーマン・パート・アルバイトなど給与所得者の平均年収は、40歳から44歳が468万円、45歳から49歳が496万円です。
手取り額で見てみると、40歳から44歳が374万4,000円、45歳から49歳が396万8,000円となっています。実質、この手取り額から家計をやりくりして貯金していくこととなります。
国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査結果」では、男女別の平均年収も公表されています。これによると男性が608万円、女性が316万円となっており、男性のほうが圧倒的に女性より高収入であることが分かります。
同じく国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査結果」によると、学歴と収入にも相関があります。男性で高卒の場合の平均月収が31万9,800円であるのに対し、大学・大学院卒の場合は45万6,250円です。
女性の場合も高卒が22万3,500円であるのに対して、大学・大学院卒は34万4,000円です。男女とも高学歴であるほうが年収も高くなります。
貯金はなかなか難しいという声をときどき耳にしますが、きっちりすべきことをしていれば必然的に貯金は増えていきます。ここでは、しっかりと貯金するためのコツとして以下内容を紹介します。ぜひ実践して蓄えていきましょう。
貯金するためには家計簿は必須です。ひと言でいうと、収入が支出を上回ればその分貯金ができるわけです。そのため、収入がいくらで、支出がいくらなのか把握することが第一歩となります。
数日分溜めず、毎日コツコツと家計簿をつけておけばそれほど負担なく継続できますので、早速今日から家計簿に取り組みましょう。アプリやパソコンソフト、エクセル、手書きなど何でも構いません。あなたに合った方法で実践しましょう。
家計簿は戦略的につけると効果的です。ただ単に家計収支をつけていくだけでは、支出の目安が分かりません。
しかし、必要な貯金額から逆算した目標貯金額や、節約を前提としたモデル収支、家計項目ごとの予算設定をしていると、支出の指針となります。
つまり、計画を立ててそれに則した消費を行うと家計管理がしやすく、結果貯金が増えやすくなるでしょう。
貯金は毎月の余ったお金だけでしようと思うと、なかなか貯まっていきません。黒字になったら気が緩んで浪費してしまうケースがあるからです。そこで、半自動的に貯金できる仕組みを整えておきましょう。
たとえば定期預金や積立投資などしておくと、意志力に関係なくお金が貯まっていきます。定期預金は銀行に申し込めばすぐでき、銀行によっては1円から行えます。
積立投資はiDeCoが5,000円から、NISAが100円から行えますので、無理のない範囲で投資できます。iDeCoやNISAは節税効果もありますので、お得な投資商品です。
ただし、あくまでも投資ですので、低リスクではあるもののノーリスクではない点に注意が必要です。
貯金をするためには節約が欠かせません。いくつか節約術を覚えておきましょう。数ある節約術の中でおすすめなのが、「固定費の見直し」「クレジットカードの有効活用」です。
固定費は一度見直すと毎月自動的に節約できるため、取り組まない手はありません。家賃、保険、通信費、水道光熱費など、すぐにでも見直しをかけましょう。
クレジットカードは利用ポイントが貯まるほか、割引優待が付くものもあります。その分現金払いよりお得です。
また、旅行保険やショッピング保証など付帯保険が付くものや、空港ラウンジサービスが付くものもあり、良質なサービスを受けられるカードも多いです。
節約と同時に収入を増やすことも考え、夫婦共働きに変えたり、副業したりするなど検討してみましょう。最近はインターネットの普及により誰でもカンタンに収入を増やしやすくなっています。
たとえば仕事を出したい人と受けたい人をマッチングしてくれるクラウドソーシングには、膨大な案件が掲載されています。
隙間時間にできるデータ入力やライティング、本業で取り組むサイト作成、システム開発など、ネット系の案件が多ジャンルで募集されていますので、チャレンジするとよいでしょう。
40代の平均貯金額は694万円ですが、中央値は365万円となっています。ただし、年収ごとに貯蓄額は異なり、高収入であるほど貯金も多いです。
40代で考えなければならない貯金は、教育費用、マイホーム購入費用、老後資金などがあります。いずれもすぐに準備を始めるのがおすすめです。
少しでも多く貯金するためには、家計簿をつけて戦略的な貯金をするなどさまざまなコツがありますので、この記事で紹介した内容をぜひ実践してください。
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